あらすじ
親からの期待・子ども扱い・親同士のケンカ…… 「なんかイヤ」は心がじわじわと傷ついている状態。 「もう悩まなくていいんだ」と思える15ケース。 親のことは嫌いじゃないのに、一緒にいるとちょっとしんどい。 暴力や悪口を受けているわけではないけど、なんかモヤモヤする……。 それは親からの〝見えない圧力〟を受けているのかもしれません。 子どもへの期待・心配のしすぎは、親自身も「悪いことをしている」自覚がないため、とてもやっかいです。 親から言われるモヤモヤを、ラクになる言葉に変える方法を教えます。 「こんなこと思う私が悪いのかな」と悩まなくて大丈夫です。 1親からの圧力に気づく 2自分を認める(心を守る) 3流されない この3ステップで、離れられない親の圧力からあなたの心を守る方法を教えます。
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Posted by ブクログ
親子関係のみならず、あらゆる対人関係において応用が効きそうな内容だと感じた。
以下、自分用要約メモ。
第1章
・親の考えと自分の考えは全く関係ない、違う考えを持つことは何もおかしくない。相手と考えが合わないことを感じ取ってしまうと「なんかイヤ」という感情が生まれ、マイナスな行動に現れる
=認知行動的アプローチ(人は何を考えるかによって気持ちが変化する。行動、体調は気持ちの影響で変化する。)
・心のメンテナンス方法
「なんかイヤ」「モヤモヤ」を感じたら
→「今何を考えてたのか」自分の考え方を点検し、嫌な気持ちにさせた部分を見つける。親(他者)の考え方などが混ざっていたら切り離して考える
→モヤモヤする考え方を「楽になる考え方」に変える。短く、ほっとする「楽になる言葉」を見つける※楽になる言葉は1つではない。これらをお守りとして持っておくと予防にもなる
→「楽になる言葉」を一日に何度も呟いたり、紙に書いたり、貼って眺めたり、近い意味の歌詞の曲を聴くなどして脳に上書きする。=定着ワーク(新しい思考を習慣化する大切な練習)
・虐待と「なんかイヤ」の線引きは難しいが、重要なのは「自身がどう感じるか、何を思うか」
・自分以外の人が暴力、暴言を向けられる場面を目にするだけでも脳は傷つき、大人になってから「育ちの傷」として主に人間関係の部分で問題が現れる。(人との交流が不安、遠慮しすぎる、顔色を気にしすぎる、ちょっとしたことでキレる……)つまり、傷つきやすい人間になる。
・普段我慢ばかりしている人は「なんかイヤ」の感覚を見過ごさないこと。それは心が発している重要なサイン。
・マイナスな感情を「自分のせい」と無理に納得していると何度も同じような体験をすることになる。これは「直ってないよ」という心のメッセージ。それでも我慢を続けるとどんどん体調や精神面にマイナスな影響が現れる。そのために「定着ワーク」を覚えよう。
・傷つかないための3ステップ
①親からの圧力に気づく
自分の問題に気付けば8割は治ったと同じ。
圧力の裏には様々な思い込み、決めつけがある。(親がその親から受けた「育ちの傷」の可能性も)
だが、親の期待、心配、不安、プライドなどは自分の気持ちと関係ない。切り離す。
②自分を認める(心を守る)
親と違う「本当の自分の気持ちは何か」を探し、自分を受け入れる。「本当はこうしたい」「本当はこうならいいのに」など。自分を責める思考は全て取り払う。親と一緒じゃない、願い通りでないのは別の人間だから当たり前。別の人間として自立しつつもお互いに平和に共存して生きる準備を始めよう。
③流されない
親はあなたの「なんかイヤ」に気付いてない可能性がある。自分の気持ちを伝える練習をする。(頭の中でも、声に出してもOK)大事なのは親に「分かってもらおうとしないこと」。ただ伝えるだけでいい。もし伝えられなくても「ラクになる言葉」の定着ワークをやって、自分の心だけは流されないようにする。
第2章から4章は具体例とそれに対する3ステップ(先述)の紹介。
特に自分に該当するなぁ、と思ったケースを抜き出す。
・いつまでも子供扱いされる
①親からの圧力に気付く
親の深層心理には「一人ぼっちになりたくない」という気持ちがある(親自身に自覚が無い事が多い)
②自分を認める(心を守る)
親を少し上から目線で眺めてみる。「子供が成長するのが怖いんだな」「子供が離れていかないか心配なんだな」
そして、あなたの心の成長を態度で示す。「親任せにしていたこと(家事など)を自分でやる」「感情優先でなく冷静に話す」「相手の気持ちも考えてみる」大人として扱われるには、自分から大人としての態度を示すのが効果的
③流されない
「子供扱いはイヤ」「自分はもう親に何でもやってもらう年齢ではない」「大抵の事は自分で出来る」この3つを冷静に伝える。親に「理解させる」のではなく「伝える」のが目的。その後ギクシャクしたとしても最低限の会話をして、あなた自身は普段通りの暮らしを続けよう。
「ラクになる言葉」
「私の心はもう大人」「大人として振舞ってみよう」「自分でできるから平気」
第5章
・自分なりに工夫して、できることはやったのに、うまくいかない。自分を責める「イヤな思考」が繰り返し襲ってくる=「自動思考」
・出口を見つけるための「自動思考」を頭の外に出すワーク
①自分の思いを書く
頭に浮かぶことを素直にどんどん書いて歌詞かする
②書き終わったら音読する
「自動思考」を客観視するため
読み上げながら「私は悪くない」「なんでそう思うの?」など別の考えが浮かぶはず。それは自分を責める感情的な考えに対する、「冷静な反論」
③「冷静な反論」もしっかり書き留める
④誰かに意見を聞いてみる
おかしいのは自分なのかどうか確かめるため
信頼している人なら誰でもOK、相手の意見が「冷静な反論」と同じならそれが「正解」
だんだん「自動思考」が信用できなくなってくるはず
・一時的な「自動思考」に振り回されて判断を間違えないよう、「迷ったらすぐ確認」この習慣が心の健康を守る。
・もう1つ取り組めるのはしっかりと人に相談すること。誰に相談するかが大切。話しやすさ<頼れる人、経験豊富な人
先生など社会的役割があり、あなたに何らかの責任がある大人がいい
大切な話なので遠慮せず時間を作ってもらおう。思ったことを率直に話そう。「うまく話せるか」や話の順序などは気にしなくてOK。
・相手に「こんな言葉を返して欲しい」と期待しすぎるのはNG。がっかりしてしまう可能性がある。「誰かに自分の話をじっくり聞いてもらった」という体験自体が大事。相手のうなずきやシンプルな共感のみでも心は癒されるはず。
・もしその相談が役に立たなかったら、すぐ別の人に相談。行動を続けることが何らかの解決に繋がる。「話すべきじゃなかった」とあなたが後悔する必要は無い。ちゃんとSOSを出せたのは人間として正しい行為。
・窓口を利用するのも手。緊急時は特に。
Posted by ブクログ
事例と対処法が簡潔明瞭に記されていて、学びが多い一冊でした。イラストも可愛らしくて読みやすく、親に関連する生き辛さを感じている学生さんにこそ読んで欲しいと思いました。
Posted by ブクログ
親との関係性に病んだ人が読むための本を何冊か読みましたが、かえって辛い気持ちになることも多少はありました。
しかし、この本は、なんか違うな、という違和感や、かえって辛くなる感情になる記載はありませんでした。
今、私は大人になり親が異常だと気がつくことができましたが、10代の頃の私にこの本を渡したいです。
意見を言うことも、辛いと思うことも何一つ許されませんでしたが、この本にはさまざまななヒントが書いてあります。
・虐待の線引きは難しい。「子どもがどう感じるか」が大切
①なんか嫌、を受け止める
②親にわかってもらおうとしないこと。伝えるだけでいい。
③親にただ伝えて、その結果親が考えを変えるかどうかはどっちでもいい
④やってみて、合わなくてもいい。やってみたことが大切
⑤親の悪口は聞かなくていい。言いはじめたら逃げていい。「またはじまった〜退散退散〜」などふざけて逃げるのもポイント
自分が親になった時にも読みたい本
子供だけじゃなく、親にも読んでほしい
Posted by ブクログ
親に対する「なんかイヤだな」という気持ちをどうすればいいかについての様々な方法。親からの圧力に気付き、自分を認めて心を守る。自分の考え方を点検し、ラクになる考え方に切り替える。
親に心を壊されてからより、壊される前に対応ができれば、はるかにベター。子どもにとって重要な本だと思います。でも、そのレベルに境界線があるわけじゃないのが難しいです。