【感想・ネタバレ】差別する人の研究 変容する部落差別と現代のレイシズムのレビュー

あらすじ

差別の現れ方、正当化する言説は時代とともに変わっていく。
例えば、部落差別はかつての結婚・就職ではなく、その土地に住むことに対する忌避が強く現れる。
また、昨今は「社会的弱者であることをふりかざし、福祉に甘えている。逆差別だ」などという偏向した言説も目立つ。
こうした差別の変容はなぜ、どのように起きるのか。
現代的レイシズムを基点に、差別「される側」ではなく「する側」の構造をあきらかにする。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

最初の章が男女差別や男尊女卑に対する話題で持ちきりだったため、本を間違えたかと思いながら読み進めた。
しばらく進めると、これは「差別する人」の研究という名が表すことがふと腑に落ちた。部落差別は一つの切り口でしかなく、あくまで対象は「差別する人」なのだなと。

「差別する人」として今後の自身の在り方を見直す必要がありそうだ。
コンプラやハラスメントや差別なんかを気にするあまり、他者に対して無関心が最適解と言う勘違いが、自分含め世に蔓延っていて、これは相手のアイデンティティを受け入れないことに繋がるため差別解消への一つの壁になるようだ。

なかなか難しい世の中だ。例え部落差別が完全に解消しても次は新たな別の差別が生まれて、差別者が"暴力"の正当化のために被差別者を作り出す。
そんな世界でも楽しく生きたいものですね。

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2025年11月20日

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