あらすじ
初めて出逢った幼き日から、互いに誰より心を許してきた親友で幼友達のアーサーとリシャール。二人は互いに、アーサーがノーザンヒールの世継ぎの皇太子、リシャールが人質としてその隣国フェルマスより来ていた王子という立場だった。幼いころは世間や国の事情など関係なく共に過ごしていたが、年を重ね、その立場を実感させられたリシャールは、その責務を果たさねばならなくなっていた。それは人質として、ノーザンヒールの国王陛下に乞われるまま、その身体を捧げること。美しく成長したリシャールと、正義感に溢れ臣下の期待もあついアーサー。二人は互いを想いながらも、すれ違うようになり……? 重厚な書き下ろしファンタジーBL、上下同時発売!
...続きを読む感情タグBEST3
苦味<読み応え
なんてドラマチックな作品!ページをめくる手が止まりませんでした。長い物語ですが、上下巻一気読みです。
大国の王太子アーサーと同盟国からの人質リシャール。いずれそれぞれの国の王となり支えあう関係になるのだと思っていたのに、リシャールには苛酷な運命が待っていました。
リシャールが自身の全てと引き換えに何を成し遂げようとしているのかは上巻のうちに察しがつきましたが、その手段を選ばない姿があまりにも切なくて涙が出ます。
BLとしては苦味が強い作品なので好みが別れそうですが、非常に良く練られた物語になっています。読み応えはなかなかのものですよ!
重厚なファンタジーBL
ファンタジー好きなのでしっかりした世界観に、幼馴染み二人のすれ違いや寝取られ、政変や陰謀が絡み、大変面白かったです。
リシャールみたいな、強く強かで男を手玉に取りながらもアーサーの為に健気な受け……大好きです。
上下巻一気読みしてしまいました!
一気に読ませる怒涛の展開。攻めさんのロード・オブ・ザ・リングを、健気な受けさんが身を捨てて支える物語。
攻めさんの洞察力は受けさん程では無く。受けさんは常にそれぞれの人の行動原理を思考しあらゆる可能性を考え来たるべき日のために動いていた。
それに比し攻めさんは贖罪に囚われ、受けさんを読み切れていないところが、とても残念な部分。支配者であった故かもしれないが、ある意味で純粋に、恋は盲目な攻めさん。でもそれでは受けさんを守れない、と下巻で自覚できるのかな〜