【感想・ネタバレ】ミカドの肖像のレビュー

あらすじ

20年前に著者が予見した西武・堤義明氏の蹉跌!

第18回大宅壮一ノンフィクション賞受賞作。
昭和末日本を騒然とさせた、あの名著がいま甦る。天皇と日本人、伝統とモダン。近代天皇制に織り込まれた記号を、世界を一周する取材で丹念に読み解いた、渾身の力作。プリンスホテルはなぜ旧皇族の土地を次々と取得し、一大グループをつくり上げることが出来たのか。その謎と西武王国・堤家支配の仕組みも解明。なぜ、いま、コクド(旧・国土計画)による西武鉄道支配が問題になってきたのかが手に取るようにわかる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

帝(天皇)に関するあれこれを取材したドキュメンタリー。
皇居を臨むビルの高さが制限されたことやプリンスホテルの名前の由来から
立地場所の由来、天皇崩御の際のしきたりやらオペレッタ「MIKADO」、
ミカドゲームという海外の遊びから御真影の裏話まで
とにかく情報量も取材量も圧倒的で引き込まれました。
とはいえ800ページを超える大作なので読むのには時間がかかりました。
1980年代に書かれた文章ですが古臭いことも全くありませんでした。

今でこそ皇室のスキャンダルも色々と報じられていますが
昔の宮家も放蕩な人が結構いたり大概だったのだなぁと興味深かったです。

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2024年03月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

3月の東京アウトプット勉強会の課題本。

衝撃の言葉で始まる、この本。バルトの「いかにもこの都市(東京の事)は中心をもっている。
だが、その中心は空虚である」という言葉は本質をついているなと。

海外から見ないとこの現象はわからないと思う。
日本の中心の東京が空虚であり、また日本人の心のなかも空虚である。

日本人にとって天皇とはなんだろうか?
明治時代であれば、天皇は神であるという一種の信仰に持ち上げることで、
日本という国を作っていった。
この場合は国(諸藩の統合をするという意味で)を一つにするために天皇中心であれば都合がいい。
ただ戦争が終わり、今は天皇は国の象徴であるということだが、
果たしてそれがどれほどの効果があるのだろうか?

一部の人には非難を承知で言うが、僕にとって天皇家はかわいそうでならない。
人間という扱いを受けず、絶えずゴシップのネタになっている。
常に周りから見られているし、日本人の模範たれと言われている。
天皇の果たす役割は海外では重要かもしれない。
外遊された時に日本という国の良さを天皇家が伝えるのは非常に効果的でもある。

でもあなたにとって、天皇がどのようであるべきなのか?
少なくとも天皇がいてもいなくても自分の人生が変わらない気がするし、
いたとしても自分たちの心のなかは空っぽなのだ。

この本を読んで、アイデンティティというものを再度考えるきっかけになった。

一方で本の中身はというと、猪瀬東京都知事の本を読むのは初めてで、
彼の取材力、描写力はすごいなと感じた。
日本人が知らなかった、
ミカドという言葉が実は西洋のオペレッタですごく有名であるということ、
西武グループのプリンスホテルの土地買収劇、
明治天皇のご真影が実は書かれた物であったなどという事から通して
得られる一連の日本文化論は面白いと言えば面白い。

日本文化に触れるために、今回初めて着物もきた。
それでも僕はアイデンティティの危機まではいかないけど、
自分とは何ぞやと考える。
これは僕にとっての永遠のテーゼなのかもしれないね。

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2013年03月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者の猪瀬さんの著作を読んでみたいと思ったので読んだ本。自分の読書のレベルよりも語彙や内容が難しくて、読むのに苦労した本。プリンスホテルの土地入手の流れやオペラに「ミカド」という演目があるということをこの本を読んで初めて知った。この本を読んで作家から東京都の副知事になれた理由がわかった。次は猪瀬さんのもっと簡単な内容の本が読んでみたいと思った。

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2018年04月11日

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