あらすじ
「情けない人生でした」――器用に生きていた後輩の死、海で溺死した父……
岸本佐知子さん、能町みね子さん推薦!忘れられない喪失の記憶を炙り出すエッセイ集。岩井秀人さんとの特別対談収録。
「面白くて途中で読むのをやめられない。前田さんの文章には、読む人を前へ前へと駆り立てる不思議なエンジンがある。」
(岸本佐知子)
「死なれちゃった時は、まえさんみたいにたくさん話したほうがいい、って思う。マヌケなことや、細かいことまで、なにもかも。」
(能町みね子)
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
ああ、彼岸との距離はかくも近かったり遠かったり。人付き合いの距離は組み合わせの数だけあって世代でも違う。後悔しないことなんてあるのだろうか。
Posted by ブクログ
生と死はとなりあわせ
いつだってすぐ身近にあるのに
死への恐怖に気づかないふりをして
死なれちゃったことも忘れたふりをして
それは自分が生を全うするためでもあり
けど本書では死についてたくさん語り合っていて、少しも暗くなくて、辛いんだけど、苦しい思い出なんだけど
明るくて、つまり生きるパワーをもらえた
面白かったという感想は変なのかもしれないけど、いろんな人の死ぬ様はつまり生き様なので、読んでよかった
そして人と話すことって本当に大事だと、おしゃべりな自分には嬉しい肯定感を得た
覚え書き
あまり責任を感じすぎてしまうと、こっちがまいってしまうのて、時々思い出したり、時々忘れたりしながら、生きていく。
どこかで誰かが不幸なのは今に始まったことじゃない
他にもあったけどとりあえず( ˊ̱˂˃ˋ̱ )
Posted by ブクログ
日曜日のお昼に届いて、同じ週の火曜日のお昼に読み終わった。
死生観について誰かと話すことはあまりないから、普段は不足してるその「求めていた対話」みたいなやつの擬似体験をさせてもらったし、著書の前田さん(まえさん)をはじめとする方々の本当に貴い人生について聞かせてもらえたし、とにかく素敵な本だった。
よかった章を振り返りたい、以下ネタバレです
・「世界の笑撃映像」みたいなものでやめてしまえる死があるかもしれない
・「あとは大丈夫です」。助かった、くさいので。
・よく貯金3万ではしゃげるな。
・2メートル超の鉄柵と2メートルおきの三角コーン
・10年遅れでかける言葉
・生き死にと「面倒くさい」
・生き甲斐を剥奪
・「おしゃべりアトモスフィア」
・メールでの「まえさん」
・後悔を捨てない
・「ありがたいけど、けっこうです」
・「パパ、一秒でもママより長生きして!」とずっと願っていました
Posted by ブクログ
前田隆弘さんの本。著者が実際に経験した死別について書かれています。死別について書かれた本ですが、内容は暗いわけではなく読みやすかったです。死について生について色々と考えさせられました。
以下印象に残ったところ。
人生はまだ動いているわけだから。
病人が病人として向き合わなければならないものがあるように、関係者は関係者として向き合わなければならないものがある。それがデクノボーであることだと危口さんは言うのだ。
対談 死への恐怖
最近、認知症って死までの正しい段取りじゃないかと思うようになりました。頭が明晰なままだと、体の自由が利かなくなることや認知の衰えを自覚してしまうけど、認知症になれば、好きな時間にタイムスリップして、時間からも肉体からも自由になる。言うなれば「さなぎ」みたいな状態。これはかなり優れた機能なんじゃないかと…。
認知症をこのように肯定的に捉えたのは初めて読みました。確かにそうとも言えるのかもしれないですね。