あらすじ
君の百倍、僕は君が好きだ。僕の世界の真ん中は、もう僕じゃない。それはひどく幸せなことだった。総合病院の長男である加賀谷は、周囲の期待が重苦しかった。そんな時に出会った蓮に好意を示され、舞い上がるような心地になる。借金を背負いながらも一生懸命に生きている彼の力になりたいと思う。なのに──愛した「蓮」は恋愛詐欺師だった。彼と過ごした甘やかな時間、それが嘘だとはどうしても受け入れられず……。短編『ありがとう』も初収録今からでも遅くない。彼が幼いころもらえなかった幸せを、できるかぎり僕があげよう。そうしてこの家に彼のものがたくさん溢れて、その一つ一つが彼の毎日を確かな幸せで彩って、彼を笑顔にしてくれたなら、それだけできっともう僕も幸せだろうから。
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Posted by ブクログ
凪良さんが書く理解し合おうとして、理解し合えない。だけど傍にいたい。恋という感情が厄介なのに、手放せない。永遠なんてないのに願ってしまう。そんな描写が本当に大好きです。
蓮と加賀屋のそれぞれの生き方に違いがあるからこそ言い合わないと理解できないものがある。それを最後に言い合えて、寄り添いあえてよかった。
凪良先生の書く愛の形と登場人物の生き方。本当に強くて、だけど脆くて人間らしく、とても大好きです
Posted by ブクログ
『君の百倍、僕は君が好きだ。
僕の世界の真ん中は、もう僕じゃない。それはひどく幸せなことだった。』
やはり凪良先生が描く恋愛物語は、どうしたって胸が抉られ辛いけれど、死ぬほど美しい。凪良ゆうに恋愛物語を描かせたら、右に出る者はいない!!
総合病院の長男加賀谷はその肩書きもあり、恋愛詐欺師蓮に騙されてしまう。しかし蓮は加賀谷と接するうちに、人の温かさ優しさに触れ、強く加賀谷に惹かれていく。そんなとき加賀谷の過去の想い人の写真を見た蓮は、その人が自分と酷似であることを知り、その人の身代わりであることに悲嘆の思いを隠しきれず加賀谷から離れることに…
そして蓮が加賀谷から離れることを決意し自宅に戻ると、ドアの前に警察が…
果たして2人の前途多難な恋の行方は…
特に好きなシーンは、加賀谷が刑務所帰りの蓮を迎えに行くところ。加賀谷は騙されても蓮が好きで、蓮の偽りの拒絶姿をもろともせず、「また俺を騙して」と強く言い放ったシーンに涙が止まらなかった…
あとは加賀谷が蓮にたくさんの思い出の品をあげて、彼の部屋を思い出の品で満たし、彼を悲しませないようにしようと決意するところ。この描写を通して、行動で愛を示す加賀谷の人としての温かさが滲み出ているシーンだなと胸が温かくなった!!
2人がこれからも2人らしく歩いていけますように…
私も2人のようにお互いがお互いを思いやれる、そんな誰かと一緒に歩いていきたいな。
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初めてBL作品を読みました。
ずっと積読していたのですが、もっと早く読めばよかったと思うくらい、とても素敵なお話で心が温かくなりました。
さすが凪良ゆう先生の文章はお美しい。
なぜ積み木の恋というタイトルになったかなどのエピソード等もあり、最後まで楽しく読めました。
Posted by ブクログ
当たり前に好きです!!
切なくて優しい愛の物語でした。加賀谷のまっすぐなところと蓮のスパッと物事を考えられるところが素敵!好きだからこそ嫌われたくないと思って甘えることのできない蓮に共感しました。でもどちらの立場にも共感できます!クリスマス編は涙( ; ; ) こちらからしてみればちょーお似合いカップルなので末永くお幸せに!という思いです。2人とも不器用で可愛いです。
今まで色んな凪良ゆう先生の作品を読んできたなかで、この2人は原点ともいえる存在なのかなぁと思いました。
繰り返し読みたい心温まるストーリーでした。
Posted by ブクログ
夢中になって読み耽った1冊です。
詐欺師と医師家系の長男との組合せ。
育った環境が違い過ぎてお互い理解出来ない部分が多い事実を物語風に纏まって行くのではなく、一つ一つのふたりの、特に蓮の言動が納得のいくもので、頷きながら、幸せを願いながら展開を追いかけました。
人を信じたり愛情を持ったりするという事は裏切りや失ったときの悲しさも表裏一体として伴うもので。
その辛い思いから回避する為に本気で信じたり頼ったりすることを避けたくなる気持ちに共感。
だけど本気で、本音で愛する人と向き合うことでしか得られない多幸感、または辛みも自分しか味わえない大事なもので、それが人と生きるという事かなと改めて感じさせられました。
ふたりのこれからに幸あれ!!
片方からみれば理不尽としか思えない出来事や発言でも逆側に立ってみれば無意識な差別的言動であったり。
凪良先生の作品は1つの出来事を様々な角度の人々の視線で描かれているので奥深く読み応えがあります。
凪良先生作品は一般書籍は全て読破。BL作品は『セキュリティ·ブランケット(㊤㊦)』で衝撃的にはまり、書店で手に入る限りの作品は全て読みましたが、10年以上前の作品はなかなか手に入らずだったので、今回新装版として出して頂いてもの凄く嬉しかったです。
ジャンル問わず作品として胸を打つ作品ばかりなので、是非沢山の方と共感出来たら嬉しいです!
Posted by ブクログ
大好きな凪良ゆうさんの初期の作品とのことで手にする。
初めてのBL作品で、いろいろ衝撃だったけど、人が人を愛することに性別は関係ないんだな、と。蓮が加賀谷と出会わなったら、どんな人生を歩んでいただろう。
一般文芸、BLなど分野に関係なく、凪良作品はやはり続きが気になり、読む手を止められなくなってしまう。
Posted by ブクログ
BL作品を初めて読んだ。
なんともダイレクトなラブシーンが多くて驚き。
凪良ゆうさんの作品はBL以外のものを読んでて、
言葉にできないような関係と
恋愛感情の直接的な表現はあまり無かった様に思うんだけど(それでちゃんと読者に愛を表現出来てて凄い)この作品では、どストレートに好きな気持ち、
相手の事を愛おしく思う言葉が惜しみなく書かれててニマニマしながら(褒めてる)読んだ。
BLとか関係なく人を好きになる感情と言葉がストレートなのは素敵。
ホワホワしたわー。
色んな意味で。
椎名林檎の積み木遊びという曲を思い出した。
Posted by ブクログ
凪良ゆう先生の書く話が好きで、過去作から色々読んでいて、積木の恋は文庫が全然売ってないなと思っていた時に、新装版発売と知って購入。
やさしさと、お互いが守りあっていくような感じがよかった。
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凪良ゆうさんの本屋大賞をとられた作品の世界に引き込まれたので最近出版されたものを手に取りました。
初めての世界に驚きましたが、心情を丁寧に描かれるので登場する人物たちにすぐに心を寄せていきました。
書籍の中では日常では知り得ないものを経験できるので興味深いです!
Posted by ブクログ
凪良ゆうさんの原点に触れられた…!あとがきで拙い!とおっしゃっていたけど、すごく素敵なお話だった。恋愛って、自分にできないこと、自分にないところに惹かれるよね!というのを具現化してくれた物語。『滅びの前のシャングリラ』の読書ノートを書いた直後に本作を少し読み返すと、同じ温度を持ったあたたかい文章に、心から力がふっと抜けた。凪良さん、だいすき!
p.232 かっと頬が熱くなった。彼を傷つけた世間一般というナイフを自分も持っている。相手の凶器を非難しながら、自分も凶器を振り回す。愛は身勝手で傲慢で愚かだ。
「・・・・・・・僕は、恥ずかしくてたまりません」
「なんで?」
「僕は矛盾の塊だ」
「そんなん俺もだよ。つうか、みんなそうなんじゃねえ?」彼は夜空を見上げた。
「世の中の全員、平等に愛するなんてできねえしさ、みんな、自分が抱えられるだけのもんを守るのでいっぱいいっぱいなんだって最近わかった。それを身勝手だって言われたら、世の中のたいがいの連中が身勝手に分類されんじゃねえ?」
僕は彼の言葉に聞き入った。彼はとても無防備に、自分でも意識せず、この世界が抱えるどうしょうもない矛盾と悲しみについて語り、それを受け入れている。おそらく子供のころから見なくてもいい悲しみを目に映し続け、触れなくてもいい痛みを肌に受け続け、いつしか諸観と区別のなくなったものが今の彼を形作っている。それが彼の身を守る唯一の術だとわかっていて、それでも尚、とうしようもない歯がゆさに胸が塞がれていく。
p.242 あとがき
ここ数年、わたしの書く環境はずいぶんと変わりました。一番大きな変化は発表の場が広がったことです。ボーイズラブと文芸は明確に区分けされることも多いのですが、書き手としての自分の姿勢は特に変わっていない印象です。今作でも透の意固地な考え方や加賀谷の不器用さに、生きづらいよねえ、しんどいよねえと頷き、そういうふたりが関係を深めていく過程など、表現のつたなさはあるけれど、昔も今も言葉にしづらいしんどさに焦点が当たっていて、それは文芸で発表している作品でもほぼ同じでした。そういえば、悪者がわかりやすく罰されないところまで同じでおもしろかったです(角度を変えて書けば、その人にも事情があって単純な悪役などではないから)。
細かな枝葉の部分は大きく茂らせつつ、変わらない幹の部分に共感してくださる読者の皆さんに支えられて、この十五年間を歩んでこられたのだなと、今作を読み直して改めて感謝の想いが湧きました。心からありがとうございます。
Posted by ブクログ
これまで凪良ファンを語りながら、一般文芸ジャンルばかりを読み続け美しい彼以外はBL作品を手に取ってこなかったけれど、今回この作品を手に取って一行目から驚いた。
文芸作品では一度も描かれていない神の視点描写の凪良作品。透寄りではあるにしても、一人称でない文体で書かれる凪良作品は非常に新鮮だった。
一人称だからこそ描ける繊細さ、感情を抱えた本人にしか(場合によっては本人すら)気付けない心の機微を紡ぐ作家さんだと思っていたので神の視点で作品を描いてもこんなに繊細に物語を紡げるのか。と改めて凪良先生の底なしの才能と深みを堪能できた作品でした。
相変わらず読みやすいけどそれでいて優しく繊細な至極の一作。
Posted by ブクログ
凪良さんの初期作とのこと。16年くらい前?
あいかわらず人との距離感空気感みたいなのがじわじわとくる。
なんか窮鼠を思い出して苦しくなったけど、窮鼠ほど追い詰められ袋小路感はなくて、納得の凪良さんでした。
最後にでてきたケーキ屋さんの話もどこかで世に放たれているのではないかと思い、これからちょっと検索してみようかと思う。
Posted by ブクログ
あとがきに書かれてあったが、タイトルになっている「積木」という表現が良い
簡単に崩れてしまう危険もあるが、丁寧に1つ1つ積み上げていくという見方もある
BLではあるが、崩れそうになりながらも、修正して積み上げていった先に幸せがあって良かった
Posted by ブクログ
すごく読みやすくてすぐ読み終えました。
あまりにも単純(?)でわかりやすい恋愛小説で、そのうえ性描写が生々しく、結構読んでいて恥ずかしい一面もありました。
それにしても女性の作家さんが男性同士のこんなことをどうしてこんなに具体的に描けるのか不思議です。
あまり凝ったプロットや描写はなくて、荒削りな感もありましたがあとがきで凪良ゆうさんがその通りかかれていました。
BLってどういう層がターゲットなんだろう。
私は凪良ゆうさんの本が大好きだけど、BLはもういいかな。
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真っ当な恋愛小説。今どきのジャンルでいうとBL小説っていう。同性っていうだけで、他の部分は変わらず。もう少し、その部分以外の個性とか思いの強さとか熱とか感じられたら良かったな。
Posted by ブクログ
※
厳しい環境で育ち詐欺師になった蓮。
恵まれてはいるけれど、窮屈で歪んだ
環境で育った加賀谷。
騙す側と騙される側、ほんの一時だけ交わる
はずだった二人が、徐々に離れ難い存在に
なってゆく過程や相手を想って気持ちを偽る
場面はじりじりとしていてもどかしい。
頼ることや甘えることに怯えていた心が、
ゆっくり解けて行く様子は微笑ましくて
ほんのり温かい気持ちになりました。
Posted by ブクログ
好きな作家さんだったのでなんの前情報もなく読んだら、初めて触れる世界だった!
だけどそれだけじゃない作品。
あとがきを読んで、タイトルの秀逸さに感心した。
だけど一番の感想は、
私も加賀谷聡に甘やかされたーーい!!です。
Posted by ブクログ
BL小説?元のタイトルは”恋愛詐欺師”
施設育ちで顔のきれいな蓮が詐欺師。
最近みたアナザースカイの板垣李光人が思い浮かんでしかたなかったよ。
今回はほんとに愛してしまった御曹司の不器用で真面目な加賀谷。
お金に不自由しないってのがちょっとずるい。
紆余曲折あってハッピーエンド。
男同士でも男女でも恋愛は等しく平等だなと思った。
Posted by ブクログ
ボーイズラブの小説だったのね。
こそばゆい感を感じながら、新鮮でした。凪良さんの初期小説に興味を持ちました。コミックを読むようにスラスラ愉しみました。
Posted by ブクログ
一人の人間で見える世界が変わることを教えてくれる小説。
今回初めて、ボーイズラブの小説を読みました。(全く知りませんでした(笑))
最初は戸惑いが多かったですが、新鮮な気持ちで読めたのがよかったです。
当初の目的が変わって、一人の人間によって世界の見方・感じ方に影響を与えるのが興味深かったです。
また、人は色眼鏡で見てしまう習性があるのが少し悲しかったです。
でも、誰かを守るためには仕方がないことなのだと思うと切ないですね。
人は誰かを守るためには、誰かを傷つけているのかもしれませんね。
Posted by ブクログ
コミックと同時購入。積読本が多くてとりあえずコミックから読んで、こちらは長らく放置してました。
ゲイの恋愛詐欺師と、医療系研究者のはなし。
金持ちそうな加賀屋をカモにするけど、今までの人たちとはなんだか勝手がちがう。
本当に好きになっちゃダメなのに。
お金とってとっとと去らなくちゃなのに・・・
新装版のための書き下ろしに、「Christmas BOOK」と「New year'sBOOK」、「ありがとう」という3章追加されている。ボリュームはこの3つで本編と同じぐらい。
そして、追加の方が面白かった。
付き合って、でも前科者の透は、明家の加賀屋と付き合っていいのか、とか、
加賀屋としては、透が好きすぎて可愛すぎて頼って欲しいのに全然頼ってくれないのが不満で不安。
そんな二人の生活が今後も平凡につづ出ていって欲しいな。