ユーザーレビュー 日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ 漆原次郎 本書は、カルロス・ゴーンが日産CEOに就任した時に導入されたV-upと呼ばれる意思決定法則(簡単に言えば、会議のススメ方)の紹介。 日産は、先の東日本大震災で、驚異的なスピードで生産能力を回復したが、その時にどのように意思決定がされていったかのドキュメンタリーでもある。 開発の現場でも、生産の現...続きを読む場でも、世の中で様々に標榜されているメソドロジーを導入して成功したという事例は少ない。 例えば、郵政がトヨタ式改善方式を導入しようとして様々なコンサルタントを雇い、郵便の仕分けをしている作業者の後ろで、コンサルタントがストップウォッチを持って動作を秒単位に分析し、無駄を削除しようとしたけど、そもそも作業内容があまりにも非定型過ぎてうまくいかなかったという話もある。 日産が、日産リバイバルプランを推し進めるメソッドとして使ったV-Upは、以下の点で成功したようだ。 (1)外部からの輸入ではなく、日産社員独自の案である事 (2)現場レベルの部分最適のカイゼンの積み上げではなく、全社の様々な部門を横断した、多様性のあるメンバーにより、全社レベル、ひいいては環境最適レベルの意思決定が出来る事。 (3)ゴーン自身が、「V-Upは「目的」ではなく「ツール」と言っているように、「メソッド」というよりも「考え方(カルチャー)」のレベルの汎用性のある手法である事。 文末の説明がとても興味深い。 「背景の似たもの同士が似たような意見に染め上げていくのではなく、背景の異なる者が集まり、異なるカラーの意見を混ぜ合っていく事が重要」 「グローバル化は、このような人種文化価値観の多様性(Diversity)によって、力を持ち、変化に強い企業文化の基礎になる。」 「多様性の中で必要なものは「全員が共有できるもの」」 ひとつは言語としての「共通語」=「英語」 もう一つは、価値観としての(V-UP) 異なる人種同士が英語により共有の言語で議論を行い、 共通の企業価値観としてのV-UPにより、評価検討を行う。 ※ローマ帝国の植民地化政策の一つに、土俗宗教とローマ神話を結びつけることで、文化的な共通認識を創りだしていった話と似ているかもしれない。 会社員でもフリーでも主婦でも学生でも、 意思決定と無縁でいる人はいないし、どの人が読んでも、すごく刺激的で面白いと思う。 Posted by ブクログ 日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ 漆原次郎 「会議の生産性を上げたい」とつねづね思っていたのですが、そんな中で出会った1冊です。 すぐに実践できるものもありそうなので、少しずつ、普段の会議に取り入れて行きたいと思っています。 ただ、会議の改善には、長期的な取り組みが必要ですね。 とりあえず、できることから、できる範囲から、働きかけて...続きを読むいきたいと思います。 Posted by ブクログ 日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ 漆原次郎 カルロス・ゴーンがCEOに就任してから、倒産寸前から復活する原動力となった「会議体」の方法論と具体例が記載されている。 優秀な人が模索するトップ的な会議体と全社員参加のボトムアップ的な会議体の2つがうまく噛み合って、素早い意思決定と、成果が出たのだろう。 ボトムアップの所が成功するキーとなる気がする...続きを読む。一度会社がつぶれかけないと、みんな真剣にならないだろうな(笑) Posted by ブクログ 日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ 漆原次郎 日産のカルロスゴーン氏の存在もすごいと思うが組織としての機能改善が今の日産再生を実現したのだろう。会議という切り口から思考とりわけ意思決定プロセスをいかに構造的修正を加えていったか。なかでもコアとなる人材育成に力を注いだ点がとりわけ企業文化を形成していったのだろう。粘り強さを強烈に感じる日産にエール...続きを読むを送りたい。ただ私個人の経験として、数年前に数回日産の販売店に訪れたことがあるが、誰も対応しに来なかったため5分ほどで販売店を出たことがある。時間帯にもよるのだろうが、必ずしも書籍のような素晴らしい販売店モデルケースをすべての場面に当てはめて考えてはならない。 Posted by ブクログ 日産 驚異の会議 改革の10年が生み落としたノウハウ 漆原次郎 日産のスゴさ 会議というか人の集まりのもの凄さを感じる一冊だった。 4月よりファシリテーションの勉強をしながら、気になって読み出し、最近2回目の読み返し 2回目だからこそ、いろいろと参考に出来るところがいっぱいあるし、マーカーを引く箇所が増えてしまった。 GE の Workoutに通ずるところ...続きを読むがたくさんあるが、これを日産的にもっとアレンジしていることもよくわかった。 もっともっと使ってファシリテータとしてのスキルを磨かねば! Posted by ブクログ 漆原次郎のレビューをもっと見る