あらすじ
不登校、引きこもり、摂食障害、等々…。子育てをめぐる様々な悩みや苦しみはなぜ生じるのか。その仕組みを心理学の概念で解き明かし、多数の事例を紹介しながら子どもとのコミュニケーションの望ましいあり方について具体的な方法を提案する。脳科学者/医師/臨床心理士/四児の父親/少年サッカーの指導者である著者による書き下ろし。
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Posted by ブクログ
普遍的で本質的なことが具体的な事例とともに書かれており、原点に戻れるような、何度も見返したくなる本です。生きることを好きになってもらうことを子育ての目標に据えるというのはとても印象的で、肩の荷が降りたように感じました。文字のない時期を存分に味わう、という考え方も素敵です。この本を読んで以来、子どもを褒めるとき、自分の都合のいいように誘導しようとしていないかなと気にするようになりました。
Posted by ブクログ
何度読んでも名著。
【趣旨】
子どもを信じること。
つまり子どもに小言は言わず優しく接すること
【気づき】
・遅刻する我が子を見て「不登校の子」と思うようになった
・生きることを好きになるように
・文字のない時期を大切にする
(文字が読めると、家の中や街の中の景色は一変する)
・幼い時期に知識をつめこむことはあ、その子の可能性をかえって小さくしてしまう
・アイスクリーム療法
子どもを元気にする方法
冷蔵庫いっぱいにいろんな種類のアイスを買い
子どもに自由に食べさせる
×条件をつける(宿題やったらいいよなど)
・悲しい、寂しい場面では声をかけて
感情を認知させる必要あり
そうしないと、アレキシサイミア(失感情症)になる
・自己主張するようになったら、
順調に育っていると楽しむくらいの気持ちで
・「指示や行動を促す言葉」と「想いを伝え合う言葉」前者が多くなっていないか?
・子どもは幼いうちから理論的なことや現実的ななことばかり与えられると、先の人生において非現実的なことや空想的なものの価値を認めにくくなってしまう
・子どもとの距離が近すぎる親、遠すぎる親
問題点
[近すぎる親の場合]
子どもの問題がいつの間にか自分の問題になっている
・現実を加工する傾向あり
・事実を事細かに話すものの主語が欠落しているので、子どもの気持ちなのか、親の気持ちなのかわからないことが多い
・子どもと一体化していることが問題
・安全な失敗体験すべき時期がある
[遠すぎる親の場合]
子どもは自分を賞賛する鏡か自分のアクセサリー
・子どもの内面に関心が向いていない
・子どもが好きなことを話し始めると、話の腰を折ってしまう
・子どもは親の鏡の役割をさせられる(あなたは素晴らしいと子どもに言われ続ける存在)
・「子どもがどんな気持ちでいるか」より「自分がどう見られるか」にしか関心がない
→「遠すぎる親」の子どもは、自分の気持ちより親や相手がどうか、ばかりな気持ちが集中しがち
相手に合わせすぎるため、人と会ったあとにどっと疲れが出たり、自分の気持ちを主張することや自分が楽になる選択をすることは悪いこと、わがままなこと、と罪悪感をもちやすい
・母親は子どもにさられるためにそこにいなければならない
・子どもを幸せにしようと思えば、彼らの楽観性を失わせないこと
・子どもが何かにはまっているときは
何かの不安から自分を守っているのかも
(防衛機能が働いているかも)
・子どもが何するか?に意識が向きすぎると×
何を考えているか?が大事
・子どもが自立しようとするとき
親から離れる寂しさも感じているので
何度も親の愛情を確認しようとする
(見捨てられ不安を子どもは感じているので、
親はやさしく受け止めてやればよい)
・子どもは話を聞いてほしい
聞いてもらったという体験が喜びになる
思いを伝え合うことが大事
5W1Hを使いたくなったら注意!
子どもが話したいことに近づけることが大切
×アドバイス
・「今なら話しかけてもよさそうだな」というタイミングを子どもなりに見計らって話しかけてくる
・「〜してもいいし、しなくてもいい」という言い方は指示していないようでしている。
親が望んでいる方を探り当てて、必死に読み取ろうとする。
本当に好きなようにしていいならば、何も言わなければいい。
・子どもが普通であること、仲間の多くが興味のあることに同じように関心を示せていることの価値を親は理解すべき
・子どもが自分で問いを立てられることは素晴らしい
・子どもは自分のために上手にできるようになりたいと思っているし、幸せになろうとし続ける生き物
・おしゃれや化粧に興味を示すのはよい兆候
・親が本当にすべきことは
子どもが失敗をしないように先回りをすることでない。
子どもがつまづいた時、子どもが立ち直ることを信じ、またチャレンジできるように支えて見守ってあげることが、重要
・自分の話を聞いてもらった子は、自分の意見を言える人になる
・今、無理に食べさせて栄養のバランスを得ることよりも、食べたいかどうかを自分で決める子どもの自主性を大事にすることの方が、長い目で見るとずっと大切
いやなものでも食べられることよりも、いやなものをいやと言えることや、その希望が聞き入れられる体験を積むことの方が、子どもには重要
・子どもがぎこちない手つきで何かをしようとしている時、「失敗すべき」と腹を括ることで見守ることができるようになる。
むしろ失敗したときこそ「愛情の見せどころ」
親が淡々と振る舞うことで、子どもは自分に起こった不幸を邪魔されずしっかり味わおうことができる
Posted by ブクログ
名著である。
少なくとも私にとっては。
子どもを信じること、見守ること。
子育てに悩んだり迷ったりして、なにか本からヒントを得ようと考えた人なら、一度は目にするフレーズ。
何冊も何冊も本を読んだ人なら、きっと何度も出逢ってきたフレーズ。
毎回、「そうなんだよなぁ」とアタマでは理解しながらも、実践に落とし込むのは、ほんとに難しい!! と実感してきた。
この本では、著者が自分の子育て(4人!)と多くの臨床経験から、この「子どもを信じること」を具体的にどうやったらよいのかを教えてくれる。
やはり、とても忍耐の要ることだ(特に、これまで過干渉気味であった人にとっては)。
現代の、1人か2人しか育てる経験のない人たちは、「子どもを信じたい」のだが「信じぬく自信」がないのだ。
著者自身も、1人目、2人目くらいまでの子育ては、試行錯誤していたようだが,私を含む「信じぬく自信」がない人は、そこでやっぱり辛抱たまらず、口や手を出したくなってしまうのだよなぁ。
でも、その著者が4人育てて(そしてたくさんの知見を得て)至った言葉には説得力があった。
「子どもを信じるというのは、失敗しないことを信じるのではありません。失敗しても子どもは自分で立ち直っていくだろうと信じるのです。」
簡単ではない。でも、子どもを信じぬける親でありたい、と思う。
Posted by ブクログ
友人に薦められて読んだ
子育ての極意
子どもを信じること
小手先の方法論ではなく「核」が語られている
私がよかれと思って必死にやって来たこと
あの苦闘の年月は却って子どもを傷つけていたのか
もう失敗の連続の後で読むと非常に辛い
せめて発行された10年前に出会いたかったァ
主に不登校の子どもについて語られている
私には手遅れだが悩んでいる若い友人に紹介したい
でも、自分に問いかけることはまだ遅くない
そうだね、笑顔で子どもの話に耳を傾けること
子どもの年齢には関係ないよね
深く深く心に刺さりました
≪ 子どもをね 信じることよ 丸ごとよ ≫
Posted by ブクログ
親として核となる部分だと感じました。
子育て本は溢れていますが、小手先の方法論ではなく、親としてどう子どもと向き合うか、この本を読んでじーんときました。
子どもは2歳ですが、この先も読み返して自分自身を振り返りたいです。
Posted by ブクログ
子どものことを失敗しても立ち上がれる子だ、信じるに値する子なんだと信じる。親に信じてもらえることこそが子どもの勇気になる。生きてるって楽しいと思えることの大切さ。20年前に読みたかったー。でもこの本に出会えてよかったといえるこれからを過ごしたいな。内容をインストールできるまで何度も読みたい。
Posted by ブクログ
指示されたり叱られたりしていた子供に対し、信じて待つように接し方を変えると、子供が考えていることが現れてくる。
そのことを著者自身が実践していて、とても考えさせられた。筆者が実践したのは第三子からだったようで、上の二人が可哀想に思えた。
Posted by ブクログ
落ち込み悩んでいるときに、友達にこの本のことを教えてもらい手に取った。読み始めてすぐに、不登校の中学生のエピソードが出てきて、まさしく知りたかったことで、付箋をたくさんはさみながら読んでいった。
子どもを信じ続けて、信じぬくこと、小言をやめること、家ではリラックスしてもらうこと、私の子どもたちも本当にそれでいいのだろうか、いつか、きちんと教えてこなかったからできないまま大人になってしまった、と思い悔やむ日が来るのではないか、と、心配なこともある。
でもしばらくは、この本に書いてあり感銘を受けた言葉を記し、時々思い返して、家はリラックスの場であること、話を聞くこと、を大事にしていこうと決めた。
Posted by ブクログ
育児に関する書籍は多数ありますが
現役の研究者が自信の子育てや研究過程での
子育てに関する様々なエピソードを紹介しています。
この本で注目すべきは、「子どもを信じて、見守ること」
子どもは親が思う以上にしっかり考えているもの。
個の本を読んで、その気持ちを強く感じます。
Posted by ブクログ
人が育つプロセスは大人も子供も変わらないという事を日々考えさせられています。
子供を信じることは、「人の可能性を信じる」という言葉がしっくりきていない方(私はその一人でした)にその一例を感じさせてくれる本だと思います。好きなフレーズを一つピックアップします。
”結局のところ、子どもを信じる、ということは、かつて子どもであった自分を信じること、そして、今の自分を信じることでもある、と私は思います”
Posted by ブクログ
子育てをしている人、教育に携わっている方、
子どもの気持ちになれる本だと思います。
自分が子どもだったとき、親がどうしてくれたら嬉しかったか、
そんなことを感じるのではないのかな・・・
とにかく、読んでほしい、そんな本ですし、とても読みすすみやすいです。
Posted by ブクログ
医師でカウンセラーをしながら4人のお子さんを育てている著者の子育て法。
とにかく子供に最大限愛情を注いで信じて見守る子育て法。
中にはこれは甘すぎでは?というものも。
好きなだけアイスクリームを食べさせるアイスクリーム療法や、片付けを強制せずに親が片付けてとにかく子供に家は居心地がいいと感じてもらう、など。
愛情をかけながらもう少し躾は必要なのでは?と思ったので星-1だけど、これは引きこもりや心が傷ついている子どもに対して元気にするための療法なのかな?
普通の子に対してはここまで甘やかさなくていいと思うけど、とにかく親の価値観を押し付けず、子供の幸せを願って過干渉にならずにサポートするという姿勢には共感する。
できたことを褒めすぎず、失敗も積極的にさせてみる。あなたが出来ても出来なくても元気に生きていてくれることが嬉しいよ、というメッセージをたくさん伝える。
子育てにぶち当たったらまた読み返したい本。