【感想・ネタバレ】雷電本紀のレビュー

あらすじ

史上最強の相撲人・雷電を描いた傑作歴史巨編!

異常気象、凶作、飢餓、疫病の蔓延と、厄災ばかりがうち続いた江戸天明期、後世まで語り継がれる一人の力士が彗星のごとく現れた。巨人のような体躯と野獣のような闘志で豪快に相手を投げ倒していくこの男に、抑圧され続けてきた民衆は未来への希望の光を見た。実在の伝説的相撲取り「雷電」の一生を、緻密な時代考証を踏まえドラマチックに描いて、飯嶋和一の名を世に知らしめた大傑作歴史巨編の文庫版を電子化!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

江戸時代に実在した力士・雷電と、商人助五郎を描いた物語。

ときは天明、度重なる飢饉や一揆で苦しむ貧しい庶民を、雷電は相撲を取ることで希望を与えていく。
決しておごらず天性の体格を生かして自己鍛錬を重ねていく雷電だけでなく、彼の良き理解者として支える助五郎の気骨や人情もまた、すがすがしく心洗われる

一番印象に残ったのは、大火事や天災の後に、雷電が赤子たちを抱き上げ厄災祓いをするシーン。
この場面は何度も繰り返し描かれるが、搾取し利権をむさぼる侍達とは対照的に、民衆を励ます存在として己のすべきことをこなす雷電の、民草への優しい視線に心打たれる。

また、この時代の庶民の生活が丹念に描写されており、リアリティ溢れる重厚な奥行きを物語に与えている。

ただ、時間軸が前後しながら描かれていくので、頭の中を整理しながら読み進める必要があり、読みにくいと感じる人が多いかも。

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2011年09月29日

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