あらすじ
世界は広いが、それぞれの生き物が生きることができるのは、ほんの小さな場所である。チーターは開けた草原にしか棲めないし、モンシロチョウはもっぱらキャベツ畑を飛んでいる。生き物の居場所は、なぜ決まっているのだろう。これまで餌や配偶者の存在などの理由が考えられてきたが、実は天敵がいないことが何よりも大事だ。様々な生き物を例に、生き残るための巧妙な知恵を紹介する。
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生物学における競争の歴史的な流れを学べた。俗物の私は動物の動きに、どうしても人間的な思考がそこにあるのではないかと考えてしまう。それもあながち間違いではないのかもしれない。逆もまた然り。
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生物の棲み分け、それぞれ固有の居場所ニッチについて考察する。ダーウィンの進化論から実は生き物は他種と生存競争はしていないということまで。天敵不在空間にクラス生物を追った一冊。筆者は蝶類が専門。
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研究室の指導教官だった大崎先生の著書。
もう退官されて久しいのだと思うけど、知的な好奇心はすごいなと素朴に感じた。
生態学のリサーチャーの道とはまったく違うものを選択した自分だけど、やはりこの分野が好きなんだな、というのをあらためて認識させてもらった。
自分も存じ上げている当時の諸先輩・先生の方々の名前もちらほら出てきて少しノスタルジックな心持ちになりながら読み進めた。
生態学的ニッチを軸にこの分野がどう積み上がってきたかがわかりやすく描かれていてすごく勉強になった。でも、最後に大崎先生が実は自分としては逆の順番で把握が進んでいった、とあり、なるほどと思った。
緑の世界仮説、天敵不在空間、繁殖干渉、ひとつひとつのキーワードがうまく掘り下げれれていて読み進めるのが楽しかった。紹介されていた西田先生と高倉さんの『繁殖干渉』も近く手に取りたい。
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ダーウィンやメンデルの他、近年までの著名な研究者が築いた生態学の歴史を辿る。様々な生物が生き残りをかけて居場所を求め続けてきた。その結果起きた進化や変化は一見すると奇異にうつる。しかし研究を進めると合理的で隙のない策略が見えてくる。
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自然界において、さまざまな生き物がそれぞれの「居場所」を見つけて生存している。その「ニッチ」が何によって決まるかという考察。
ダーウィンの進化論、適者生存の法則により、餌をどう確保するかという観点から説明されて来たが、だってこんな緑いっぱいあるやん、食い尽くすなんかないやん、という競争不在論から、天敵不在空間、繁殖干渉に至るまで。
まあ生き延びたやつは生き延びて、繁殖できたやつは増えていく。
のみ。滅ぶものは滅ぶ。その結果調和がたまたまあるだけで、それも脆い平衡状態にあり、あっという間に平衡は崩れ、また新しい平衡を生む。
そこになんか意味を見出して、なんかしようとするのは人間くらいか。
人間社会に当てはめて考えると、むっちゃ怖いわあ、と考えた。
世の中の束の間の平衡は今急速に崩れている。
なんてこの本には一言も書かれてないけど。
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<目次>
第1章 「種」とは何か
第2章 生き物の居場所ニッチ
第3章 ニッチと種間競争
第4章 競争は存在しない
第5章 天敵不在空間というニッチ
第6章 繁殖干渉という競争
終章 たどり来し道
<内容>
タイトルの通り、生き物はどのように「居場所」を決め、生き延びてきたのかを学問史を丁寧に書き起こしながら、自分の論文(モンシロチョウの繁殖干渉)が学術誌に論文掲載されるまでの苦労を含めて、書いたもの。丁寧すぎて、専門外の私には理解がしにくかった。