あらすじ
リーダーが掲げるミッション・ビジョンを実現すべくメンバーはついてくる。そんなメンバーをリーダーは下から支え尽くす。これがサーバント・リーダーシップの考え方だ。
本書は、社長は下から社員を支えるという「逆ピラミッド型」の組織構造を導入し、経営改革を実現させた資生堂相談役の池田氏と、リーダーシップ研究の第一人者・金井壽宏教授のコラボレーションによる日本初のサーバントリーダーシップ実践の書。
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Posted by ブクログ
聖書の一節に「受けるよりは与える方が幸いである」とある。与えられることよりも与えること、愛されるより愛すること、尽くされるより尽くすこと。ここにサーバント(奉仕)の心を基盤にした「サーバント・リーダーシップ」の精神を見いだすことができる。
サーバント(奉仕者)リーダーにとって大事なことは「①ミッションの名のもとに(共通の目的に向かって)、②フォロワーが自発的についてくる風土作り。そのためリーダーは③「大きな夢やビジョナリーなコンセプトをもち、④「信頼性」(credibility)を得つつ、⑤フォロワーが話しやすい状況を作り積極的に傾聴する」ことである。
サーバントリーダーシップは、キリスト教的な発想が根底にあるとはいえ、「他の人の役に立つ」とか「まわりの人たちのため」という考え方はどの宗教にもある(黄金律)。
特に大組織においては「前線にいる人達を元気づける(現場をエンパワーする)」ことが重要。現場を巻き込まずに改革は実現しないからだ。
目指すべき方向が正しければ、現場の判断を尊重して、自律的に判断してアクションがとれるように、権限だけでなく、リソースの裏付けも与えて任せる。意見決定の際にも現場の責任者を関わらせることは、決定を形骸化・形式化させないためにも必要だ。
Posted by ブクログ
入門書でありながら得るものが多かった。今まで漠然と思っていたことが一つの形として掴めたような感触がある。
人によっては、まったくピンとこないかもしれないが、ピンとこないなりにも何か得るものがあるのではないか?
時間があるときに、原書に挑戦したい。
Posted by ブクログ
関連施設で「組織を動かす」ための課題図書となっていた(第1章)。
資生堂相談役の池田さんが実践した例をもとにサーバントリーダーに関する概念を中心に書かれた本。引っ張るリーダーから支えるリーダーへ、場面に応じて前に出ることの重要性、身近な場面で実践できることを説明している。全体としては繰り返しの内容が多く含まれており内容の濃さとしては5段階評価で3になる。
印象に残った言葉は以下。
・信頼できる人の特徴4つはhonest誠実、forward-looking前向き、inspiringわくわくさせてくれる、competent有能
・サーバントリーダーは、大きなビジョンを描いて部下が本当に困っている時にはコーチングを行い、自分が信じる理念の実現のために邁進している人たちを支援する、もし召使いのように部下に媚びるならただのサーバントである、そこにリーダーがついていることに意味がある
・仕事ができる人は自分の意見をはっきり言って上手に上たらしをする、それができるのは本人が日頃から真剣に仕事に取り組んでいてその姿勢が認められているから