あらすじ
「これからつぶやくひとふしは とても悲しい物語……」
保険会社のコマーシャル・キャンペーン《幸せな家族》のモデルに選ばれた中道家。しかし撮影はなかなか進まず、やがて不気味な唄の歌詞にあわせたかのように、次々と家族が死んでゆく――
刊行以来、全国各地の少年少女に衝撃を与えてきた伝説のジュヴナイル・ミステリ長篇、奇跡の復刊。
〈解説〉松井和翠
感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
トラウマ児童文学と本屋さんでポップを見ていたのでとても気になっており、手にとった作品でした。
トラウマにはなりませんでしたが子供の頃に読んでいたら違っていたかもしれません。
省一が犯人であることは、文章からもなんとなく読み取れることでしたが最後の結末は予想していなかったです。省一目線で物語が進んでいくため、漢字ではなくひらがなで書かれている部分もあるのかなと思いながらだからこそなのかとても読みやすかったです。幸せな家族に一見見える中で少しずつその中の人たちと周りの人たちの狂気が見え隠れしている雰囲気が癖になる感じですぐに読み終えました。トラウマにならなくてよかったです。笑
Posted by ブクログ
主人公省一は、自分以外の家族4人と親友1人をこの一年の間に失いました。彼はずっと退屈していました。その退屈を凌ぐために毎日テープレコーダーを録音していたそうです。彼が言うには警察はこの一年のテープを聞かなければ事件を解決できないそうです。彼と1年前のあの日から本日までを振り返る物語です。
まず感じたのは、まるで省一の心の翻訳本だと感じるほどに文章の中で描かれたものも想像しうるものも含めて、省一の心情が非常に鮮明に私の脳に焼きついたからだ。
省一は、非常に退屈していた。
そして、省一の父が死んだあの日から急激に想像の中のことを実際に行動に移すようになる。
絡まっていた糸の途中が切れて解けていってしまうように。
私は、割と序盤で省一が犯人なのではないかと疑い、確信していた。
恐らく多くの人がそうだったのではないかと思う。
それの理由には、メタ的ではあるが、CM関係者の4人が簡単にアリバイを作られてしまった上に、最初に省一以外の家族が死んだということが明かされているからである。
だから、省一が言った通り隠すつもりなんてなかったんだなと思った。
そして見どころであった動機なのだが、なんだかすごい悲しい気持ちになった。
それは、省一が忌避感を示していた「CMにでたがりな兄」「姉をとことん愛していた父」「精神的な病に差別的な感情を持ってしまった自分」が動機になってしまっていた点だ。
省一は、殺人の衝動に出てしまう時、誰もが持つ狂気性を上手くコントロールする術を持っていなかったように感じる。
それは、家族関係に大きく関わっているように感じる。
父は、仕事漬けで尊敬しつつも怖さがあり、家族といえどもほとんど他人だと言ってもいいほどに省一とは関わり合いがなかった。
兄は、思ったことをすぐ口にし、省一から見れば酷く醜かったに違いない。
それが、省一の心を表に出さず芝居上手になった大きな要因だと考える。
姉には、恋愛的な感情を持っていたんだろう。父に溺愛されていたこともあり、なかなか相談相手というわけにはいかなかったのだろう。
そして、母だ。この普通とは言えない家族を支えているやさしい母。当然心内など打ち明けることなどできるはずもない。省一が、唯一の「普通」にならなければと思ったのだから。殺した時も唯一相手の事(母)を思って殺した。
これは、すごいミステリーだ。最終章に至るまで彼の心を紐解く、そんなミステリーだと感じた。心から省一の話を聞いてくれるそんな人が現れればこんな事件は起きなかったんじゃないか、そんな思いがこみあげてくる。省一は、自分の感情を出せずに退屈していたのではないだろうか、そんな結論に私は至った。
Posted by ブクログ
なんなの?なんなの?と途中までは一気読みだったのですが、家族が死んでしまうことははじめからわかっているので、犯人が意外なのか動機が意外なのか…?あれ?どちらもそこまで意外ではなく笑
でも殺し方?事故か他殺かなどは意外でした
Posted by ブクログ
事件が明らかになる章では、テンポよく進み、ゾクゾクする気分が味わえた。
姉が自分を殺されることを理解していることよりも、弟がその後自殺することを後押ししていることに恐怖を感じた。
偶然もあるが、家族全員の協力があってこそ、この唄になぞられた犯行は完成できているため、事件がなければ息子、弟のために協力できるような、幸せのな家族になり得たかもと思う。