あらすじ
1945年頃から1990年頃にかけて、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営が対立した「冷戦」。その影響は21世紀の今日にも色濃く残っている。本書は米ソ超大国やヨーロッパの対立のみならず日本を含む東アジアの展開にも力点を置いた通史である。上巻では、1945年に第二次世界大戦が終わり、大国の協調が崩壊して冷戦が始まる経緯から、朝鮮戦争、脱植民地化の進展、さらに62年のキューバ・ミサイル危機までを描く。
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Posted by ブクログ
核拡散が精力的に行われて実際に核戦争が起こる寸前のキューバ危機まで。今より核の使用がカジュアルに発想されてて恐ろしい。キューバ危機が避けられたのは単に人類が運が良かったからだという。
Posted by ブクログ
冷戦が終わって、30年以上経つが、現在の国際秩序は、第二次世界大戦そして冷戦を経て、成立しているもので、現在の世界を理解するためには、冷戦の理解は不可欠なところ。ウクライナ戦争などは、まさに冷戦が終わる中で残った問題が今、こういう形で、立ち上がっているという感じがする。
従来の冷戦史が米ソ対立を政治的な側面で捉えたもの、それにヨーロッパの状況が時々記載されて、それ以外は、背景情報くらいで取り扱われることが多かった気がするが、これは最新の研究成果を踏まえつつ、東西の対立とそれぞれの陣営内でのパワーオブバランスの変化、第3世界の動向、そして日本との関係を整理しながら、記述されているのが特徴。
とても多様な視点が提示されており、ある程度、知っている歴史的な事実も新しい視点で見ることが可能になった。
上巻は、キューバ危機までの状況。いろいろな本ですでに議論されていることとの重複は多いが、世界と日本との関係については、頭の整理がかなり進んだ。
Posted by ブクログ
冷戦が終わって30年以上が過ぎた。ソ連の崩壊が「冷戦の終わり」ということにつながっているわけだけど。
第二次世界大戦の終わりから、ソ連の崩壊まで丹念な記述で分かりやすい。で、気づいた。実は国際関係は何も変わっていない。「自国の利益のためには他者を踏みつけていく」という観点ではだ。確かにプレイヤーは変わったし、戦う武器(経済動向が特に)も変わった。これがヒトの業ですかね。
さらに恐ろしいのは、核保有国は増え続けているし、核保有国は侵略攻撃を受けたことがないってこと。