【感想・ネタバレ】家康の誤算 「神君の仕組み」の創造と崩壊のレビュー

あらすじ

二百六十五年の平和――その体制を徳川家康がつくり上げることができたのは、波瀾万丈の人生と、天下人織田信長・豊臣秀吉の「失敗」より得た学びがあったからだった……。しかし盤石と思われたその体制は、彼の後継者たちによって徐々に崩され、幕末、ついに崩壊する。なぜ、徳川政権は消えてしまったのか? 薩長による明治維新は最後のトドメにすぎない。家康の想定を超えて「誤算」が生じ、徳川政権が滅んでしまったウラ事情をわかりやすく解説! そして、家康が「日本のつくり」に与えた影響とは――。 ●第一章 家康はなぜ、幕藩体制を創ることができたのか ●第二章 江戸時代、誰が「神君の仕組み」を崩したのか ●第三章 幕末、「神君の仕組み」はかくして崩壊した ●第四章 「神君の仕組み」を破壊した人々が創った近代日本とは ●第五章 家康から考える「日本人というもの」

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Posted by ブクログ

ネタバレ

巻末の戦時下における日本人の行動を省みて、歴史学者としてみれば「人間の価値とは、その人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる」決して出世なんかじゃない、戦国時代の英雄は「奪い、独り占め」して成り上がったというくだりに、活躍する著者が言いたいことなんだと思った
家康が江戸幕府で構築した平和持続の仕組みが崩れる様は哀しい・・・慶喜さえいなければ
「徳川家康 弱者の戦略」の続編で通史の様に俯瞰した見方で、個別の事柄は知っていたものの、歴史学者が『コレが痛かった』的な寸評をくれるのが心地よい
家康ドクトリンは多岐にわたり様々な仕組みを構築したが、制度のキモを軽くとらえて台無しにした諸々を列記すれば
①改易制度を肝心な相手に使わず緩和した(家綱)
②文久の改革(阿部正弘、参勤交代・人質制度の緩和)
③城・大船建造の解禁(船は阿部正弘)
④通貨鋳造権(家光の寛永通宝⇨天保通宝でトドメ)
⑤積極的外交の停止(秀忠)
⑥幕政参与の解禁(阿部正弘)
異国船が目立つ頃の幕閣がちゃんとしていれば・・・
本書では、平和な江戸時代の教養が民に影響を与えたことが分かり易く書かれている
家康が造った制度で長い平和を保ったが時代・情勢の変化に伴い想定しなかった問題が出てきて、制度疲労が害悪になる⇨「家康の誤算」は現代にも通じる話だ

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2024年10月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アルベルト・アインシュタイン:人の価値とは、その人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる
正直や勤勉は、家康が作った徳川時代が高めていった日本人の美徳です

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2024年09月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

良い。
知らなかった幕末の事、江戸時代の事がわかった。
家康の築いた事を続けていたら、もっと徳川幕府は続いていただろう。日本にとって良いこととは限らないが。

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2024年03月30日

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