【感想・ネタバレ】令和元年の人生ゲームのレビュー

あらすじ

「まだ人生に、本気になってるんですか?」
この新人、平成の落ちこぼれか、令和の革命家か――。

「クビにならない最低限の仕事をして、毎日定時で上がって、そうですね、皇居ランでもしたいと思ってます」

慶應の意識高いビジコンサークルで、
働き方改革中のキラキラメガベンチャーで、
「正義」に満ちたZ世代シェアハウスで、
クラフトビールが売りのコミュニティ型銭湯で……

”意識の高い”若者たちのなかにいて、ひとり「何もしない」沼田くん。
彼はなぜ、22歳にして窓際族を決め込んでいるのか?

2021年にTwitterに小説の投稿を始めて以降、瞬く間に「タワマン文学」旋風を巻き起こした麻布競馬場。
デビュー作『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』のスマッシュヒットを受けて、
麻布競馬場が第2作のテーマに選んだものは「Z世代の働き方」。

新社会人になるころには自分の可能性を知りすぎてしまった令和日本の「賢すぎる」若者たち。
そんな「Z世代のリアル」を、麻布競馬場は驚異の解像度で詳らかに。
20代からは「共感しすぎて悶絶した」の声があがる一方で、
部下への接し方に持ち悩みの尽きない方々からは「最強のZ世代の取扱説明書だ!」とも。
「あまりにリアル! あまりに面白い!」と、熱狂者続出中の問題作。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

大人になってからでも楽しめるし、今から大人になる人でも楽しめるのでは。自分を客観視する視点をもてるようになるかも。
一度きりしかない人生を目一杯楽しむための気づきもらえた気がします

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

全話通しておもしろかったです!
2話3話のひょうひょうとした沼田さんから、4話の笑顔はりつき沼田さんへの変貌。3.5話が読みたくてたまらない〜!
そして沼田さんの吉原への愛が切ない…
吉原の代替の寛人さん。沼田さんを裏切らないでほしいな。


以下、3話で印象的だったところ。

世の中には、誰かを置いて去っていった側と、置いていかれた側があって、多くの場合、僕たちは人生の時々によってその両方を、加害者と被害者を兼ねることになる。
人生とは、次々と出くわす交差点をすり抜けて誰かを置き去りにしながら走ってゆく行為の連続なのかもしれない。

恋愛友情職場学校男女問わず、ほんとその通り!と思いました。置いて行かれてぽつんと立ち尽くすことが怖くて、なんとか人生を進めてきた感あります。まさしく人生ゲーム!

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2025年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

麻布競馬場の本は、まだ2作だけどとにかく性格が悪い。そしてこの『令和元年の人生ゲーム』も、好んでいる人の性格がもれなく悪いことが証明されてしまうという厄介な本。「合わなかったな……」という人は、心が汚れていないということなのでどうかそのままでいて欲しい。

「うわっ、このセリフ……」「うわっ、こういう奴……」いるわー!いたわー!嫌いだわー!と、とにかく悪口で盛り上がってしまう。

特に第1話のインパクトが強くて、やっぱり吉原が……うん、ごめん、嫌い。別に悪いことしてるわけじゃないんだけど、なんかこう……エルメスの15万のブレスレットをたかがサークルに着けてくるとかさ……親の金で武蔵小杉のタワマンに住んでるとかさ……いや、悪いことしてるわけじゃないんだけど。

あとセリフで言うと、「ほら、僕は幸運なことに恵まれた環境で育ったから、社会に対する恩返し?っていうか」(この「?」何だよ)「ソーシャルグッドの観点も取り入れながら設計したら面白いんじゃないかな?」(「ソーシャルグッドの観点も取り入れながら」って、つまり「『ソーシャルグッド』を手っ取り早く名乗りたい」ってことだろ?じゃあいいよやんなくて。あと社会貢献に「面白い」とかなくていいだろてか「社会貢献」でいいだろ何だよ「ソーシャルグッド」って長くなってんじゃねえか!等々)

あと、第1話にしつこいくらい出てくる「圧倒的に成長」も、もはやギャグに見えてくる。「圧倒的」って何?何と比べてるの?誰を圧倒したいの?敵でもいるの?

「アップルやグーグルの社員も座禅をやっていると聞いたイグナイトの面々によって、何度か座禅ツアーが開催された」も地味に嫌ですねー。「手っ取り早くアップルやグーグルになりたい」という煩悩が全面に出てますねー。寺でしばかれて欲しい。

第1話だけで無限に出てきそうなので、このへんで……。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

割と裕福な家庭で育ち、高学歴で、上昇志向の強い、今の若者達の、リアルがここにある!

日本という国が、これからの成長を見込めないという事実を知りながら、これからの時代を生きていかねばならない若者達。
何を目標にして生きていけば良いのか、明確な答えは、熟年の大人たちは教えてくれない。

その答えを必死に探している若者達。熱心な教育を受け、日々、お稽古や勉強で忙しい毎日を送ってきた若者ほど、社会人になってこれからどのように過ごして行けばよいか悩むのだろう。

そんな中、達観し、のんびり気楽に過ごしていこうじゃないかと、半ば人生を下りてしまった沼田。
その対比が面白い。

ずっと続いてきた受験戦争は、Z世代が親になるころには終わるかもしれない。
いつの時代も、誰も彼も、幸せを求めて、小さな革命を起こしていく。

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2025年09月21日

Posted by ブクログ

面白い、大学生ってこんなに他人を分析してるんだーと他者に対しての評価についての小説だなと私は思った。

考えすぎかと思うくらいの、1つの行動に対する評価を主人公(先月読みました、名前忘れました、、、)の目線から辛辣に書き連ねていて笑った。やっぱ考え過ぎじゃない?

「こんな不真面目なやつについていくな」
の台詞は、「自分の頭で考えないやつは馬鹿だ」に言い換えが可能だと思った。人の意見を真似することに抵抗がない、むしろそれがコミュニケーションだと思っている節があるやつのことかなぁ。。。

自分を省みる必要があるなとも感じ。。

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

苦しくなる本だった。
自分も誰かに必要とされたい願望はずっとある
喜びも苦しみもあるけれどもこれからもそうだと思う。誰かを意識して物事を決めるのは、少し抑えよう。
まれに、この人は私に必要とせれたいし、期待に応えたいんだな と思いが伝わって来ることがある。
置いてかないように、こちらもその思いに期待し過ぎないようにしている。

人の目を気にしながらも良くも、稚拙な感想をここに記入している。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

何者にかなると確信している何者にもなれないだろう人たちの物語。
文体などはとても平易で読みやすいですが、人の生き方を刺す内容なので内容的に受容できない人、理解もできない人(のほうがいい人生ですけど)が結構いると思いますが、氷河期世代で仕事を得るだけでもしんどいのにただ働いてるだけなんて役立たずなのだとまでプレッシャーを受けてきた私は、世代的にはZ世代を描いたものであろうと思いつつも刺さるところが多々ありました。
自己顕示欲をこじらせ「圧倒的成長」に躍起になる意識高い系を引いた立場から嘲笑う沼田が、章が変わるごとに遂げていく変遷がまた皮肉に満ちていて、この社会で目指すべきものとは何なのだろう、という獏とした疑問をあれこれ考えさせられました。名作とまでは言わないけど、読ませる作品と思います。

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2025年08月03日

Posted by ブクログ

ずっと気になっていた麻布競馬場さんの本をようやく読めました。
Z世代の社会人にフォーカスした小説ではありますが、同じ時代を生きる自分にとっても色々と考えさせられる一冊でした。
何が正しいかも分からない・誰も答えをくれない・他の人に構えるほど余裕がない世の中に生きることの難しさを煮詰めたものが、軽快なタッチで描かれることで、より胸にくる内容になっていました。
これを読んで「よし、明日からこうしよう」と前を向くのも気が引ける意地の悪い内容ですが、その意地の悪さを避けてきたが故の今なのでは?と思えもする内容なので、しばらく悶々としようと思います。

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2025年07月27日

Posted by ブクログ

だいぶ昔に読んで、
内容はすっかり忘れてしまったけれど、
田中康夫の「なんとなくクリスタル」を
思い出してしまった。
あの本は何の考えもなしに生きている
昭和の若者の姿を描いていたが、
本作は何者にもなり切れない「賢すぎる」
令和の若者たちの話だ。

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2025年06月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

沼田くんの発言から、私は人生ゲームを降りてしまったのかなと思った。入社6年目で新卒カードで入った会社辞めたときに。できもしないのに、またキャリア再構築したいとぼんやり描いてる自分もいる。現実は沼田くんみたいになってるな。

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

のんびりするというただそれだけの怠惰なことが、どうして人間は許せないのだろう、とずっとおもっている。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

1章の時点では沼田がどんどん愛おしくなるとは思えなかったし、4章で冷や水を浴びせられるような気分になるとも思わなかった。途中まで、沼田って逆・成瀬じゃん(成瀬は天下をとりにいくの活力に溢れた主人公)とか思ってたら、詳細は語られないまま壊れていた。麻布競馬場の書く話に救いを期待した私がまちがっていた、、、、
前作を読んだときからうっすら感じていたけど、この本を読んで改めて、同姓同士の執着や依存について頻繁に語られていると思った。沼田と吉原はもちろんのこと、2章は女性の語り手とその同期、3章は男性とその旧友。同性ゆえに発生する競争(あるいはマウント)と執着を悲劇的に書くのが上手い。なんでぞっこんだった元妻と、中学からの同性の親友との関係を本質的に同じものとして捉えるシーンとか、関係性の生々しさが伝わってきた。見栄!自虐!冷笑!を前面に押し出していた前作より読後感としては地味かもしれないけど十分に刺さったし重かった。
誇張するべきところは誇張してあり(シロクマのくだりとか)、でもそれがまったくあり得なくはない怖さみたいなものがずっと漂っている。麻布競馬場の書く話はやっぱりホラーだなあと思った。

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

 物語は各時代で異なる登場人物が登場する短編ですが、全作に共通して「沼田」という人物が登場します。
この沼田という人物が、今どきの若者を批評する立場で登場すると思いきや、「こういうキャラ」と一概に捉えられない性格をしており、その分からなさこそが本作の特徴であるように思いました。
 令和を生きる意識高い系社会を空気感ごと味わえる作品でした。

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2025年10月11日

Posted by ブクログ

一気に読めるおもしろさだった!
意識高い系とかボランティアにとにかく精をだすとか
モラトリアムに批評家やってるとか
人から引き継いだだけの財産をもってるひととか
実家暮らしだけどちゃんと帰らないとか
暴力にでるおじさんとか
ちょっとずつ嫌なところをちりばめた感じがたくさんでてきた
沼田くんの毒がどんどん抜けてったし

うまい言葉でいえないけど
なんだか生きるってたいへんだな
あとひとから嫌われないなんてことは無理だな
若者向けの本だなとは思うけどこの本をわかるうーって思いながら読める感覚は持ち続けたいとおもう

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2025年10月10日

Posted by ブクログ

内容は短編集で読みやすかった。
Z世代のことを言っているようでいつの時代の若者もこういう感じなんじゃないかな。
心にモヤモヤ残るけどそれが特徴なんだろう。
沼田に何があったかは知りたい。

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2025年10月07日

Posted by ブクログ

時代の捉え方が大変に巧みだなと。圧倒的な成長や何者かになるというのは平成末期の大学生の特徴だろうし、正義依存症とでもいっていいようなものというのは令和以降のものに感じる。一見混合しがちな平成末期から令和初期をこれほどまでに落とし込んでいるのは作家の妙だと思う。
平成の若者は大量の情報を収集することができたが、上手く消化することができない。一方で令和の若者は情報処理能力が上がり、それゆえ現実が見えすぎてしまう、失敗を避ける傾向にあるのかなと。
今を大学生として生きる自分にはむず痒くなることが多々あった。

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2025年09月11日

Posted by ブクログ

サクサク読めるかと思いきや、読み応えがあって面白かった!同じことをしていても、本当に心から思ってしている人と、なりたい理想像に近づくためにしている人がいる。結局後者のことは肯定されていなくて、それがまた現実味があってよかったな〜

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2025年09月06日

Posted by ブクログ

主人公沼田くんの周りの人たちの目線で描かれており、客観的な沼田くんの印象から沼田くんの気持ちを想像しながら読んだ。人は人に期待すると、期待と違った時に傷つく。新しいチャレンジをするときに当人は気づいて無いが、周りは置いていかれた気持ちになる。その経験を重ねる中で、形成された沼田くんに同情しつつ、それが今の日本なんだと気づいて、人ごととも思えない。軽く読めるけど、考えさせられる本。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

何処にでも中身のないただの意識高い系がうようよしている。沼田は小馬鹿にしながら上手く生きてるこれが令和の生き方。

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2025年07月19日

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Z世代の「何かやりたいけど、みつからない」「いずれ起業したい!と考えている」世代には、面白い話と感じるのでしょうか‥。
人生も残り半分近い世代が読むと、沼田の言う
「僕みたいに、下らない人生ゲームから降りてしまって、コースの外でのんびり猫でも撫でてるほうが幸せですよ」が身に染みます。

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2025年11月13日

Posted by ブクログ

Z世代の取扱説明書というが、この国においてはるか昔からどの世代においてもZの気質は脈々と受け継がれている気がする。かく言う私はドラゴンボールZ世代であり、本書に出てくる登場人物も悟空とその他キャラとも共通してる部分が多いように思うのはZの意思を継いでいる証拠なんだろうか。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

2章までは現代の若者像に共感したが第3章の途中からの展開が誇張しすぎ感があったように思った。そして第4章の急展開になかなかついていけず。沼田が結局は主人公なのか?

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

何者かになろうとして、周りの意見を求めそれに応えるだけで自分自身をもたず時に周囲を切り捨てる者。変われない自分を棚に上げて被害者ヅラをして現実から目を背けるもの。誰の中にも潜む危うさを暴き出すようでチリチリした痛みと共に読み進めた…

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

なんかずーっとわかるようなよくわからないような感じで最終的にもよくわからなかった。けど読みやすかった…( ´-` )

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2025年09月14日

Posted by ブクログ

沼田くんを軸にした平成の終わりから令和の初めにかけての話。
4つの年代で登場人物(語り手)もガラリと変わるが、沼田くんだけずっと登場し続ける。

パーソンズ編あたりまでは、"なるほどな、確かに人生ゲームだな"とか思っていたけど、令和になった学生寮編のシロクマでこんな学生いる?って興味が薄れたので★3。

4つの年代のそれぞれの登場人物がどうなったのか後日譚が気になる。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ

表紙からイメージした内容とちょいと違った。
冒頭、オッさんとしてはやや鼻につく感じだったが、読み進めていくとそんな感じはなくなり、別の作品も読んでみよっかなぁと思えた。いま住んでいる家近くの駅名も出てきて親近感。
第二話が良かったかな。

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

圧倒的に成長するっていうフレーズが縁遠すぎて面白かった。 一番最初に出てくるくらい。 ずっとどこかに沼田さんがいて、それを色々なそのときどきで関わった人の視点で追っていく感じ。読者だけが全部を見てなんとなく把握している。ただ、どうして壊れてしまったのかはよくわからない。

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2025年08月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

何か起きるか何か起きるかと読み進めたら何も起きなかった令和っぽい小説。嫌いではないけど、読む必要があったかは疑問w

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2025年07月14日

Posted by ブクログ

「誰でもいいからとにかく愛されたいけど、そのために誰かを愛する気がない人なんだね」
「人生とは次々と出くわす交差点をすり抜けて、誰かを置き去りにしながら走っていく行為の連続なのかもしれない」

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2025年07月05日

Posted by ブクログ

audible 。一度は読んでみようと思っていた作家さん。
Z世代ってこんなの? もっと切実な困りごとの中で生きてるのかと思ってたけど、トレンドドラマじゃないか。

私たちの望むものは
社会のための私たちではなく
私たちの望むものは
私たちのための社会なのだ…

( 岡林の歌声が頭の中で響く)

ークル活動で若さを消費して
もったいないと思う。
私は団塊の世代。
 

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2025年06月28日

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