【感想・ネタバレ】ぼくらは回収しないのレビュー

あらすじ

数十年に一度の日食が起きた日、名門大学の学生寮で女子学生が亡くなった。密室状態の現場から自殺と考えられたが、小説家としても活躍し、才気溢れた彼女が死を選ぶだろうか? 三年間をともに過ごしながら、孤高の存在だった彼女と理解し合えないまま二度と会えなくなったことに思い至った寮生たちは、独自に事件を調べ始める――。第十九回ミステリーズ!新人賞受賞作「ルナティック・レトリーバー」を含む五編を収録。大胆なトリックと繊細な心理描写で注目を集め、新人賞二冠を達成した新鋭による、鮮烈な独立作品集。/【目次】街頭インタビュー/カエル殺し/追想の家/速水士郎を追いかけて/ルナティック・レトリーバー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

初読みの方。学生たちが中心のミステリー短編集。殺人から些細で身近な事件までバラエティ豊かでとても読みやすかった。個人的に好きだったのは速水士郎を追いかけてかな。繊細で引っ込み思案な子と、友人思いなサッカー少年のバディがとても良かった。それ以外にもギャル探偵とかお笑い芸人とか、あまり探偵役にならなさそうな人たちがメインになっていて個人的には新しくていいなーと思った。

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2025年06月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第7回ほんタメ文学賞大賞受賞したので読んだ。

「街頭インタビュー」
他人の身なりやちょっとした行動、言動から悪人だと決めつけてしまうことの愚かさに改めて気付かされたのと同時に、それが周りの人にとって無自覚な暴力になっている可能性があることを知った。
自分もこういうところがあるので気をつけたい。

「カエル殺し」
夢を追い続けると現実が見えなくなって、今ある現実のありがたみを感じられなくなる経験は、自分の過去にもあったので共感できた。

「追想の家」
なりたい人物像にどうもがいてもなれない苦しさがあった。
物語の内容を理解するのが少し難しかった。

「速水士郎を追いかけて」
この話は純粋に楽しめた。面白かった。
速水士郎、一ノ瀬仁と友達になりたい。
このシリーズの続編を読んでみたいと思った。

「ルナティック・レトリーバー」
ミステリが好きな人ほどおすすめしたい。
読み終えた後、タイトルの意味に納得した。
人生の伏線を回収しようと躍起になったり、難しく考えすぎる自分の心に刺さる話だった。

全体的にミステリ要素に加えて人間の感情についてぐっと迫る内容だった。

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2025年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【街頭インタビュー】
私には藤原さんも十分怖い人に思えたけどね。
途中でコイツ…って気付いたんだろうし。
それでも真相解明のために利用して、
解決したら相手の罪を暴露して追い詰める。
「前から苦手だった」とまで伝えて。
多方面から考えるという術を得た代わりに
彼はもう前のような観察眼を失うだろう。
それこそが復讐なのかもしれないけど。

【カエル殺し】
人生のピークとはなんなのか。
もしそこが分かったとして、その後どう生きるか。
少し前に流行った『蛙化現象』と重ねた話。
陳腐な感想だけど、
手に入れたものの大切さに気付けないといけないね。

【追想の家】
…いい。
核家族は楽だけど、やっぱりじぃちゃんばあちゃんの知恵とか
親にはない包容力とか、大事なのかもな。
(ただし素敵な祖父母に限る、がつくけど)
きっと次は合格するよ。
こういう人にお医者さんになってほしい。

【速水士郎を追いかけて】
エピソード0みたいなストーリー。
この二人のコンビがずっと続いてて、
一ノ瀬くんが刑事になれば完璧シリーズ化可能。
うわー想像したら読みたくなってきた。

【ルナティック・レトリーバー】
これが一番の目玉だったみたいだけど、
個人的な感想では一番好みではなかった。
最後の方の「何か意味があることに思わせたくなるけど、
そんな都合よく回収できないこともある」というのは
なるほどそうかも、と思えるんだけど、
肝心の謎解きが何をやってるのかよくわからなかった。
もっと頭のいい人で脳内展開図を起こせる人には
なるほどそういうことね!ってなったのかな。

とにもかくにも、速水くんのシリーズ化希望。

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2025年09月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ


姉のインタビュー動画が、悪い方にバズって批判されまくった女の子に頼まれて事実を観測する。質問と回答内容を編集されていた。探偵が批判に加担してたこともわかり、気まずくなる。

漫才コンビ、苦節の果てにM1優勝するが、バラエティで苦戦。中良い先輩芸人もR1優勝。祝賀会で殺人。タバコは吸わなくてもネタ用にマッチを持っている。R1優勝の今が最高で、この後バラエティで苦戦するから、いいところで終わらせた。

死んだ祖父の家の遺品整理。昔見た本だらけの部屋。ふと、それから15年経ってるのに、変わらず本だらけなのに疑問。別の部屋に移動してた。今際の際の祖父が発した、こないだ伊集院先生から聞いた、はこないだは2年前。

生徒は入れないプールサイドにゴミが散乱。不良女がタバコを投げ捨てたのを誤魔化すために蒔いた。

日食の時に密室自殺。倉庫で目張りで連単自殺。倉庫の外側の小さな部屋で、毒ガスを撒いたと言い襲うと倉庫に逃げて毒ガスの侵入を防ぐために目張り。倉庫内の一酸化炭素で中毒死。人生の伏線を無理に回収した。人生の伏線は、長い目で見て回収されることもある。漫画家になる夢を諦めて建築事務所に就職したが、就活生用に漫画を描いて勧誘したりする。

作者が若いので、若い発想や言葉がふんだんに出てくる。2年前をこないだと言うのは老人じゃなくてもアラフォーもそうだな…とか。

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2024年08月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『ぼくらは回収しない』というタイトル回収が素晴らしかった。
どの短編も謎の先にあるものがしっかり描かれていて心をつかまれた。『街頭インタビュー』と『ルナティック・レトリーバー』が特に好き。

『ルナティック・レトリーバー』伏線回収はミステリ好きなら憧れるが、それを逆手に取った展開が鮮やか。さらにドラマに繋がるのがとても良かった。
これまでの人生、これまで自分がやってきたことの延長線上に今がある。誰しもそう思いたい。人生に迷うのは何も就活前の若者だけではない。どんなことがあっても、たとえ挫折や涙を呑むようなことがあっても、大橋さんのセリフを思い出したい。

著者の他の作品もぜひ読んでみたい。

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2024年05月26日

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