【感想・ネタバレ】令和元年の人生ゲームのレビュー

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Posted by ブクログ

タワマン文学という簡単に括られた前作よりも、哲学的で面白い。
著者のペンネームで、現代社会を揶揄する言葉・麻布競馬場。つまり、自由でみんな動いているようで、資本主義という競馬場をグルグル周回・競争させられている感じがとてもうまく描けている。

単にヒアリングを重ねた解像度の深さかなと。
『なんとなくクリスタル』があのバブル時代にヒットした感じに近しいと思う。

タワマンより庶民派に近づいた内容で、非常にわかりみが深い。

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

SNSに投稿していた“タワマン小説”が話題になりデビューした著者の新作。平成28年から令和5年までの間に沼田というキャラクターと関わった4人の視点で描かれる、宮島未奈の『成瀬は天下を取りにいく』と似た構造の連作短編集。ただし読後感は真逆。それぞれの登場人物が抱える葛藤や辿る結末はどれも苦く、何より冷笑的で飄々と人生を渡り歩くかに思われた沼田でさえもああいう着地になるとは。ある意味で非常に残酷な物語。現代的な価値観の中で幸せを見出そうともがき苦しんで散った若者たちの鎮魂歌なのかもしれない。個人的には大学のサークル時代を描いた1本目が、ちょうど意識高い系ブームの頃に大学生だった世代ということもあって刺さった。ちなみに帯には「<何を考えているのかわからない>Z世代の取扱説明書」というキャッチコピーが踊っているが、これを読んだとてZ世代の若者と良い感じに付き合えるかどうかは不明だと思うw

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

タイトルにひかれて購入。気付けば全部読んでしまっていました。
こういう人たち居るよねって思うところもあれば、自分はどうなんだろうって色々考えさせられました。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

組織で「仕事」に取り組むとき。
例えば、組織に新たなメンバーを加える際。
意思決定者に承認を得ることは必須であり、その承認がどのような原則に基づくのか。
データやロジックのみで語れるものなら、承認者は不要とも言える。
そこの原則に、政治的正義、politically correctness、つまりデータでもロジックでも、本当の、正義でもないものが採用されるとき、世界は狂う。

誰か、ときの権力を掴んだもの、もの達の政治的な意図に、最大限阿ったもの、もの達が世の経済的利得、名声を獲得する。
つまり「正しさ」や「美しさ」は、政治に押し潰される。
そうして、阿り、結果して、押し潰す側となった人たちは、ただ目端が効いているだけで、阿り、世を偏らせ、住みづらいものにしていることには、無頓着だが、なかには途中から気持ち悪さに居心地の悪い思いを抱えるものも後をたたない。

「平和」や「平等」を80年以上謳歌し、混乱少なく過ごしてきた日本社会が、それゆえの歪みを抱え、軋んでいることを感じた。

沼田氏の描写は、太宰治さんの作品の登場人物を想い起こさせるものだった。


「結局そうして今も、就活で人事部に喜ばれそうな、意識の高い仲間たちと一緒に、チームワークを大事にしながら、ビジネスごっこをしているだけなんじゃないか?」
p28

「人生に対して真面目な人のほうが道徳的に優れているとか、経済的に成功に近いとか、そんなことは関係ないのだろう。むしろ自分の意思とは関係なく誰か賢い人の意見に全ベットするとか、思ってもないことを言うとか、そういうことができる器用な人のほうが、人生をうまく進められるんじゃないか。」
p40

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2024年02月23日

Posted by ブクログ

Z世代というかもうちょい上じゃない?
それはさておき、沼田がイタいけどちょっと自分に重なる面も見えてツラい。w

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2024年05月12日

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