あらすじ
【この「働き損社会」の一因は、組織にはびこる“ジジイの壁”?】
やる気をなくし早々に“窓際族”を目指す30代エリート、
世帯収入3000万じゃないと就職する意味がないと嘯く女子大生、
「普通に暮らせればいいです」が口癖のZ世代会社員、
「今まで頑張ってきたから」を言い訳に会社に寄生する50代、
人生諦めたまま老いていく中年氷河期世代……
「仕事に意欲を持っている社員は5%しかおらず、世界145位中最下位」
いま、何が日本人から働く意欲を奪っているのか?
健康社会学者である著者が、会社員へのインタビューをもとに
「働かないニッポン」の構造的な問題をひもとく。
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Posted by ブクログ
本の帯に、「仕事への熱意、145ヶ国中最下位/増殖する新種の「働かないおじさん」とあり、これってうちの夫のことかも笑?まぁ、私も仕事への熱意があるとは言えないな、などと思いつつ購入。
また、「働き損社会」の影に「ジジィの壁」あり!と書いてあって、これは団塊世代のうちの父のことか?とも思いました。
さて中身を読んで・・・
私も夫も「就職氷河期世代」なのですが、この本によると(まぁ他の本でも言われることですが)、今の40代就職氷河期世代は被害者で、頑張っても報われない無間地獄を生かされている。それに立ちはだかっているのが「ジジィの壁」ということです。
だからやる気をなくして、「無難」「普通」を選択する。確かにその通りかな、と思います。
私も氷河期世代なのでかなり苦労しました。苦労した結果、今のところ仕事(職場)に恵まれたので、それだけで十分、さらなる飛躍とかは望まない、ってなっちゃいますね。夫の場合は、企業なのでもうちょっと仕事に欲があってもいいはずだとは思うけど、多分私(妻)に安定収入があるから仕事への熱意・貪欲さが欠けているのではないかと思う。更に仕事よりは子どもと家で過ごすことが好きなので(←これは本書のテーマとは関係ない)。
興味深かった内容↓
働き過ぎと言われていた日本人。オイルショックから立ち直る時期に、長時間労働が当たり前になってきた。そして1970年代後半、中間管理職の突然死が散見されはじめ、ある産業医が「過労死」という概念を発表。すると医学界から「過労死なんて病名はない」と批判され、遺族が労災を申請しても一向に認定されなかった。その状況に立ち上がったのが、弁護士で、裁判で次々と勝訴を勝ち取り、1988年頃には「過労死」という言葉が社会に広まった。
何事も、最初に気づいて、行動を起こした人たちの苦労や努力で、世の中が変わっていくのだなぁと思った。
また、「働く」は意義あることだが、多くの人は今、お金のためだけに我慢して「労働」をしている。つまり働かされている。働いて心理的報酬を得て、有意味感を強くするには・・・
1.「普通」を疑う
2.仕事はカネのためだと考えない
3.仕事にやりがいを求めない
4.年齢を言い訳にしない
5.信頼されようと思わない
6.愛をケチらない
とあり、特に「仕事はカネのためだと考えない」の説明の中の以下のことが心に残りました。
人は「仕事」「家庭」「健康」という3つの幸せのボールを持ち、これらを一つも落とさずに、ジャグリングのように回し続ける働き方・働かせ方をしないと幸せにはなれません。(中略)私たちは境界の内側にある「自分の人生にとって大切なもの」を握りしめていたいと願うからこそ、いかなる困難や苦悩に遭遇しても最善を尽くし、大切なものが境界内にちゃんとあることで幸福感を手に入れることができる。
まさに私は、その3つのボールを必死でまわしている日常だな、と思う。みんなそうかな、と思う。そしてこれからも頑張って回し続けるぞ!と思う。
フロイト:愛と仕事、仕事と愛、それが人生のすべて