【感想・ネタバレ】成果を出す企業に変わる 組織能力開発のレビュー

あらすじ

継続的に成長し続ける組織をつくる!

元マッキンゼーの敏腕コンサルタントが徹底解説。
人材戦略と事業戦略を連動させ、
組織のポテンシャルを最大限に引き出す「組織能力開発」とは
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いつの時代においても組織のポテンシャルを最大限に引き出すことが経営の要です。

戦後、日本企業は長期雇用を通じて労働力を確保し、組織全体の力を高めることで、
日本経済に大きな成長をもたらしました。しかし、人口減少やデジタル化といった
時代の変化につれて、かつて良しとされていた「終身雇用」や「年功序列」などに
代表される日本的経営は行き詰まりを見せるようになりました。

こうした状況を受けて経済産業省は2022年5月に、
「人的資本経営の実現に向けた検討会報告書~人材版伊藤レポート 2.0~」を公表しました。
時代の変化に対応するためには人材を資本ととらえ、その価値を最大限に引き出す
「人的資本経営」が重要だと述べられています。
そして、この人的資本経営を実現するうえで、最も重要な視点として同レポートで
指摘されたのが経営戦略と人材戦略の連動でした。

しかし、この二つを連動させるのは簡単なことではなく、組織の価値を最大化
させるための具体的な施策が多くの企業で不足していると著者は考えています。

著者は米国MITスローン経営大学院で経営学を学び、
その後マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社して、
主に通信・ソフトウェア業界における情報システム構築のコンサルティングに従事しました。
そして1997年には自らコンサルティング会社を設立し、企業がもつポテンシャルを
最大限に引き出す「組織能力開発」のサービスを提供してきました。
組織能力開発は組織のもつ能力を的確に把握し、組織全体を同じベクトルに向けて
自走させることができる仕組みです。
著者は実際にこのサービスを提供することで多くの大手企業を支援してきました。

本書では企業の経営層、事業部長、人事部長などへ向けて、
事例を交えながら組織能力開発の重要性とそのノウハウを分かりやすく伝えます。
戦略を立案し実行するもののなかなか前に進まないという状況を打破し、
大手企業の組織変革を成し遂げるヒントとなる一冊です。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

VP(提供価値)は最上級で表現する
VP(提供価値)を考えるときのポイントがあります。それは提供価値が差異化されていて、顧客にとって本当に価値あるものなのかを検証するために、顧客の立場で文章化してみることです。
「顧客は他社ではなく我々の会社を選びます。なぜならば、我々の会社は〜〜という点でとても優れており、我々の会社を選ぶことがベストだからです」
このように文章化したとき、差異化されている提供価値であれば、この「~~」の部分は、「最も~~である」と最上級で書けるはずです。例えば「最もコストが低い」といった具合です。もし、最上級で書けないのであれば、それは他社並みに過ぎないということであり、差異化された戦略とは呼べません。
こうした自社の提供価値の言語化によって自分たちが追求しているものが本当に差異化されているのかチェックすることができるのです。
私がこれまでこのような形で文章化を支援した際に、事業本部長、副本部長といった事業をリードする幹部の人たちの間でも、意識にズレが見られることが多々ありました。
本部長の「これから我々が相手にする顧客はこうで、提供価値はこうだ」という言葉に対し、ほかのメンバーが「それでは今までとあまり変わらないのでは」とか「自分はむしろこのように考えていたんですが・··・・・・」と異論を唱える場面を何度も見てきたのです。
まず、時代分析の結果をしっかりと考えたうえで、場の雰囲気に流されるのではなく、意識をしっかりとすり合わせることが重要です。ここでベクトルの向きがずれていると、戦略が具体化できずにぼんやりとしたものになってしまうのです。
X航空というヨーロッパのLCCの例ですが、彼らのターゲット顧客は欧州を飛行機で移動する人たちであり、最低価格の運賃であれば、利便性やサービスを犠牲にしてもよいと考える人たちです。こうした条件で提供価値を記述するときも、企業ではなく顧客の目線で記載します。

分析することで自社の強みと弱みを知る
戦略を立てるためには、自社の現在の組織能力を把握しておく必要があります。アポロ計画も、アメリカに「10年以内に人類を月に送る」技術のポテンシャルがあったからこそビジョンが有効に働いたのです。当時の日本が同じビジョンを描いても壮大過ぎて機能しなかったに違いありません。

では今現在、日本が「10年以内に人類を月に送る」というビジョンを立てた場合、これが壮大過ぎるビジョンなのかそうではないのかを判断するためには、現在の日本の字宙開発に関する組織能力を分析して把握する必要があります。
分析を通じて現状の組織能力を把握し、ビジョンや戦略とのギャップを理解するうえで「デニソン組織文化診断」(Denison Organizational Culture Survey)というツールは有効です。今では、フォーチュン 500をはじめとするグローバル企業で、数多くの導入実績がある診断となっており、日系の大手メーカーなどでも導入実績があります。
この診断の特徴は、投じた費用に対して、どれだけの利益を上げられたかを示す指標であるROI(Return On Investment)、利益を総資産で除した総合的な収益性の財務指標であるROA (Return On Asset)、さらには利益成長率、顧客満足度、従業員エンゲージメントといった組織の代表的なパフォーマンス指標と、組織文化の相関性の研究に基づいた分析ツールであることです。これらの指標を高めようと考えたときに、何に着目すればいいのかが論理的に導けるので非常に施策を考えやすくなります。

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2026年04月26日

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