【感想・ネタバレ】漫画家が見た 百年前の西洋 ――近藤浩一路『異国膝栗毛』の洋行のレビュー

あらすじ

近藤浩一路は藤田嗣治・岡本一平と東京美術学校の同級生。油彩、水墨画を描く一方、漫画記者として活躍した。そんな彼が画家友達とともに1920年代の西洋を初めて訪れる。欧州航路をマルセイユへ、そして芸術の都パリへ。マルク暴落のドイツ、闘牛のスペイン、イタリアでは最先端の未来派の酒場を訪れ、婦人参政権運動が盛んなイギリスにも足を延ばす。異国を訪れる旅が「海外旅行」ではなく「洋行」と呼ばれた時代の異文化体験はどのようなものだったのか? 百年後の私たちの旅と何が違って何が同じなのだろう? 【目次】プロローグ 戦争・パンデミックの終焉と、笑いの紀行文学/第1章 洋服洋食嫌いの、洋行下稽古/第2章 富士屋ホテルで「外遊予習」、東京漫画会の『東海道漫画紀行』/第3章 ツーリズム時代の幕開けと、帝国の郵船の寄港地/第4章 パリで藤田嗣治に、一〇年振りに再会する/第5章 ストラスブールから、敗戦で疲弊したドイツへ/第6章 闘牛に燃えるスペイン、ルネサンス美術のイタリア/第7章 大英帝国のロンドンからパリ、待ち遠しい日本へ/あとがき/『異国膝栗毛』関係年表(1908~1928年)/本書から始まる関連文献10冊の読書案内

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Posted by ブクログ

100年前の渡欧記のエッセンスでまとめてある。
洋服も洋食も国内で練習してからの渡欧。第一次世界大戦後の時期で、ドイツは苦しい時勢であった。イタリア、フランスで美術鑑賞に明け暮れている。特にフランスとの親和性は高い。著者のグループは、美大卒業の絵画家が中心になっている。海外では、一等国の国民の自負の元、一流ホテルや移動には十分な予算を費やしている。
言葉の壁から、苦労多い旅行記となっているが、楽しんでいる様子が伺える。

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2025年11月01日

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