あらすじ
大好評の<仲田シリーズ>第4弾!
最高にエモーショナルな社会派本格ミステリ
「警察官になったのは、あの子の自殺に責任を感じてるから?」
未成年による事件を次々と解決に導く敏腕女性捜査員の心には
かつて、唯一救うことのできなかった少女が深い影を落としていた――
仲田の知られざる過去に迫る
大好評 <仲田シリーズ>第4弾連作集
【あらすじ】
神奈川県警生活安全課の仲田蛍(なかた・ほたる)は、
中学時代の同級生・来栖楓(くるす・かえで)と思いがけず再会する。
来栖は当時、桐山蛍子(きりやま・けいこ)という同級生をいじめており、
仲田は蛍子を楓から守ろうと手を尽くしていた。
しかし、いじめを終わらせることはできず、かえって桐山を傷つけてしまい、
最後は自殺してしまったのだった。
事の次第を聞いた捜査一課の真壁は、
自死の背後に仲田も知らない真相があるのではと感じて調べ始めると、
意外な事実が浮かび上がり――(表題作)。
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Posted by ブクログ
真壁·仲田シリーズ、第4弾!!
前作は真壁さんと仲田さんの絡みが少なく寂しかったけど 今回は最終章に しっかり2人出てきて堪能出来ました。
「来栖が言ったとおり、大人の世界にもいじめがある。子どもの世界と同じように、いじめている人も、いじめられている人も、かかわらないようにしている人もいる。なのに、子どもに『いじめられている人を助けてあげなさい』なんて言うのは無責任だ。見て見ぬふりをする子がいたとしても、俺は責められない。でも君はたった一人で、それまでろくに話したこともないクラスメートを守ろうとした」
ここを読んだ時 うるっときました。
自分が中学時代にいじめにあってて でも仲田さんみたいに声をかけてくれた人がいたから 救われた。
その時の事を思い出しました。
いつの時代になってもなくならない。
むしろ増えているような気もする いじめ。
仲田みたいにいられたら…と思うけど、やっぱりそれはとても難しい事だと思う……。
Posted by ブクログ
今回は仲田の過去が表題作。
中学生の頃いじめられっ子と友達になった仲田だったが、イギリスへ転校した事により自殺してしまい…
いじめてる方は悪気がないのが本当にタチが悪い。
『いじめは当事者だけではない、周りにいる人たちも被害者』と言う、仲田の言葉が重かったです。次のターゲットにならない様に同調しなくてはならないってのが言葉の通りで。
タイトル回収の言葉が切なかったです。
Posted by ブクログ
【収録作品】十七歳の目撃/初恋の彼は、あの日あのとき/言の葉/生活安全課における仲田先輩の日常/少女が最後に見た蛍
神奈川県警生活安全課の仲田蛍シリーズ。いじめと虐待がテーマ。
仲田に救われる人は多いだろうが、彼女自身が置かれている環境はひどいものだ。後輩の聖澤に頑張ってもらいたい。そして、真壁、国枝のような理解者が増えていくといい。
大人もいじめをしているわけで、見て見ぬふりをしているのもいっしょ。そんな人たちに子どもの問題が解決できるわけがない。
最終話の彼女は、いやな感じ。お金はありそうだし、嗜虐趣味があるし、うまいこと罪を逃れて逆恨みしてきそうだ。今後、そっちの話にならないことを願う。
Posted by ブクログ
※
子どもが関係する事件を『想像』という
独自の視点で推理し解決に導く捜査官
仲田蛍シリーズ第4段。
・十七歳の目撃
・初恋の彼は、あの日あのとき
・言の葉
・生活安全課における仲田先輩の日常
・少女が最後に見た蛍
蛍がなぜ、そんなにも自分の身を削って
子どもに関係する事件に心血を注ぐのか、
その一部が明らかになる物語たち。
どんな事件に対峙しても子どもに対して
常に温かく穏やかに微笑む蛍。
その胸に常に浮かぶ光景は、大切な人との
後悔に満ちた時間。
強さと弱さ、複雑な思いが無いまぜになって
今を真っ直ぐ精一杯生きる蛍が眩しい。
・少年法から、特定少年と少年の違いを
テーマにした事件への考察と目撃者であり
当事者の葛藤。
・愛なのか毒なのか、教育虐待という
親と子の歪んだ関係。
・生育環境やSNSから受ける影響力から、
言葉の力の強さと恐ろしさ。
・口に出せない悩みの発露からのSOS行動。
・いじめ問題は、学校を縮図にした
大人を含めた社会全体の根深いもの。
ーーーーー
子どもは身近な大人の行動をみて
ものの良し悪しや行為の善悪を知り、
身につけて成長していくと改めて感じ、
自身の行動を省みる気持ちになりました。
そして、いじめ行為は被害者だけでなく、
周りの人の心にも何かしらの影を落とす、
波紋のようだと感じました。