【感想・ネタバレ】起死回生―逆転プロ野球人生―(新潮新書)のレビュー

あらすじ

このままじゃ終われない。俺はもっとやれる――。戦力外や飼い殺し、理不尽なトレードにも挫けず、必死でもがき続けるプロ野球選手たち。小林繁、栗山英樹、野茂英雄、矢野燿大……いずれも才能を新天地で開花させ、その実力を天下に知らしめた。「今に見てろよ」と歯を食いしばり、白球を追いかける彼らの姿は、いつだって見る者の胸を熱くさせる。ピンチをチャンスに変えて、栄光を掴んだ30人のサバイバル野球人生。

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Posted by ブクログ

著者の作品を読むのは3冊目。
プロ野球死亡遊戯から、比べると落ち着いた文体になったと思う。
あとがきに近藤唯之氏の名前があったが、なるほど。そこを目指しているのだと納得。
私も子供の頃、近藤氏の本を読んできたが、それに続くライターはそれほどいないかもしれない。
そのポイントに中溝氏はすぽっと入り込んだ、そんな印象だ。

さて、本についてであるが、人選が最高。
知ってるけど、そんなには知らない、絶妙なラインを攻めてくれる。平成を駆け抜けた、名バイプレーヤー達。吉岡、西山、関川、鈴木平、長冨、奈良原、香田…

彼らの野球人生から、我々の人生のヒントももらえる、そんな一冊です。

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2025年06月21日

Posted by ブクログ

男の運命なんて一寸先はどうなるかわからない。
戦力外通告、トレードなどをきっかけに運命を変えたプロ野球選手。4番、エースなどのスター選手というより二流選手が多いところが実に良い。
野村再生工場で活躍した選手もあればヤクルトを放出されたことで活躍する選手もいるところが面白い。
冒頭の言葉の出典はおそらく近藤唯之。正統な後継者が表れた感。筆者はプロレスや当時の芸能ネタを交えた語りの作品が多いが、本書のように淡々と描く筆調の方が読者に感動を与えるように思う。

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2024年09月14日

Posted by ブクログ

文字通り、どん底から這い上がて起死回生の逆転ホームランを打ったプロ野球選手について。

どの選手も魅力的で面白かった。

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

死にたいくらいに憧れた”という長渕剛のフレーズが繰り返し使われるのがこの人の特徴だけれど、ここに取り上げられた選手たちのように、俺もまだまだ一花咲かせられるかな…
俺には死にたいくらいに憧れてる何かはまだこの期に及んで見つかってないのだが…

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2024年12月27日

Posted by ブクログ

 著者の「現役引退」に続いて読みました。四字熟語でタイトルを付けて続編も期待したい。プロ野球のテレビ中継(地上波)が人気だった頃の懐かしい選手たち〜鹿取、遠山、下柳、田畑〜などの渋い人選。北川の球史に残る伝説のホームラン。そして西本聖に小林繁。西本の引退試合は多摩川河川敷にあったジャイアンツの2軍球場だった、ことを思い出した。記憶を呼び起こす珠玉のスポーツエッセイ。決めゼリフは、「だが、男の運命なんて一寸先はどうなるか解らないーー」。  

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2024年04月24日

Posted by ブクログ

くすぶってた選手が、他チームに移籍する機会が訪れ、そこで出会った監督やコーチ、チームの方針とマッチして、一気に花開いた選手のお話

著者と世代がマッチしていることもあり、ちょうどプロ野球をよくみていた時期と重なって、とても懐かしく、また知らない逸話がたくさん織り込まれていて、とても面白かったです

自身に置き換えても、転職や異動など、上司や職場の雰囲気に合う合わないで、能力が発揮できなかったり、モチベーションが上がらなかったりと、プロ野球の世界って、結構サラリーマンの世界に似てるよなぁと、改めて感じさせる内容でもありました

野球って、一見チームスポーツのようで、結構個人スポーツの要素も強い側面あるよなぁ、とも感じていて、さらにその印象が強くなったよなぁ、とも思いました

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2024年03月27日

Posted by ブクログ

一点一点積み上げていくサッカー等とは異なり、野球は一発逆転がある、面白くも怖いスポーツである。

本書においては、試合の中ではなく、野球選手人生において一発逆転を果たした選手たちのエピソードが描かれる。怪我、チーム構成の巡り合わせの悪さ、監督との不和等々による不遇。そうしたものがトレードによって環境が変わり、花ひらく。

本書のエピソードからなにを感じるか。

環境や運次第で人生は変わる。もちろん、環境や運は人生における重要な要素であるが、環境が変わったという、そのチャンスをモノにし、幸運を引き寄せたのは、不遇の中にあっても腐らずに、折れずに努力を続けていたこと、そして選手たちの強い心があってこそなのだろう。

退屈な毎日を漫然と過ごしている中で、ハッとさせられる一冊でした。また、野球観戦好きとして、へえ、あの選手はそんなことがあったのかーと楽しく読むことも出来ました。

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2024年11月03日

Posted by ブクログ

中溝さんの新刊、遅ればせながら読んだ。

選手として知っていても、移籍後、本書で言えば起死回生を果たした後を知っている選手が大半だったので、本書を読んで全容はそうだったのかと知る事例が多かった。
そしてあらためて感じたのが、藤田監督時代の巨人投手陣の異常さ。130試合で完投が70あって10人しか年間で投げなかったというのが、凄まじすぎる。

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2024年07月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

<目次>
第1章  泥まみれの転身
第2章  「俺はもっとやれる」~運命を変えた移籍
第3章  古巣へのリベンジ
第4章  「野村再生工場」に来た男、去った男
第5章  最後の“舞台”を求めて

<内容>
プロ野球選手は、花形の人から全く花開かなかった人まで多様だ。その多くは後者。だが、中には苦汁を飲みながらも、一時花開いた人たちがいる。特にドラフトでは上位指名されながら、当初はうまくいかなかった人たちだ。この本は、そういう人を中心に、故障や監督に恵まれなかった人、投手から野手へ(その逆も少々)の配置転換が成功した人など、多様な選手を紹介している。30人(大体1980年代以降か?)。最近の人は淡泊なので、小林繁や西本聖などの考えはわからないかもしれないが…。

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2024年03月07日

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