あらすじ
「働けなくなったら」「お金が無くなったら」「親の介護が必要になったら」……。「これから先」を考えると押し寄せる不安。頼る人がいなければ、最悪しぬしかないのか? そして自らの死後、大切なペットは? スマホやサブスクの解約は? この先が不安で仕方ないアラフィフが各界の専門家に取材。社会保障を使いこなすコツや各種困りごとの相談先など、人生の荒波の中で「死なない」ための無敵のサバイバル術を一冊に。
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Posted by ブクログ
生きている上で誰もが漠然と感じる不安事への具体的な支援策や制度がてんこもりの1冊。
社会保障制度っていざという時に役立つ制度はたくさんある。けど知らないと損をする、というのは今の日本の世知辛さを痛感。学校とかでも教えてくれないもんなぁ…。
老後2000万問題ってあるけど、実際には2000万なくてもどうにかなることを知り、ちょっと安心。
親の介護もいずれ自分がやらなきゃ!けど、ど素人だしできるだろうか…と不安だったけど、本書にも紹介されてた上野千鶴子さんの「子どもの1番の仕事は、親の介護の司令塔になること」、つまり自らが介護をするのではなく、介護保険制度を使い、どのような介護サービスを組み合わせるのかを選択する司令塔であることと知り、目からウロコだった。
親に介護サービスを勧めるのは、なんとなく子どもしての責任放棄というか負い目を感じていたんだけど、そうじゃなく、親が少しでも快適に過ごせるために必要な支援を選択することだったのかと知り、肩の荷が少し軽くなった感じ。
これなら、日々老いてる親の変化に目を逸らしがちだった日常にも、向き合っていける気がした。
筆者の「不安が無くなると、人は優しくなる」ということば。その通りだと思う。
Posted by ブクログ
2025/01/22予約 42
P104疾病手当の申請。診断書は5,000円ほど取られるが証明欄の記入だけなら数百円の負担で済む。
そうだったのか、今まで記入でも診断書と同じ料金だと言われそのまま支払ってきたのに…
生活保護の申請も、持家と車は持てないとよく聞くが、それも違った。車がないと生活できない地域もあるから当然ではあるけど。
数多くの社会福祉制度を「メニューを見せてくれないレストラン(湯浅誠氏)」とはその通りだと思った。行政は縦割のため専門以外は門外漢だとのこと、それでは困るけど実際複雑すぎる。
タイトルが衝撃的、でも読むべき本だったと思う。
Posted by ブクログ
参考になった箇所:
・無料低額診療
・難病医療費助成制度
・社会福祉協議会による、生活福祉資金の緊急小口資金
・遺族年金
・解雇予告手当
・親の介護相談は、地域包括支援センターへ
・老人ホームの中には生活保護対応施設もある
・遠くにいる一人暮らしの親が使える制度、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業
・任意後見、本人に十分な判断力があるうちに、判断力が低下した場合に備えて、後見人になる人を選んで契約しておく
・成年後見制度、すでに判断能力が低下している人に後見人をつける制度
・生前に親が入っているサブスク契約一覧を作っておいてもらう
・警察を動かすのは、相談ではなく告訴
・保証人、厚生省は絶対に保証人をつけろと要求するのはダメと言っていますよ、と伝える
・高齢者、居住支援法人
Posted by ブクログ
私のおぼろげな記憶をたどると、筆者は右翼っぽい印象が頭の片隅にありました。いつも通りwikipediaで調べてみますと、右翼から左翼に転向?し、以降は貧困問題・新自由主義反対等に取り組むライター・ジャーナリスト的な活動をしているような方とお見受けしました。
因みに右翼という印象ですが『新しい神様』(1999)というドキュメンタリ映画に右翼バンドのボーカリストとしてに出演しており、その時の印象だと思われます。
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なお内容としては、「公開情報ではあるものの、能動的にアプローチしないとアクセスできない情報」とでも言ったところ。
お金、健康、親の介護、健康、トラブル、死、の六章からなる「お困りごと」への対処法を述べたものです。
具体例を挙げれば、
・無料定額診療:無保険者が無料もしくは定額で医療を受けられる制度
・労働組合・労災保険・弁償金・傷病手当金:会社都合なのに被用者に何らかの制度不使用等強いられたとき、偽装フリーランスへの対処など。
・生活保護の受給条件
・親の介護や、自分の死後のデータ削除等をする社団法人の存在
名前は聞いたことが有るけど実際は良く分からない、みたいな制度の真実とその申請方法みたいなものが詳述されます。
感覚的には、お金や税金のことを実によく理解していた橘玲氏の初期の作品を読んだときの感銘に近いものを覚えました(よく知っているなあ、こんなところまで、みたいな)。
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私、かつてCFPという資格を保持していました(年会費が高くて昨年断捨離済)。
お金のプロフェッショナル、という建付けでしたが、本作に載っている社会福祉関連の申請まわりの知識があるとかなり強い武器になるかなあと感じました。
役所への申請や受理の実態などはFPの相談業務と親和性が高いかなと。
もっとも、生活に困った人からフィーを取ることも難しいかもしれませんが、一段深くお金周りの相談に乗れると思いました。
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ということで雨宮氏の作品、初めて読みました。
困ったときに(有料でも)相談する先、これを確保しておく必要があると感じました。
また役所の窓口はえてして「相談」にだけ乗り、申請を遠まわしに受け付けないこともあるそう(通称「水際作戦」)。従い、いざとなったとき役所の建前に負けないためにも、実態の知識・作法を心得ておくことが必要と思われます。
お金、家族、老後などに不安がある人は読んでおいて損はないと思います。