あらすじ
降りしきる雪、音の消えた世界。ぼくたちの教室から見えるのは、ただ白――どこまでも続く白色のつらなりだった。新たな氷河期によって、世界が冬に閉じこめられた時代。そこに彼女はいた。嶝崎人魚、ぼくのクラスメート。彼女は言った、「夏が見たい」と。すこしずつ過去を語りはじめた人魚、その左胸には文字のような傷が痛々しく残っていた。それはかつて彼女を誘拐した、連続少女殺人犯・大江公彦の手による刻印だった……。死が普遍となった街で、ささやきのように語られる、冷たく静かな物語。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。
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Posted by ブクログ
世界が冬に閉じ込められた世界で、夏が見たいと少女は言う。
独特な閉塞感と静寂感に包まれた物語は、別の物語と繋がっているようだが、それとは関係なく胸の奥に潜むものを刺激する。
世界へと足を踏み出す17歳の為の物語。胸の奥で17歳が足掻いている。
Posted by ブクログ
借本。
「物語の体操」を読んでから、著者の本を読めばいいと気がついて。
またしても激しく期待したせいか、肩すかしを食らったような気が…
内容は確かに「冬の教室」で面白いんだけど、なんかね。
著者の別作品を読んでみたいと、読後に思いました。