【感想・ネタバレ】BLANK PAGE 空っぽを満たす旅のレビュー

あらすじ

母・樹木希林と 父・内田裕也を たてつづけに喪った。
虚しさ、混乱、放心状態、ブラックホール……。

「人生の核心的登場人物を失い空っぽになった私は 人と出会いたい、と切望した」

谷川俊太郎 小泉今日子 中野信子 養老孟司 鏡リュウジ 坂本龍一 桐島かれん 石内 都 ヤマザキマリ 是枝裕和 窪島誠一郎 伊藤比呂美 横尾忠則 マツコ・デラックス シャルロット・ゲンズブール

独りで歩き出す背中をそっと押す、15人との〈一対一の対話〉

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Posted by ブクログ

樹木希林、内田裕也という強烈すぎる個性の両親のもとに生まれ、10歳上の本木雅弘と18歳で結婚した内田也哉子が相次いで両親を亡くしたアイデンティティの喪失の空白を埋める旅のような対談・エッセイ集。この対談相手が両親との関わり(心象風景的にも)のあったヤマザキマリ、谷川俊太郎、横尾忠則、中野信子、マツコ・デラックスほかビックネームばかりで凄い。
彼女は猛烈なマザコンでファザコンでおまけに夫コンでもあった。この空白を受け入れるために彼女は他者との対話という言葉の旅が必要だったように思う。特に母と娘の関係性は深く断ちがたいもののように思える。
 

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2025年02月17日

Posted by ブクログ


この本を読んでから半年以上経っていますが、未だに自分の中で生きている読書体験だったと感じています。

これを読んだタイミングは戦争や紛争のニュースばかりで人間や世の中に対する疲弊感を感じていた時でした。

ここではいろんな方と内田也哉子さんが対談し、その内容が書かれていますが、也哉子さんだからこそお相手の方が話してくださったんだろうなと思うことや、着眼点がありとても魅力に思えました。

自分が1番救われたのは
ここにいる方々がとても面白いことでした。
先にも書きましたが、自分の中で人間や世の中に対しての疲弊があったのですが、この本により、『自分が知らないだけで面白い人や面白いことが実際、こんなにあるんだ』と気付かされました。

希望が生まれたような瞬間だったのを覚えています。
この本に出会えて良かったです。

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2025年02月14日

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私は両親に対して、恐らくコンプレックスを抱えている。彼女もきっとそうで、様々な著名人と対談する中で、それをひしひしと感じているのだろう。
というか、誰しも抱えているのかもしれない。人間の性格、思考や行動の傾向などは幼少期の経験が大きく影響しているのではないかと思う。
彼女の文章は美しく、何でしょう。共感できることが多々あり、すっかりファンになってしまった。
聞いてはいけないことを自分までも聞かせてもらっているような、人の懐にすっと入っていけて、話づらいようなことでも打ち明けてもらえるのは、彼女がすごく魅力的な人柄の持ち主だからなのでしょう。

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2024年10月22日

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少しずつ読み進めてます。也哉子さんに共感する日がくるとは、今から数年前まで思いもよりませんでした。
ワタシにも強烈な両親がいることと、親が多忙で孤独だった子供時代が少し似ているんです。
也哉子さんの言葉は、もうひとりのジブンからの慰めやエールのようです。

もったいなくて少しずつ読んでます。



読み終わりました。
育ちが違う
全く考え方も共感できるはずもないのでした。
no art,no life で聴く
あのおだやかな声が 聴こえるような 文章で
せっかちで早口で
いつもいつも感情的なワタシの中に
著者のおだやかさが しみこんでくるようでした。

少しでも影響を受けて
こんなふうに表現できるようになりたい。

折々に読み返せるといいのだけど。
そんな余裕がジブンにあるかはわかりませんが
大事にしたい本です。

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2024年09月14日

Posted by ブクログ

樹木希林と内田裕也の娘。衝撃的であるものの、どうしてあの両親から、こんな不思議で、魅力的な内田也哉子が誕生したのだろう。
こんな疑問に答えてくれる一冊。樹木希林の導きで、なんと魅力的で、素晴らしい人と交流を持っていたのか。
なんと素敵な書物、作品に出会えていたのか。
対談内容に心を奪われ、登場する書物、作品に、私も是非出会いたいと思う。

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2024年08月04日

Posted by ブクログ

谷川さんの大好きな映画、『ギルバート・グレイプ』ですって!最初の結婚のくだりが二回も出てきた。その5年間うらやましい。

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2024年07月28日

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也哉子さんのご両親は、話題になった時、私の世代の人たちはみんな興味を持っていたんではないか…と思います。
訪ねて行ったり、どこかで会ったり、そんな風にその時の様子をこの本に載せてくれる、とても面白く読みました。也哉子さんの心情も一つ一つわかったような気がします。読みごたえがありますが、読みやすかったです。

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2024年07月10日

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樹木希林さんのお葬式での言葉選びがとても素敵だったのが印象に残っていて。
物事の本質を捉えるのがすごくお上手というか、水の底から沈んだ宝石を拾い上げるような的確な表現がすきです。

家族ということ、生きるということ、誰かと共にあるということ。
様々な人と関わるなかでこそ、浮かび上がってくるものがある

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2024年07月07日

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audible 。樹木希林は好きな俳優だがその娘内田也哉子も好きな人だ。雰囲気が何とも言えない。登場する窪島誠一郎の無言館共同館主に就任したというニュースもうれしい。

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2024年06月25日

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対談相手が凄すぎることは言うまでもなくだが、也哉子さんの筆圧に圧倒され一言一句時間を掛けて読んだ一冊。言霊が籠もりまくっており文才に改めて驚かされた。

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2024年06月22日

Posted by ブクログ

素晴らしい本でした。
文章の美しさもさることながら、対談相手の豪華さ。対談のままの形式だけではなく、文章にまとめられているものもあったりと、飽きないです。対談相手の魅力も存分に伝わってきました。

小泉今日子→自分の仕事や恋愛に向き合う覚悟がすごいと思った。

坂本龍一→プライベートで坂本龍一ファミリーと食事ができる也哉子さん夫妻が凄いと思った。

石内都→同世代や年上と話してもつまらないと言い切る潔さに好感を持ちました。

ヤマザキマリ→Uber Eatsでオムライスが足りなかったときの息子さんのエピソードが良かった。

是枝裕和→みんなから好かれる人なのだなと新たな一面を知りました。

窪島誠一郎→「無言館」の館長が、水上勉の息子さんだと初めて知りました。無言館にも行ってみたい。

横尾忠則→人から勧められた道を素直に「はい」と選んで、生きてきたということに驚きました。

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2024年05月12日

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『うわのそら。 この言葉が今、最も自分の心の有り様を表している。 9月に母が他界してからというもの、不思議なくらい、哀しみも、歓びも、焦りも、怒りも、あらゆる 感情が靄に包まれ、どこか 意識から離れたところで 浮遊している感覚なのだ 』

こんな文章で始まる内田也哉子さんの対談集です。「母」は女優、樹木希林。父はロックンローラー内田裕也。変わった両親の娘という目で見られてきた也哉子さん。ご苦労されたのですね…。その傷つきを内包しながらも、温かく誠実な人柄を端々に感じられる対談です。
対談相手や読者を傷つけることない慈しみのある文章に癒やされます。

也哉子さんのBLANKな心のページが、対談者に会いに行き、傾聴し、文章をお越し、推敲していく過程で、少しずつ埋まっていくのがわかります。

《対談者》
谷川俊太郎 (詩人)
小泉今日子(俳優/歌手)
中野信子 (脳科学者)
養老孟司 (解剖学者)
鏡リュウジ (心理占星術研究家)
坂本龍一 (音楽家)
霧島かれん (モデル/クリエイティブディレクター)
石内都 (写真家)
ヤマザキマリ (漫画家/画家/文筆家)
是枝裕和 (映画監督)
窪島誠一郎 (無言館館主/作家)
伊藤比呂美 (詩人)
横尾忠則 (美術家)
マツコ・デラックス (コラムニスト/タレント) 
シャルロット・ゲンズブール (俳優/映画監督)



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2025年10月10日

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樹木希林さんと内田裕也さんを両親に、モッくんを旦那様に19歳で結婚した内田也哉子さんのエッセイ。ご両親を亡くし、心の整理に著名人と語らう。文筆力に驚いた

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2025年07月09日

Posted by ブクログ

ご両親を立て続けに亡くされて、心の中が空っぽになってしまった也哉子さん。
希林さんの言葉を借りるなら「人は生まれてから死ぬまでひとりきり」なんだけど、空っぽを埋めてくれるのは、やっぱり人なのかなと思う。
様々な分野の著名人との対談がベースとなって書かれていて、その豪華な面々にはビックリ。
基本的に1対1で相手と向き合って話をしたそうで、静かにそしてまっすぐに想いをぶつけ合う空気感が伝わってくるようだった。
いつも思うけど、也哉子さんの言葉選びのセンスがやっぱり好き。
ところどころに感じられる虚無感、コンプレックス…そんなものたちが、対談の後には少し影を潜めているような気がして、それがなぜだか嬉しかった。
そして也哉子さんの文章の魅力で、予想通り対談された方々の作品に触れてみたくなってしまった。
また、読みたい本がたくさん増えちゃったな。

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2024年10月23日

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両親とも強烈な生き様だったため喪失感も大きいだろう
逝かれた空っぽを満たすため、様々な面白い人と話し、生き直す心を感じていく
希林さんは「自分でしか消化できない感情は、人様と共有したところで、その場の空気を濁すだけ」と言ったらしく、現在の私にも頷ける気もするが、話をすることこそ意味があるのだろう

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

闇堕ち 時が止まる どんな表現したらいいのかわからない
私も立て続けに身近な人を亡くし 自分の気持ちを持て余す毎日
押し寄せる現実に流されて生きている
誰かに会いに行こうか?
その誰かは
亡くなった人を知っている人に
と思えた本でした

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2024年07月27日

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絶妙な人選。やはり也哉子さんの物を見る角度や言葉選びのセンスが好き。他にはいない雰囲気をまとう人。対談で出てくる人の中には好きじゃない人もいたけど、彼女の言葉で語られると、自分が勝手に感じていたような人ではないのかなと思える辺りも也哉子さんの力なのかなと思う。

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2024年06月25日

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読んでいくにつれ内田也哉子さんのひととなりが浮き彫りになっていく
本書に登場して窪島さんの「無言館」の共同館主に内田さんが就任したニュースをみた
大いなる父母から解き放たれた内田さんの活躍を見守りたい

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2024年06月15日

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充実の読後感。著者の人となりがわかる。
あの複雑で特殊な環境でよくぞここまでまっとうなお人柄になられたことよと感動してしまった。
対談相手の人選が抜群にいい!(私好み)
谷川俊太郎、小泉今日子、坂本龍一、桐島かれんにヤマザキマリ、窪島誠一郎、横尾忠則、伊藤比呂美、マツコデラックスに極めつけは是枝裕和監督。
どの人も本音で相手が内田也哉子ということなのか胸襟を開いてる感じがいい。
彼女の独特のまったりとした喋り方を頭の中で自然に変換して読んでたよ。
いろんな人をゲストにラジオでもテレビでもいいから対談番組やってくれないかな。

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2024年05月31日

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身内との別れは思いもよらぬ空洞ができる。どんな別れであっても、納得はできない。悲しみ、喪失、混乱。誰かと話すことでくっきりする故人の姿。思い出す朧げな姿。何をどうしたって娘である事実からは逃れられないと同時に、母である事実からも逃れられない。悲しみに溺れきれたら。家族や仕事が、生きる支えや希望にもなる。空っぽを満たす旅。きっと、これからも続いていくのだろう。

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

白紙のように見えた人生にも濃い筆跡は残る。内田裕也のロックな魂、樹木希林の静かなる強さ。その間に立ち言葉でつむぐ内田也哉子のまなざしは痛みも愛も見逃さない。本木雅弘という寡黙な支柱もまた家族の静けさを守ってきた。破天荒と沈黙、喧騒と祈り。そのすべてが交差する家族の記憶は白紙には描けぬ深みをもつ。だからこそ彼女は語らぬことにも耳を澄ませる力を持つのだ。表層より内実に迫ろうとする。

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2025年06月18日

Posted by ブクログ

天才と天才の子供はやっぱり天才

天才ってことではないかもしれないけど、也哉子さんもすごい人だなって思います。
なんていっても、もっくんと19歳で結婚したんだもんね。
もっくんと同じ年のあたしとしてはそりゃもうびっくりよ。

この本読んで、やっぱりただものではないって感じました。

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2025年04月03日

Posted by ブクログ

対話エッセイとあったので、全てが対話形式と思ったが、数名のインタビューしかなくて残念。
特に小泉今日子さんとの話が聞きたかった。
也哉子さん特有の表現は時に美しく時に遠く感じる為、読みやすい時と読み進めにくい時とあった。
ご両親を相次いで亡くされたことによる喪失と生、死とは。
また、独特なご両親を持つ子供としての立ち位置、育ち方などそれぞれにあって面白い。
母親とは母性を持って子供を育むものだと思うのは当たり前とは思ってはいけないもの。
母親にもそれぞれ個性があって、子供ともいろんな接し方があってしかるべし。しかし、個性的な親に育てられると言うことは、しっかりと子供にも繋がっていくものだと思う。
生きることは、千差万別。
しかし、難しいことは考えず、なんか生まれてきたから生きてていいんだ、で良いのかもしれない。

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2024年11月18日

Posted by ブクログ

環境は、全く違うが、両親を亡くし、心が空っぽになった経験があるのは、同じ。
私は樹木希林さんが大好きでした。
この本を読み、也哉子さんのファンになりました。
応援しています。

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2024年11月11日

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ネタバレ

住んでる世界が違いすぎるからか,そうなんですねー,という感想しか持てないで読み進めたけど,終盤(ヤマザキマリさんあたりだったか),ちょっと感じ入るところが出てきた。

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2024年10月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

カッコつけた表現が多く自分の言葉に酔いしれている感が否めないが、まあこれが著者の持ち味なのかなとも思った。
やっぱり有名人との対談をベースにしているところは宣伝というかおべっかしているように感じてしまいイマイチに思った。
そういうのを抜きにしたエッセイを読んでみたいと純粋に思った。
内田裕也の葬式の喪主挨拶はとても素晴らしいと思う。

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2024年10月06日

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也哉子さんが、特別な環境で育ち、その中で懸命に生きてきた事を感じ、対談した方々もすごい方ばかり、刺激になりました。

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2024年08月02日

Posted by ブクログ

内田也哉子さんの文章力に驚いた。そして、やはり樹木希林の素敵な人柄、人生、とても穏やかな気持ちになれるエッセイ&対談集だった

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2024年07月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

19歳で!?
知らなかった〜!
男性俳優さんの中で一番好きな方の奥さまは、一般的でない親御さんに一般的でない育み方をされ、亡くなってもなお、影響を受け続けている也哉子さん。
親への恨みつらみもあろうけど、囚われすぎることはなく、逃げ出すこともせず、受け止めようとされている姿勢がすごく良いなぁと思う。
たくさんの方との語らい。インタビューではなく対話。人と話すことは、自分を広げる事でもある。他人を介して、自分を癒やす事でもある。
裕和さんがお兄さんだなんて…!信じたじゃないですか(笑)なんだか希林さんの片鱗を垣間見たような。こういう風に言われることも、もう乗り越えてらっしゃっしゃるのでしょうね。


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2024年07月02日

Posted by ブクログ

内田也哉子さんの本を初めて読みました。
対談する方たちの興味から、手に取りました。
自分のいる世界では皆、遠くの人。
その遠くの人の内面の一端を垣間見れたことは
良かった。
也哉子さんの立場も本人からしたら
いろいろな思いもあるだろうが、
ご両親ありきでできた本ですね。
也哉子さんの文章はなんだか、ふわふわとした印象。
大事なことを書いてるのに、何か心にささらない。
私の今の気分と合わないのかなぁと。
感じ方は人それぞれですね。

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2024年05月02日

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