あらすじ
漆を使いさまざまなものを作る「漆芸家」を目指す高校3年生の金山海尋。祖父から「使ってくれる人のことを考えて作れ」という課題を出されるが、いまいちピンと来てない様子。そんな時、旅館で働いている深谷紬という女性と出会い、漆芸家として、男子として変化が…!? 伝統工芸に身を捧げる年下男子に芽生えた清らかな想い。がむしゃらにがんばる男の子は拙いかもしれないけれどかっこいい。
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好感の持てる主人公
漆芸師を目指す男子高校生と旅館の仲居さんのお話。ひょんなことから二人が知り合い、彼が彼女にほのかな恋心を抱きます。年上女性への憧れなのかもしれませんが、若者らしい初々しさが心地よい読了感をもたらしました。大きな展開がなくゆっくり進む話のようで、この二人の関係を見守っていきたくなる作品です。
珍しい漆芸家を描いた作品。
漆というと輪島の塗り箸や木曽の工芸品しか思いつかなかったけど、
簪などの女性を彩る工芸品もそうなんですね。
作画が奇麗で、キャラクターも作風に合った優しい感じ。
背景や小物も丁寧に描かれているので、漆芸の魅力が引き立ちますね。
漆芸の描写をもう少し
キャラやストーリーは良いと思います。
特にヒロインの単純に可愛いだけでない艶めかしさがとても魅力的なのは流石です。
ただ漆芸漫画は希少なのでどうしても細かいところに目がつきます
細かい技法や手順の説明が省かれているのは作劇上当然なので構わないのですが
実際に作業してる主人公や父親の手元や筆、机周りの道具などが全く描けていない
のが物語の土台を弱くしているように感じます。
似た工芸分野の漫画のラブコメではもっとしっかり描けている(雛人形や最近だと太鼓職人とか…)
ので取材不足かなと感じます。
図案なんかはちゃんと描けているのに器や簪が全く魅力的に描けていないのも問題です。
喫茶店のコーヒーカップより雑なのはどうかと思います。
主人公が情熱を傾ける漆芸の描写がぼんやりしていると何をどう頑張ったのかが伝わらないと思います。