あらすじ
その会議は、誰だって 1秒だって 眠くならない!!
19年ぶりのカー・オブ・ザ・イヤー獲得をはじめ、このところ停滞気味の自動車産業界にあって頭一つ抜けた出してきた感のある日産自動車。その背後には、ゴーン改革のスタート以来、日産の現場が練り上げ実践し続けてきたさまざまな取り組みがあるが、中でも特筆すべきなのが「日産の会議」だ。
日産の会議は考え抜かれ、合理的・効率的で、工学的に美しい。かつての日産と今の日産の違いは、この会議の在り方に集約されるといってもいい。
「意思決定者が出席しない!」「議事録もつくらない!」などの驚くべき会議手法を、日産自動車V-up推進・改善支援チームの全面協力のもと、日産の会議で使われる「11のツール」や「憲法」と合わせて明らかにする。
つまらない会議、無駄な会議を連日繰り返す日本のサラリーマンや組織人にとって衝撃の書。日本人の会議が明日から変わる!
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Posted by ブクログ
日産のスゴさ 会議というか人の集まりのもの凄さを感じる一冊だった。
4月よりファシリテーションの勉強をしながら、気になって読み出し、最近2回目の読み返し
2回目だからこそ、いろいろと参考に出来るところがいっぱいあるし、マーカーを引く箇所が増えてしまった。
GE の Workoutに通ずるところがたくさんあるが、これを日産的にもっとアレンジしていることもよくわかった。 もっともっと使ってファシリテータとしてのスキルを磨かねば!
Posted by ブクログ
会社の業績が悪くなると会議が増える、ということで会議と会社の生産性の関係を再確認し、より効率的に運営している事例を知るために読んだ。
「日産の会議」を知るためには背景情報が必要なのはわかるが、肝心の会議のノウハウに関する部分は期待よりも少なかったのではないかと思う。
6σのDMAICをプロジェクト期間に適用させるのではなく、1回の会議に適用させるという点は、慧眼だった。ただ、「日産の会議」が使える会議は、半日から一日がかりの物に限られるな、と思った。
(よくやっている1時間会議では、このやり方は逆に非効率になるかと)
全般的には、一般的なビジネス書の内容を、会議運営の視点から解説したもの、という印象をうけた。
===印象に残った部分===
・「社員の一人ひとりは、部門の中で最善を尽くして仕事をしているつもりになっていた。しかし、会社全体では最適にはなっていなかった」
・「この議題は次回へ持ち越し」となった瞬間、会議運営に対する不信感が生まれる
・会議の課題と目標を予め明文化し、会議の参加者に事前に伝えておく。参加者に送られてくるのは「課題定義書」と呼ばれる表。
・「集中討議進行表」、「ペイオフマトリクス」
・案を評価する時、一番大事なことは、お客さんは何を望んでいるかという視点をみんなで持つこと
・役職が上位の者ほど、大いに語る。その語りは、しばしば課題の範囲外に及ぶ。上役であるほど会議のルールを破る。咎められない、知識・経験があるため。
・Work Out:不要な仕事を取り除く
・クロスファンクショナルな会議にすれば、部門間での衝突は覚悟しなければならない。逆に衝突の起きないCF会議は行う意味が無い。
・U字管現象:部門間で対立し合い、部下同士でコミュニケーションを撮り合う状況。
・議事録づくりは「目的」ではなく「手段」。「議事録をつくる」のではなく、「議事録で会議の内容を振り返る、整理する、共有化する」
・プロセスを視覚化して問題を顕在させる。
・お客様は不安や不満が起きて「なんだよ」と思っている時、それが解消されると喜びに変わる
・企業改革のために必要な問題点の洗い出しをしては見たものの、出てきたものの多くは”他責”と取れる批判だった。
・間接部門の人間は、組織の改善の必要性を感じながらも、人に指図されることが嫌い。教条主義的なものも嫌い。やらなければいけないときは、演技に走ろうとする。自分たちは開演に取り組んでいますよという振る舞いをし始める。
・パーチェスファネル:認知→理解→好意→購入意向→購入→再購入
・CFTが方向を決め、V-upで推進力を与える。
・PMO:目標達成させるツール浸透・展開する組織
・組織構造が業績と結びつくのは、競合他社より意思決定が有効かつ迅速にくだされ、実行に移される場合だけである
・チャレンジングな目標への取り組みを永続していくには、現場の社員が疲弊せず、持続可能にチャレンジしていくためのしくみが必要。
・自ら変革を遂げながら成長していく企業は、問題を意識的に生み出していくものである。
Posted by ブクログ
○カルロスゴーンの改革の2本柱
①クロスファンクショナルチームの作成
②「日産の会議」の作成
○課題定義書の作成
①目標②前提条件③期限④役割を明らかにする。
○3つのツールで思考を視覚化
①系統図→問題をツリー構造で「なぜ」「なぜ」と要因を洗い出す
②親和図→解決方法をブレストし、グルーピングし解決策をまとめる
③ペイオフマトリクス→解決策を「効果」「実現性」という軸でトップゾーン、セカンドゾーン、サードゾーンにわける
○意思決定者は会議に参加しない
意思決定者の役割は①課題の表明②課題に対する質問の回答③方策の採用判断④会議参加者に対するねぎらいのみ。
会議の最初と最後に参加するのみでよい。
また、参加しないことで圧力がなくなり議論の幅を広げる。
○参加者の4つの役割
①リーダー→課題達成責任者。課題をとりあげた意義、課題の範囲を定義し、メンバーに説明し、モチベーションをあげる
②パイロット→課題解決の執行責任者。会議の準備、方策の実行と進捗管理をしながらPDCAをまわす
③ファシリテーター→司会進行しながら、会議者から意見やアイデアを引き出す。★ファシリテーターの能力が能力が会議の成果に大きく作用する。
④クルー→知識、経験からさまざまなアイデアをだしパイロッターとともに課題解決を実行する
○議事録をつくらない
議事録の役割は①会議の内容を振り返る②会議の内容を整理する③会議の内容を共有することのみ
ポストイットと模造紙を使い3つのツールで議論を視覚化しその写真をとりメールで送ることで達成できる
発言者の名前は記述しない。発言の責任はリーダーにある。
○プロセスマップの作成
担当部署と担当業務を軸にプロセスを視覚化する
○7つのグランドルール
①予定外の議題を持ち出さない
②ポジションパワーを使わない
③積極的に「聴く」「話す」「行動する」
④時間厳守
⑤いかに~するかという建設的表現を活用する
⑥携帯電話はマナーモード
⑦だれがなにをいったかは口外しない
○目的に応じた2つの種類の会議
①DECIDE→会議を数回にわけじっくり問題を解決する。キーパーソンを集めて会議する。
②V-FAST→その日にはじまりその日に結論をだす
○どのように浸透したか
①日産の危機的状況
②各拠点にPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)を設置
③継続的な研修
④各拠点のトップの強い意思
⑤小さいな成功体験を積み上げていく
○トップの意思決定
①質②スピード③労力により意思決定の有効性を評価したところ
意思決定の有効性と財務には相関関係がある
組織構造と業績には相関関係はない
日産の会議によって問題や課題をひとつひとつに対して解決策となる意思決定をていねいに実行していく
○日産ウェイ
★5つの心構え
①異なる意見・考えを受け入れる多様性
②すべてをあいまいにせずわかりやすく共有化
③学ぶことに情熱を
④最小資源で最大の効果を
⑤自己満足ではなく常にベンチマークする
★5つの行動
①やる気をひきだす
②自ら達成責任を追いポテンシャルを発揮する
③結果をだすことに全力を注ぐ
④成果・プロセスを測定する
⑤挑戦する