【感想・ネタバレ】古代日本の超技術〈新装改訂版〉 あっと驚く「古の匠」の智慧のレビュー

あらすじ

現代のハイテクを知り尽くす半導体研究者が、自ら体験・実験して読み解く大好評の「技術史ミステリー」日本編!

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Posted by ブクログ

ブルーバックスが古代の技術?しかも「超」付きで…と恐る恐る読み始めましたが、最初の数ページで「やっぱりブルーバックスだ!」と納得。三内丸山から前方後円墳、倒れない塔、単結晶インゴットの切断方法に錆びにくい鉄の秘密、建築の技法に工具の秘密と次から次に紹介される技の数々とそれを解き明かす科学的説明、面白くて一気読みです。
時間をかけて丁寧に素材と向き合いものを作る工匠の技と心意気がどれほど高度なものを生み出したのか、知れば知るほど「凄い!」確かに超技術だと納得しました。現代の問題にも触れられており、作者は古典や古代史にも造詣が深い工学博士、説明もわかりやすく技術の視点から遺跡や古代史を観ることの興味深さも教えていただきました。古代史ファンも科学ファンも納得の本だと思います。各章末の参考文献もとても良くて、読書案内としても使えます。
特に前方後円墳が何故あの形なのか、何故あんなにせっせと作られたのか、の考察は古代史ファン必見だと思います。科学技術ってすごい!面白い!

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2024年06月02日

Posted by ブクログ

 三内丸山遺跡、前方後円墳、五重塔、古代瓦、和釘、日本刀など多種多様なものから、過去の日本の技術の高さを科学的に評価していく。
 大量生産大量消費に伴う、経済的な効率を至上として成り立つ現代が忘れてしまったモノづくりの基礎となる質や精神は、これからの日本に真に必要となるものであり、それこそまさに温故知新を旨として学んでいかなければならないのであろう。
 そもそも現代の技術とは、過去からの進化なのであろうが、果たして本当にそうなのであろうかということを思い知らされ、現代こそが最高の技術などと思い上がることに対しての警鐘を鳴らし、過去の技術に対しても敬意と興味を沸かせてくれた一冊である。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

古代の遺跡などに刻まれた謎に自然科学の光を当てる。歴史や考古学に理工学の視点を導入し古代人の知恵と技術に迫る書だ。例えば、巨大な石をどのように運んだのか、発掘された金属器具はどのように製造されたのか。専門学者の従来からの通説に疑問を投げかけ精緻な推論で再構築する姿勢は痛快である。神話や遺跡と自然科学の間を行き来するその視点が過去をより立体的に浮かび上がらせる。学際的なアプローチで真実をとらえようとしなくてはならない。

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2025年06月08日

Posted by ブクログ

題名の通り『古代日本の超技術』についての研究を集めた本書、執筆者の志村忠夫さんは自身を「専門家」ではないとしており、実際その通りなのだが、だからこそ広範に渡り大胆な論考を展開しており、もちろん素人である自分にも面白く、かつ分かりやすく感じました

章立ては七つ、それぞれ
・三内丸山遺跡(縄文時代)に残る正確な穿孔技術
・前方後円墳に隠された謎に土木技術から迫る
・五重の塔の耐震・耐風構造
・日本古来の「木材加工」技術や道具に込められた「木の文明」を支えた職人たちのこだわり
・古代瓦の高性能さの秘密
・錆びない鉄、法隆寺の釘と日本刀
・奈良の大仏に「長登の銅」が選ばれた理由

うーん、古代好きはこれだけ見ても、ちょっと興奮しちゃうよね
いかにも歴史好きが好きそうなテーマ
だがそれが良い

著者の「古代技術」への礼賛は、とりも直さず、自然を尊び、愚直に仕事を向き合った職人魂への賛辞であった

そして「効率」と「経済性」に重きを置き過ぎる「現代の技術」は、日本人のこころから大切なものを失わせているのではないかと、警鐘を鳴らす

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2025年03月30日

Posted by ブクログ

半導体研究という物理分野の著者による古代文明の技術的観点からの考察。『古代世界の超技術』との姉妹本であり、古代世界に「石の文明」が多いのに対し日本は「木の文明」だと言います。なぜ五重塔は倒れないのか。木の種類による活用の幅、古代瓦と現代瓦、たたら鉄や日本刀奈良の大仏の銅はいかにして選ばれたかなどどれも面白かったが、特に前方後円墳の形状やあれだけの多数作られたことの背景についての考察は古代史に興味を持つ人間として非常に面白かった。続けて読む予定の姉妹本も楽しみ。

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2024年09月27日

Posted by ブクログ

⭐︎4.6 7月16日
これは面白かった。
古代人の技術の高さ。
まさかのスカイツリーがその技術の要を使って建設された。
なんとも、血湧き肉躍る。学習の書物。

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2024年07月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

⚫︎古代技術
三内丸山の遺跡をきっかけに古代に興味を持ち購入。期待していた内容とは違ったが、建築技術について興味深かった。
木の使い方、瓦の焼き方について、丁寧に選定し、使用部位を適切にすることで、驚くほど長く使えるのである。近年の効率主義が、優れた技術を捨ててしまった。


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2025年08月09日

Posted by ブクログ

半導体の研究者である筆者が驚嘆する、古代日本の技術を科学的に分析している本。そこには千年も二千年も耐えられる技術が使われていた。

文化財の修復にも関わる棟梁や瓦職人達の知見も得て木造建築、灌漑、大工道具、鋳物といった古代からの技術を科学的・化学的に分析し、「最新の技術でも到底敵わない」古代日本人の技術力に驚かされる。千年以上経っても生きている素材が「あと千年でも耐えられる」とか。

耐えられる原理が分かっていても、「均質化・量産化」が求められる現代では難しいようだ。昔の職人達が「千年でも耐えられる」と考えていたかどうかは分からない。記録媒体も限られた中、ひとつひとつ手作りするしかなかった時代の丁寧な仕事が今に残っているのだと思う。

最近の新聞記事で「デジタル素材は技術の更新でいずれ開けなくなり、21世紀は(記録が失われた時代)になりかねない」と読んだばかりで、現代の膨大なデータも千年先を見越して保存する方法(取捨選択含め)を考えなければいけないと思えた。

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2025年02月02日

Posted by ブクログ

超、とか、古代、とかのタイトルが、一瞬『ムー』系の話か? と思わせるけれど、そんなことはない、過去の日本にあった優れた技術を解説する本だった。
建築における古い技術のことは、それなりに知ってはいるつもりだったが、それを建築という視点ではなく、技術という視点でみているのが楽しい。

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2024年02月08日

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