あらすじ
経営の世界には、常に変化の波が押し寄せています。AI(人工知能)の活用も、その1つ。AIを積極的に取り入れ活用する企業こそが、新しいビジネス機会、そして新しい未来を手中にできる――。本書ではこうした立場から、生成AI「ChatGPT」の活用を軸に、次のテーマを物語仕立てで考えていきます。
・経営者は、経営にAIをどう活用したら良いのか。
・組織には、AIによってどんな変革や希望がもたらされるのか。
・中堅管理職は、上司と部下の関係をAIを使ってどう築くのか。
・若きビジネスリーダーは、経営者にAIの活用をどう提言すれば良いのか。
実際、生成AIの活用は「時間の節約」「予算と人の削減」に直結します。これにより、限られたリソースの最適配分が可能になり、社員の多様性を尊重しながら可能性を最大限に引き出し、ワクワク・イキイキと働きがいのある組織を築くことができます。
本書では、経営者や管理職をはじめ「組織を良くしたい」と思うビジネスマン向けに、組織開発・人材能力開発の専門家が生成AIの活用の仕方を惜しげなく伝授します。今すぐ役立つプロンプトも満載。仕事を変えるAI活用のヒントをつかんでください。
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Posted by ブクログ
・感想
本書には意欲的なアプローチがあり、AI の導入・活用を組織運営の中心に据えようという試みや発想には魅力を感じました。「物語形式で読みやすく」「具体的なプロンプト例・出力例を載せている」という点は、AI に詳しくない人にとっても入り口が優しい設計になっているとも思います。 
ただし、★3評価とした理由は以下のような点が気になったためです:
•薄さ/浅さ:物語形式ゆえに各テーマ(OKR、1on1、評価制度、プロジェクト管理など)に割ける深さが限定的で、実務レベルでの課題(文化抵抗、現場の反発、導入コストなど)を深く扱い切れていない印象がありました。
•理想寄りの記述:ChatGPT や AI をうまく使えばこうなる、という構想部分が先行しており、実際の “泥臭い”運用課題——たとえばプロンプト設計の手戻り、誤出力・バイアス問題、社員のスキル格差、定着化の困難性など——の扱いがやや軽いように感じられました。
•汎用性・差別化の不足:OKR、1on1、人材育成といったテーマ自体は既存ビジネス書でも多く語られており、“AI を使うことでどう違うか”の説得力が章によって弱いところがありました。
•読み手の前提による差:AI や ChatGPT の基本知識がある程度ないと、章の進みが速く感じられる部分もありうると感じました。
総じて、「AI × 組織運営」に興味がある人にとっては刺激になるポイントやヒントがたくさんある一冊ですが、実践に落とし込む力強さ・深さを期待すると物足りなさを感じそう、というのが私の印象です。
・Todo
1. ChatGPT × OKR フレームを試験導入する
自チーム(または小規模部門)で、OKR を設定し、それを ChatGPT を使って文章化・案出・進捗レビューの支援を受ける
まずは「OKR草案作成」「中間振り返り質問案」「進捗報告チェックプロンプト」など 3〜5 個のプロンプトを用意して運用してみる
2. 1on1 の準備支援プロンプトを作る
管理職が部下との 1on1 に臨む際、ChatGPT に “質問案出し” や “過去振り返り要約” を支援してもらうテンプレをつくる
たとえば「前回の話題からの振り返り」「現在の課題点確認」「未来に向けた問いかけ」の3ブロック構成でプロンプトを設計してみる
3. AI 活用ガイドライン(社内ルール)を草案化する
ChatGPT 利用における留意点(機密情報扱い、出力精度の過信リスク、誤用防止策など)を “ChatGPT に問いながら” ガイドライン草案を作成する
草案を複数パターン出させて比較、関係者レビューを経て社内ルール化する
4. “自創型 AI 人財育成プログラム” の試案を立てる
若手・中堅社員に対して、ChatGPT を使いこなすスキル(プロンプト設計・対話運用・出力評価)を育てる簡易プログラムを設計
月次課題やケーススタディ形式で ChatGPT を使った演習を入れてみる
5. 導入時の障壁・反対意見リストをあらかじめ作る
AI 導入で起こりうる抵抗・懸念(「信頼できるのか?」「人の仕事を奪うのか?」「出力のバイアス」など)をリストアップして、それぞれへの対応案を ChatGPT と議論しながら対応策をまとめる
このリストを導入前に関係者と共有し、反発リスクを前もって潰しておく