あらすじ
「まだ人生に、本気になってるんですか?」
この新人、平成の落ちこぼれか、令和の革命家か――。
「クビにならない最低限の仕事をして、毎日定時で上がって、そうですね、皇居ランでもしたいと思ってます」
慶應の意識高いビジコンサークルで、
働き方改革中のキラキラメガベンチャーで、
「正義」に満ちたZ世代シェアハウスで、
クラフトビールが売りのコミュニティ型銭湯で……
”意識の高い”若者たちのなかにいて、ひとり「何もしない」沼田くん。
彼はなぜ、22歳にして窓際族を決め込んでいるのか?
2021年にTwitterに小説の投稿を始めて以降、瞬く間に「タワマン文学」旋風を巻き起こした麻布競馬場。
デビュー作『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』のスマッシュヒットを受けて、
麻布競馬場が第2作のテーマに選んだものは「Z世代の働き方」。
新社会人になるころには自分の可能性を知りすぎてしまった令和日本の「賢すぎる」若者たち。
そんな「Z世代のリアル」を、麻布競馬場は驚異の解像度で詳らかに。
20代からは「共感しすぎて悶絶した」の声があがる一方で、
部下への接し方に持ち悩みの尽きない方々からは「最強のZ世代の取扱説明書だ!」とも。
「あまりにリアル! あまりに面白い!」と、熱狂者続出中の問題作。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
麻布競馬場の本は、まだ2作だけどとにかく性格が悪い。そしてこの『令和元年の人生ゲーム』も、好んでいる人の性格がもれなく悪いことが証明されてしまうという厄介な本。「合わなかったな……」という人は、心が汚れていないということなのでどうかそのままでいて欲しい。
「うわっ、このセリフ……」「うわっ、こういう奴……」いるわー!いたわー!嫌いだわー!と、とにかく悪口で盛り上がってしまう。
特に第1話のインパクトが強くて、やっぱり吉原が……うん、ごめん、嫌い。別に悪いことしてるわけじゃないんだけど、なんかこう……エルメスの15万のブレスレットをたかがサークルに着けてくるとかさ……親の金で武蔵小杉のタワマンに住んでるとかさ……いや、悪いことしてるわけじゃないんだけど。
あとセリフで言うと、「ほら、僕は幸運なことに恵まれた環境で育ったから、社会に対する恩返し?っていうか」(この「?」何だよ)「ソーシャルグッドの観点も取り入れながら設計したら面白いんじゃないかな?」(「ソーシャルグッドの観点も取り入れながら」って、つまり「『ソーシャルグッド』を手っ取り早く名乗りたい」ってことだろ?じゃあいいよやんなくて。あと社会貢献に「面白い」とかなくていいだろてか「社会貢献」でいいだろ何だよ「ソーシャルグッド」って長くなってんじゃねえか!等々)
あと、第1話にしつこいくらい出てくる「圧倒的に成長」も、もはやギャグに見えてくる。「圧倒的」って何?何と比べてるの?誰を圧倒したいの?敵でもいるの?
「アップルやグーグルの社員も座禅をやっていると聞いたイグナイトの面々によって、何度か座禅ツアーが開催された」も地味に嫌ですねー。「手っ取り早くアップルやグーグルになりたい」という煩悩が全面に出てますねー。寺でしばかれて欲しい。
第1話だけで無限に出てきそうなので、このへんで……。
Posted by ブクログ
沼田くんの発言から、私は人生ゲームを降りてしまったのかなと思った。入社6年目で新卒カードで入った会社辞めたときに。できもしないのに、またキャリア再構築したいとぼんやり描いてる自分もいる。現実は沼田くんみたいになってるな。
Posted by ブクログ
圧倒的に成長するっていうフレーズが縁遠すぎて面白かった。 一番最初に出てくるくらい。 ずっとどこかに沼田さんがいて、それを色々なそのときどきで関わった人の視点で追っていく感じ。読者だけが全部を見てなんとなく把握している。ただ、どうして壊れてしまったのかはよくわからない。