あらすじ
強みが凝縮された「一品」が会社を変えた──。年間20億円でヒットといわれるスナック市場において40億円の売り上げを叩きだした「湖池屋プライドポテト」。国産じゃがいもをはじめとする素材、安売り競争下での高価格設定、自立式のパッケージデザインなど、あらゆる面で革新的な「プライドポテト」を起爆剤に、次々とヒット商品を生み出す「新生・湖池屋」、その舞台裏では何が起きているか。
商品開発・マーケティングの世界における名うてのヒットメーカー佐藤章が湖池屋社長に就いて最初に取り組んだのは創業者の精神に立ち返り、日本におけるポテトチップスのパイオニアとしての誇りを取り戻すこと。そんな老舗のブランディング戦略はいかに磨かれ、実践されてきたか。デパ地下やコンビニのホットスナックなど、中食市場が拡大していく中で、スナックの進化形をどのように見据えているか。新生・湖池屋の軌跡をたどりながら、独自のマーケット論、経営戦略を説く。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ついつい食べたくなってしまうポテチですが、そこにはいろんなドラマが詰まっています。著者は湖池屋の社長として赴任してからプライドポテトで爆当たりをし、世間からのブランドを一気に勝ち取りました。
私が感じたことは、「熱狂すること」がどれだけ大切なのか、そしてそれが他人に多くの影響を与えることなのかです。
人はやり方に固執しがちですが、やり方がよければ全て上手くいくわけではないです。そしてそういう人は決まって上手くいきません。というのも、長続きしないからです。「〜のために」と思うことは大切ですが、その根底には自分が熱を込めていることが大切ですし、そのうえで活動をしなければその態度は他人に透けて見えます。
だからこそ、熱を込めて自分が物事に取り組むことが大切だと感じました。
Posted by ブクログ
湖池屋がV字回復できたヒット作がどのように生まれたか誕生秘話を読みやすく、分かりやすく書かれている。
また、筆者の佐藤さんが小池屋の前に勤められていたキリンヒット作についても触れられており面白かった。
新商品に関わることもあるので、再度読み直す。
ちなみに私はこの本を読んですぐスーパーでプライドポテトを買いました。
Posted by ブクログ
プロジェクトX的なノリの自伝で、とても面白い読み物だった。 作中に登場した商品で触れたことがあるのは生茶のみだけど、市販のお茶で一番好きな商品だったので他の部分にも貴方がいうなら的な思考になれたのは読みやすくなって助かった。 よく知らん奴の横文字多様はイラっとくるから思想への共感や実績への信頼大事。 読んだら湖池屋のポテト食べてみたいな、スーパーに有るかな?って思えたので本当に良い文章だったんだなって実感。
Posted by ブクログ
大好きな湖池屋の佐藤社長。
今までも様々なメディアで取り上げられていたから既知のことが多かった。
アートに造詣が深いということを知り、その手腕の根元が垣間見えた気がした。
ヒット商品を連発できるのは、マーケターとしてのスキルの高さだけでなく、積み重ねられた教養とセンスが掛け算されている。
その姿に論語の「學びて思はざれば則ち罔し。 思ひて學ばざれば則ち殆し」という言葉を思い出した。
ますます湖池屋さんを好きになれる一冊。
Posted by ブクログ
湖池屋をどう回復させたかのお話も面白かったが、それ以上に著者が新卒から30年以上勤めたキリン時代、「アサヒスーパードライ」と言うとんでも商品に打ちのめされた話が、印象に残った。私は年齢的にこの商品が存在した後の世界しか知らないが、当時たった一つの製品でビール市場の全てを持って行ったと言うエピソードは強烈。
Posted by ブクログ
キリンビールをやめて湖池屋の社長になった著者がプライドポテトなどのヒット商品を生み出していったマーケティングの考え
実際に試して感性を磨くのが重要
Posted by ブクログ
湖池屋をプライドポテト、じゃがいも心地、ストロングなどのヒットを飛ばし、湖池屋を再生(従業員含め)させてきている社長の書籍。もともとキリンビールでの営業、キリンビバレッジでの商品企画(FIRE、生茶)などをさまざまな職種を経験してきている。
「創業者がやりたかったことを現代に蘇らせる」を意識してリブランディングをおこない、とにかく企業はブランドを大事に(カラムーチョのパッケージロゴを変えただけで毎年20%の伸び。これはプライドポテトで培った高品質、おしゃれという市場イメージによる)というコンセプトで取り組む。管理職の役割は結節点。人と人が結び合う場所にいて、話を聞き、承諾し、ゴールを共有する。その役割をもっていることを明確に意識し、任せるところは任せる。それにより社員ひとりひとりが自由闊達に自分の頭で考え、自分で行動していく。それが組織の活性化につながると考えている。
またマーケターとしては、イノベーションとは発明ではなく、誰かと誰かの知恵のかけあわせ。その誰かは遠い存在がいい(例えば社長とパート従業員)と考えており、リーダというよりキャプテンとして現場重視、一緒に汗を掻くことを厭わない。
細かい商品開発知識として、「水、空気、油、火の4つの要素(料理の四面体)に基づき、旨味を引き出すバランスを考える」というのは興味深かった。