【感想・ネタバレ】充たされざる者のレビュー

あらすじ

世界的ピアニストのライダーは、あるヨーロッパの町に降り立った。「木曜の夕べ」という催しで演奏する予定のようだが、日程や演目さえ彼には定かでない。ただ、演奏会は町の「危機」を乗り越えるための最後の望みのようで、一部市民の期待は限りなく高い。ライダーはそれとなく詳細を探るが、奇妙な相談をもちかける市民たちが次々と邪魔に入り……。実験的手法を駆使し、悪夢のような不条理を紡ぐブッカー賞作家の異色作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

悪夢を彷徨うような不条理な小説でした……
ふわふわ、あてどなく1000頁近くも彷徨うのはいささか疲れました。

なのにシュールリアリスティック的ではなく、最後まで読ませる力があるのは、作者の確かな手腕によるものでしょう。

そんな夢の中で、挟まれる断片的なエピソードは、誰でも覚えのあるような根源的な傷を抉ってきます。
両親とシュテファンの関係とかお辛い…
ライダーの両親が来ないこととの相似性もありますね。

ブロツキーとミス・コリンズとの関係は、ゾフィーと自分との関係とも相似しているような気がする。
過去、現在、未来を淀んだ形で顕現した世界なのかもしれない

そう考えると、グッと面白くなった

0
2021年06月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ライダーは著名なピアニスト。中欧のこの国のある街に演奏会の招待できている。街をあげての記念式典だそうだ。タクシーでホテルに到着したが、迎えにでる人もなく、運転手がとまどうばかり。ようやくポーターが出てきたが、本来は支配人が出迎えるべきなのに申し訳ないと何回も詫びる。これから先もライダーは色々な人に用事を頼まれ、それを成し遂げようと努力するごとにまた不思議な出来事にさえぎられるということが続く。不思議な霧の中でお話がすすむような感じを受ける。

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2018年10月19日

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