あらすじ
案山子だらけの宵待村で、案山子に毒の矢が射込まれ、別の案山子が消失し、ついに殺人事件が勃発する。現場はいわゆる“雪の密室”の様相を呈していた──。俊英が二度に亙る〈読者への挑戦〉を掲げて謎解きの愉しみを満喫させる、正統的本格推理。合作推理作家の大学生コンビが謎に挑むシリーズ第1弾!
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Posted by ブクログ
この作品をどうやって知ったのか思い出せない。ツイッターで面白いよと言われていたのを見たからというのが可能性が高い。
主人公二人がコンビでミステリー小説家でこの作品の作者名を名乗る古き良き王道っぽさを醸し出していて良かった。
ニアBLもいけるような描写が入るけど、最後まで仲の良い二人という感じ。サービスシーンとしての描写だったのかな。
ミステリー面としては、面白かった。読者への挑戦状の時でも全然わからず、自分で特に考えずに読み進めたので、解き明かされるところはそうなんだーと納得しながら読んだ。理久が検証ということで、可能性を排除してくれたのも楽だった。
最初の殺人は目当ての人物とは違ったので連続殺人をする必要があり、足跡も、直接手にかけたくなくて、道具主体でやらせたもの、というのが良い。そして、一人殺してしまったので後には引けずに本命を殺した。ここら辺の人間心理も良かった。
祟りを隠れ蓑にした復讐って感じ。祟りは無いが。
案山子については、特に案山子の祟りとか、案山子トリックみたいなのは無かった。用意はしてたけど、うまく作用しなかったというか。舞台装置としても脇役。案山子らしい。
トリックは面白かったけど、人間ドラマとしては自分にはちょっと今一つなところ。悪くは無いが、順当すぎる安心感。2時間サスペンスドラマっぽい。王道だったが、王道で良いんだよとまでいかないところ。
でも続編出たら読みたい。
Posted by ブクログ
案山子だらけな宵待村。 友人の家族が経営する旅館に泊まりに来た宇月理久と篠倉真舟。村では一年前に崖から転落死した大学生を弔う意味で立てられた案山子が消失し、他の案山子には毒の矢が打ち込まれるなど奇妙な出来事が起きていた。そして村の酒蔵の息子が何者かに殺害された。現場はいわゆる雪の密室状態だった。合作作家“楠谷佑”の大学生コンビが謎に挑む。
久々に読んでいる途中に「これは面白い」って感じた作品。探偵役が偏りすぎる事もなく良いバランスだったと思う。
Posted by ブクログ
『案山子村の殺人』
タイトルだけで、血塗られた案山子による連続殺人。呪われた村の不気味な村人────
なんて想像していましたが、全然そんなことはなく、読者への挑戦状も掲げた正統派本格ミステリーでした。
大学生で従兄弟同士の宇月理久と篠倉真舟は合作で推理作家をしている。
作品制作のため訪れた宵待村で殺人事件が起こる。
事件に対して二人が論証を組み立て、反証を出し合い、徐々に真実に近づいていく。
閉鎖的な村の人間関係の雰囲気がよくでていて、さらに謎が深まる。
シリーズみたいなので、今後がちょっと楽しみです。
Posted by ブクログ
案山子の村の殺人いい意味で案山子があまり関わっていなかった。印象に残ったのが殺意が手の届くところに来たから抗えず殺人を犯してしまった。いざ現実にできるようになると人間はそっちに流れてしまう。
Posted by ブクログ
雪で外界から閉ざされた村で起こる連続殺人事件という王道ミステリ。
1度目の読者への挑戦のところでやっと犯行のトリックがなんとな〜く見当ついたけど犯人はわからなかった。
名前が出た時点でも動機まではピンと来ず…笑
でもいざ明かされると確かにどこかで前述してたからちゃんと推理してから最期読めば良かったなぁ^^;
タイトルにある割にはそこまで案山子がトリックに大きく関わるわけでもなく、そこまであっ!と驚くような真相ではなかったけど面白かった☺︎
Posted by ブクログ
推理小説の合作者で従兄弟同士の大学生コンビは、同級生の実家が営む秩父の山奥の宵待村にある旅館に取材を兼ねた観光旅行へ。そこで起こる連続殺人事件。雪の中で起こる密室殺人という様相を醸し出す。案山子の存在も趣を添える。探偵と助手の掛け合いも面白いし、2度にわたる読者への挑戦も良い。シリーズ第一弾とあるので、続きが出るのであれば是非読んで見たい。難をいえば若干トリックに無理があるのではと思った。他のミステリ作品でも結構怪しいのがあるのでなんとも言えないが。それと犯人の動機が微妙でした。
Posted by ブクログ
ちょいちょい挟まる既存のミステリへの言及は興味が惹かれる。「雪の足跡」問題の考察は定番どころながらワクワクする。ただ、全体的に長いと感じてしまった。理由を考えてみたけれど、文章量に比して事件が少ない点かなあ。主人公たちの強烈な個性とか、主人公たちのウィットに富んだ会話とか、見落としていた記述にまんまとやられるとか、そういうのがあるとより魅力が増すのではないかと思う。「雪の足跡」トリックは、広義の密室より解決策が少なそうで魅力を感じるので、そこに分類される未読の作品は読んでみたいと思ったのでした。