あらすじ
結婚10年目にして夫に家出された歳上でしっかり者の妻の戸惑い。しかしそれを機会に、彼女には初めて心を許せる女友達が出来たが…。表題作をはじめ、都会に暮す男女の人生の機微を様々な風景のなかに描く『紅き唇』『十三年目の子守歌』『ピエロ』『私の叔父さん』の5編。直木賞受賞。
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Posted by ブクログ
知り合いにおすすめされて読みました。『恋文』は感情の表現が素晴らしい。特に好きなシーンは、鉄幹作の小説のことを江津子と話合っているときの描写です。
「郷子の胸が冷たい一滴を覚えた時である。」
「今まで胸の奥に隠していた感情が一挙に爆発し、流れ出した気がしたのだった。」
ラストで離婚届をラブレターと表現するシーンも好きでした。全然共感はできないけど、何故か泣けます。
Posted by ブクログ
恋愛小説をあまり読まない私には、連城さんは縁がない作家さんだと思っていました。表題作の『恋文』を読んだら「やられたー!まずいなぁ」と思いました。いいじゃないですか、とっても。女心も男心も共感せずにはいられません。いや、本当はダメな男は好きではありません(苦笑)が、ヒロインの女性にしてみれば、そんなところもほっとけなくて愛しいのではないだろうかと思うわけです。
『紅き唇』も好きです。
この短編集に登場するのはどちらかというとダメ男さんが多いですが、女性は気が強いタイプが多いですね(笑)
物語が美しいというか情緒的というか、連城さんの恋愛小説は絶品ですね。(この本しか読んでいないですけど^^; ) 本当に困るのです。とっても素敵な文章で間違いなく好みなのですが、こうオンナオンナしているのは読んでいて気恥ずかしいというか自分の痛さに触れるというか、居心地が悪いというか…。雰囲気は好きだけど、ストーリーは好きじゃないというのが今の私の心境です^^;
でも好きじゃないけど、きっと連城氏の作品を読んでしまうのだろうなぁと(笑)
それだけ魅力的でした♪
Posted by ブクログ
「恋文」こんな夫、狡いし嫌だったけど惚れてしまっていたらもう抗えないのだ…
「紅き唇」切ない話…一本の口紅はひとりの老女の心理、謎解きの鍵…
「十三年目の子守唄」帰ってきた男は父。
「ピエロ」優しさは諸刃の剣。浮気したと嘘をついたら夫はもうしてた、する直近だった的な。しんどいものだった。
「私の叔父さん」写真であ、い、し、て、る、はゾクゾクした。愛した女の娘を愛せるのか。