【感想・ネタバレ】雪の断章のレビュー

あらすじ

養い先の家で惨い仕打ちを受け家を飛び出した孤児の飛鳥は、青年・祐也に助けられ彼の元で育てられる。育ての親である祐也への愛を、飛鳥はひそかに募らせていく。そしてある日、殺人事件が発生したことから飛鳥と祐也の運命は大きく動き出す――。情感溢れる筆致で少女の想いをみずみずしく描き 、北海道を中心に一大ブームを巻き起こした珠玉の名作。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

とても綺麗な文体で、また植物や雪に対する表現もまるで生きているかと思わせる雰囲気だった。

身寄りのない飛鳥ちゃんを引き取って育てるあげた祐也さん。
独身の男性一人で、育てるのはどんなに大変だっただろう。
でも、投げやりな人生の中で、飛鳥ちゃんの存在はどんどん大きくなっていったらしい。

お互いがお互いを必要としているのに、なかなか向き合えなくて
ハラハラしたけど、やっと向き合えた時はホッとした。

1
2012年11月22日

ネタバレ 購入済み

必然の出逢い…。

養家を飛び出した飛鳥を待っていた『運命の人』祐也さんとの出逢い。お互いに雪が好きだという二人が共に暮らし始めていく内に、互いを大事な存在だと気づいたのに、殺人事件や様々な誤解から、想いはすれ違っていって…。「雪の恋はどのような模様を織ってゆくのだろう」そう思いつつ読んだ。何があろうと自分の本心に嘘はつけない。心のままに生きる事こそが幸福への糸口。二人が結ばれるのは必然だった。失ってしまったものもあったが、心から祈りたい。飛鳥と祐也さんの二人に、幸多からん事をー。

#胸キュン #切ない #感動する

0
2024年11月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

孤児四部作(『雪の断章』『忘れな草』『花嫁人形』『風花の里』)の一作目。
――――
『ビブリア古書堂の事件手帖2-1 扉子と不思議な客人たち』で本書を知った。
登場人物の志田の好きな本が『雪の断章』。
志田は、「面白いって感じるのは同じでも、自分一人で読んでいたい本と、他人に薦めたくなる本の二種類があると思うんだよな。」と言って、『雪の断章』を古書店で見かける度に買って、まだ読んでない人にプレゼントしている。
――――

孤児が、引き取られた家でこき使われるも、運命的な出会いがあり——と、最初は読みながら少女漫画みたいだなと思った。

初出版が1975年で、使われてる言葉や登場人物の言動に時代を感じた。

裕也にも史郎にも飛鳥にも「なんでよ」といっぱい思うところがあった。
飛鳥が裕也至上主義になってしまうのは、その境遇から仕方のないことだけど、裕也は、保護者というならば、ゆくゆくは手を放し外の世界を見せてやるべき。
でも、それは中退して史郎と結婚することじゃないよ。
言う事聞くかは別として、「短大は卒業しなさい」と言ってあげなくちゃ。

飛鳥から言え、は言わせてるのと同じこと。選ばせてない。
せめて、一度離れてもなお――とかならなぁ。
けど、正しいかどうかではないんだろう。

史郎は、途中で薄々わかってしまうので、飛鳥にとって良い理解者であればあるほど心が痛んだ。


『森は生きている』は好きな物語だ。

0
2025年09月07日

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