あらすじ
引退した俳優が主催するパーティで、老牧師が不可解な死を遂げた。数カ月後、あるパーティの席上、俳優の友人の医師が同じ状況下で死亡した。俳優、美貌の娘、演劇パトロンの男らが事件に挑み、名探偵ポアロが彼らを真相へと導く。ポアロが「名助演ぶり」をみせる推理劇場。
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Posted by ブクログ
初めて犯人の予想があたった!
タイトルとチャールズ卿の性格でなんとなくこの人の話なんだろうなって
それでも執事の件はぜんぜん思いつかなかったのですごいびっくりした
今まで読んだ中でもかなり面白かった でもチャールズ卿を疑ってなかったらなんでポアロが出てこないんだろうってイライラしたかもしれない
エッグのことも好きな演技をしてるだけだろうと思ってたのに違った サタスウェイトさんの見る目を疑ってはいけなかった
Posted by ブクログ
ポアロもの。冒頭のキャスト紹介からワクワクさせるような内容。
ポアロが中心に謎を追ってゆくという形式でないのは、珍しいですが、
真相は・・・!
毎回気持ちよく騙されてパタンと本を閉じた時の「はぁ~」
クリスティファンにまた一歩近づいてしまった。
順不同ですが。
Posted by ブクログ
オリエント急行からの今作品。名作に次ぐ名作、脱帽です...
毎回ちゃんと「まさか!」と騙されてしまうが、今回もご多分にもれず。最後のポアロの語りには、現実の時間を完全に忘れさせられ、薄暗いホテルの一室でのポアロの語りに、驚愕と興奮をもって耳を傾ける聴衆になってしまった。
ポアロシリーズの犯人たちのサイコパス具合には毎度毎度度肝を抜かれるが、今作もなかなかのもの。恋愛感情が人を三人も殺させてしまう動機になるなんて。恐ろしい。そこに目を向けてこんな物語をつくってしまうアガサ、やはり恐ろしい。
Posted by ブクログ
ポアロシリーズ⑨
元俳優チャールズのパーティーで、誰からも慕われる老牧師がマティーニを飲んで死んだ。その後、チャールズの友人の医師が、自宅パーティーでポートワインを飲んで死んだ。死の状況は瓜二つ。
犯人はどうやって2人に毒入りの酒を飲ませたのか?
チャールズ、サタースウェイト、エッグは素人探偵として事件を調べ始める。そこに顧問として参加することとなったポアロ。
なかなか進んでいるようで進まない推理。
なかなか掴めそうで掴めない犯人像。
そんな中、チャールズとエッグの恋は深まる。
しかし、ポアロの推理で一気に真相が明らかになると、そういうことか〜!!!と全てが繋がっていく。犯人の動機に唖然。でも、この犯人なら無くはないかと思ってしまう。
ラストのポアロの言葉がいい。とてもポアロらしくて、ニヤけてしまった。
「あなた考えなかったような、もっと恐ろしいことだって起こったかもしれませんよ」
「つまり ────────」
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三幕の殺人
クリスティの長編ミステリー。ポアロシリーズ。再読。
※古い作品の為、重要な要素のネタバレあり。
この作品について、大まかな部分は忘れていたが、改めてクリスティ作品を読んでいるこの機会に必ず手に取ろうと決めていた作品だ。この作品は特殊で、僕自身、過去に評価自体は高くなかったのだが、犯人と動機と「最後の一行」は鮮烈に覚えていた為だ。第一の殺人にて老牧師が殺害されるが、牧師は過去から現在に至るまで誰かに恨まれた事はなく、彼が死んで徳をする人もいない。何か秘密を隠している様な事もない。だからといって全く無差別な殺人では次に同じ方法で殺害された医師との関連が無くなってしまう。クリスティ作品では殺害に必ず意味がある為、この動機こそ最大の魅力なわけであるが、まさかリハーサルとは!!余りの衝撃に当時も興奮した事を覚えている。
また、第三の殺人の動機も特殊であり、被害者が何も知らない事を知られない為に殺害する、一種の口封じだが、残虐極まりない動機だ。一連の流れがリハーサル、本番、エピローグと一連になっている事も、タイトルの三幕に由来していることもかなりの完成度だと関心してしまう。
特に現代ミステリーでは、殺人をすればする程証拠やミスが見つかりやすい為、連続殺人という事自体少ないし、あった場合も動機は「気づかれた結果」である事が多い。しかしクリスティ時代のミステリーでは連続殺人も多く、トリックや動機に思考を凝らしているものが多く、魅力の一つである。
ある意味エッグ嬢には同情するが、クリスティは登場人物を幸せにすれ事が多い。今回の事件ではポアロ以外にも犯人に気付いている登場人物もあり、スリリングに思う。
いくつかおしい点といえば、結局は警察は余す事なく犯人に情報提供していた形になり、非常に残念に映ったしまった部分と、チャールズが捜査している部分の描写に後から読めば恐ろしい様な仕掛けがあれば更にシリアスな展開で面白くなった様に感じた。ポアロが誰に呼ばれてパーティに来ていたかはわからないが、チャールズとしてはできる限り嫌疑はかからない様にしたいはずではと思いつつ、みくびられた可能性は高いが。
そして最後の一言。ポアロの醍醐味が存分に詰まっている。おそらくポアロシリーズでもっとも記憶深いセリフであり、彼の嘆きに賛同せざるを得ない一言だ。
初見の時はもっと低評価だったが、再読したら物凄く面白かった。
Posted by ブクログ
1回目の殺人の動機がどうしてもわからないポアロ。本来の目的である2回目の殺人のためのリハーサルだったから、1回目に死ぬのは誰でもよかったということで、動機もクソもなかったらしい。ポアロが死ぬ可能性もあった。しっかり計画練った上でやってるわけだけど、間抜けなところもあったり、人が集まる場所で平然と殺しの練習しちゃうヤバさもあったりする。若い女の子と結婚したいからっていう動機もヤバい。
Posted by ブクログ
チャールズ、サタースウェイト、エッグの3人の人物メインで、事件の手がかりを探し歩くという、新鮮な展開でした。
ポアロがあまり出てこないので、寂しい気持ちで読んでいました。
今回は犯人の殺害動機が身勝手な上に、巻き込まれた牧師と患者があまりに可哀想でしたが、最後はポアロの推理できっちり締められていたので、すっきりした読後感でした。
Posted by ブクログ
クリスティの作品で犯人が意外で驚かされたのは久しぶりかな(笑)まったく予想してなかった(笑)個人的にはあまり好きな結末では無かったですがまあ満足かな(笑)しかし最初の殺人は・・・。そんな理由で殺されては・・・。
Posted by ブクログ
ポアロが登場するまで約200ページ。日常でも何かしらの役を演じてしまう自己愛の強い俳優と人間観察が趣味の好事家による素人探偵コンビが活躍して新鮮。
【ネタバレあり】
ポアロを悩ませるのが聖人の権化のような牧師が殺された動機。これは良心が痛む凄まじい一撃だ。しかし、それよりどちらかというと2つの殺人の会食に居合わせた者を疑わせるというミスディレクションのためだったという動機の方が良かったのではないか?
よくもまあこんな良作をポンポンかけるなあ
いや今作に関しては「犯人はエッグでチャールズを自分の元に呼び戻すためだ」という確信があった。怪しいモノローグや独り言もあったし。だがクリスティーはそこまで甘くなかった。
Posted by ブクログ
恋愛とミステリーのミックス。
役者がパーティーで別人を演じきるのというのは、前作でも見た。
今作はキャラクター作りが素晴らしい。
特にサタースウェイトと犯人の関係性。
Posted by ブクログ
クリスティーは、一体どれだけ「予想外の犯人」を生み出すのでしょうか?
私はほとんど推理せずに読み進めるタイプなのですが、それにしても犯人に気を許しまくっていて、むしろ鼻につく○○○の方を疑っていました(^^;
今作には目次がなく、「おっ、これは第三幕で犯人を指摘するけど、真犯人はその後のエピローグでポアロさんがこっそり暴くやつだな!」なんて予想もしていましたが、そこは三幕できっちりと緞帳が下りましたね。なにも当たらない……。
目次の代わりの「〈照明〉エルキュール・ポアロ」がなんともニクいですね。
まー、しかし、「通し稽古」で実際に毒物を使うなんて……恐ろしい奴です。
素人探偵たちに少々中だるみも感じましたが、プロットとしてはなんの破綻もない。改めて、クリスティー作品のクオリティの高さに感心いたしました〜。
Posted by ブクログ
助演・名探偵ポアロ。
パーティーでカクテルを飲んだバビントン牧師が死亡。また別の場所でそのパーティーにもいた医師バーソロミュー・ストレンジがワインを飲んで死んだ。パーティーを開いた元俳優チャールズ・カートライトは、友人である医師の死と牧師の死を結びつけ連続殺人だと捜査を始める。仲間は美術・演劇のパトロンでありチャールズの友人であるサタースウェイト、そしてチャールズと接近中の若い娘エッグことハーマイオニー・リットン・ゴア嬢。3人の探偵劇に、ポアロがアドバイスする。この推理劇の結末はいかに。
あくまで主役を食わないように注意しても名探偵ポアロが場を攫ってしまうのは自明のこと。3人が足で稼いだ手がかりを聞いたポアロは、動機を推理し、狙われた者に忠告し、証拠の破壊を防ぎ、犯人を突き止める。
別の物語に出ていたサタースウェイト氏が再び登場。今回も観察力、語りは健在で、読者は多くをサタースウェイト氏の口を通して見聞きすることになる。ポアロはヒントを出したからサタースウェイト氏にも真相にたどり着く可能性はあったと言うが、彼はそのポジションの人ではないだろう。しかし実に有能なワトソンとも言える。
特定の人を狙うことが不可能で、動機も考えられない第一の殺人。第一の殺人で何かに気付いたはずの人が殺される第二の殺人。同じく口封じと考えられる第三の殺人。それぞれの動機が明らかにされると、どの殺人もなるほどと言える。現実にはあまり起こり得ないと思うが、真相が明らかにされた時のスッキリ感は素晴らしい。
クリスティー作品にもはや不可欠と言ってもいい「おきゃんなお嬢さん」エッグの活躍が心地よい。それもあって犯人はあらら…という感じだったが、犯人ぽく描写されて実は問題なかった若き友人が彼女のパートナーに相応しいのだろう。トミーとタペンスのように尻にひかれそうな未来も見えるけど。