あらすじ
知能格差社会の真実から遺伝的な適性の見つけ方まで
知性、能力、性格、そして運まで――。行動遺伝学が明らかにしたのは、人間社会のあらゆる面を「遺伝の影」が覆っており、それから誰も逃れられないということだった。私たちは、残酷すぎる世界の真実といかに向き合うべきか。理不尽を乗り越え、成功を手にするための方法は存在するのか。ベストセラー作家と、行動遺伝学の第一人者が徹底的に論じる決定版。
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Posted by ブクログ
知性/能力/性格といった個人の特性。
それらは遺伝の影響を大きく受けており、また歳を重ねるたびにその割合は上昇する。
この事実を直視せず、育児や教育あるいは政治や社会の方針を展開しても、意味は無い。
Posted by ブクログ
タイトルの「運は遺伝する」という表現は、あらゆる行動や傾向に遺伝子が影響を及ぼす、という意味で捉えると分かりやすい。
遺伝を過小評価すると、環境ばかりに目が向き、教育現場や本人・教師・保護者が過度に疲弊する。
早期教育は親の影響を受けやすいが、成長につれて遺伝的特徴が強まり、能力の方向性が固まる。意図的な環境操作で結果を変えようとする行為は、不確実性が高く、実質的にはギャンブルに近い。
知能と性格(BIG5:開放性・誠実性・外向性・協調性・神経症傾向)には一定の関連があり、とくに知能と開放性には0.3〜0.4程度の相関がある。
行動遺伝学が示す成功戦略は、努力万能論でも才能決定論でもなく、遺伝×環境の最適化という視点。自分の遺伝的傾向に合う場所と行動の選択がベスト(できる?)。
偽悪芸人・橘玲× 行動遺伝学者・安藤寿廉の対談。前回よりも解像度高く読めた(気がする)。再読。