あらすじ
「抑止力」という考えはもうやめよう――。
イスラエル空軍で兵役を務めた著者が、イスラエルとアラブ諸国、パレスチナとの間で長く続けられてきた戦争を見つめていくうちに、「国のために死ぬのはすばらしい」と説く愛国教育の洗脳から覚め、やがて武力による平和実現を根底から疑うようになる、その思考の足跡を辿る。武力放棄を謳う憲法九条の価値を誰よりも評価するのは、平和ボケとは程遠い、リアルな戦争が絶えない国から来た外国人アクティビストなのである。母国のさまざまな矛盾点を指摘しつつ、軍備増強の道を進む日本の在り方にも異議を唱える一冊。
望月衣塑子氏(東京新聞記者)、推薦!
◆目次◆
第1章 罪深い教育
第2章 軍隊を疑う
第3章 虐殺された民族が虐殺する
第4章 「全ての暴力に反対します」
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Posted by ブクログ
国連憲章を無視したイスラエル、アメリカによるイランへの先制攻撃/核施設への攻撃に厳しく抗議する。どの国の核武装にも私は反対するが、核施設への攻撃は核物質による深刻な環境破壊を引き起こす。アメリカとイスラエルがイランの核兵器保持に反対するならば、自国も率先して核兵器を廃絶すべきである。
最大の核保有国、最初に核兵器を使った国が自分の事を棚にあげて先制攻撃を行う事は幼児の我がままと同じであり、これは自滅への道であるばかりか全世界に対する犯罪であり、人類滅亡に直結する。世界最初の戦争被爆国の政府がアメリカに追従するのは言語道断であり、世界から軽蔑されるだろう。
本書にルビは無いが平易な言葉で分かりやすく、歴史の真実を著者の実体験をベースに書いているので、是非小中学生にもお勧めしたい。
何と言ってもイスラエルと言う国は戦前戦中、そして今の日本とよく似ている事か。
日本が中国を侵略し、満州国を建国し、満蒙開団・・・ソックリである。
「罪深い教育」戦後の日本では1953年の池田・ロバートソン会談を拠り所にそれが行われている。
そして「ゼロ戦はやと」「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」「超時空要塞マクロス」・・・・最近では「鬼滅の刃」と近未来の有権者から暴力とその最たる物である戦争への批判力を奪うための、学校教育からサブカルチャー、玩具に至るまでを利用した、策動は、巧妙かつ執拗に続けられている。
これは日本を使い捨ての砲台として次の戦争に利用しようとするアメリカと日本の戦争推進勢力の仕業である。
本書は殆ど共感できる内容だが、あと少し足りないと思うのが、このアメリカの問題。
私には日本もイスラエルもアメリカの世界支配戦略の道具に過ぎない様に見える。
イスラエルはアメリカの中東支店、日本は東アジア支店。
世界人口1%未満の超富裕層に主導された世界支配戦略=戦争推進を終わらせないとイスラエル人もパレスチナ人も日本人もアメリカ人も・・・平和と自由を得られない。
繰り返しますが、本書は是非若い世代にこそ読んで欲しい。