【感想・ネタバレ】果ての海(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

階段の下で息絶えた男。愛人の鶴野圭子は、全てを捨てて逃げることを決めた。出会い系で知り合った元ホストの鈴木の伝手で整形し、美貌と偽名を携え福井の芦原(あわら)温泉へ。だが仲居やコンパニオンとして働く中で厄介な人間関係に巻き込まれ、頼りの鈴木も音信不通となった。東尋坊での自死が頭をよぎるが、圭子には生きて逃げ続けなくてはならない理由があり――。女の生き様を描く傑作サスペンス。(解説・原武史)

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Posted by ブクログ

花房観音『果ての海』新潮文庫。

逃げる女を描いたサスペンス小説。既視感があると思ったのは、『福田和子事件』と酷似した設定のためか。

真相が明らかになる結末は有りがちなもので、何故、整形した圭子が逃亡犯と見破られたのか疑問が残る。


愛人の糸井慎吾を階段から突き落して殺害した鶴野圭子は、全てを捨てて逃げることを決めた。圭子は出会い系サイトで知り合い、何度か肌を合わせた自称元ホストと言う怪しげな男の鈴木太郎に逃亡の手助けを頼る。鈴木の紹介でモグリの医者で整形した圭子は、さらに鈴木から倉田沙世という偽名で身分証明書まで準備してもらう。

新たな身分を手に入れた圭子は福井の芦原温泉へと向かい、住込みの仲居仕事に加え、宴会コンパニオンの仕事にも就く。

芦原温泉で圭子は、あわらミュージック劇場のストリッパー・雪レイラと親しくなるなど、少しずつここでの人間関係を築いていくが、逃亡犯としての不安も芽生えていく。

そして、圭子の逃亡も突然、終わりの時を迎える。

本体価格670円
★★★★

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2024年03月08日

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