あらすじ
毛沢東を崇拝して「革命の小戦士」になろうとしていたかつての中国少年が、今や日本国民の一人として、
中華人民共和国への痛烈な批判と、中国からの脅威に対する強い警戒を発している――。
「日本に来たことが私の最大の幸運」と、共産党による思想教育、文化大革命、天安門事件を経て祖国に幻滅し、日本に帰化した著者の“魂の変遷記録”。
「中国は共産党の“政治的道具”でしかない」と、著者が絶望した中国の内情とは? そして、著者が見惚れ安息の地を求めた日本の美しさとは?
祖国を捨てた男の覚悟と哀しみに触れる。
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色々な話がネット上でも飛び交っている大国、「中国」。
生まれ故郷の中国の国籍を捨て、日本国籍を取得するにいたるまでの著者の体験や心情がうかがえる。
アメリカなど英語圏に脱出(?)する中国人が多い中、なぜ、日本だったのか。
留学先が日本で、自分にそれまで植つけられていたイメージとずいぶん違う事に気がついたのがきっかけだと云うが、それ以前に中国国内での問題や民族性にも理由があるのだろうと感じた。
国籍を捨てるという事が、日本人として生まれてきた自分には到底想像がつかない。
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石平さんについて知りたくて読書。
現在、中国に滞在する日本人として、実に興味深く読ませてもらった。
80年代までは耳にしなかった反日を90年代になると耳にするようになったっと、サラリと書いているが、この部分は重要だと思う。東洋学園大学の朱建栄教授は、インターネットの登場が愛国教育や中国の体制に大きな変化をもたらすと主張していたが、昨年9月の1件で、あまり変化が感じられない状況が浮き彫りとなった。
別のレビュアーも書いていたが、後半の日本礼賛は、少しむず痒く感じてしまう。しかし、これは、日本を引き合いに出すことで著者の祖国への強い思いが反映しているものだと感じる。
日本は、もっと日本らしさを再考し、祖先の知恵や文化を見直していく時期なんだと感じる。
北条時頼と蘭渓道隆の話は中国と日本との長い歴史とつながりという大河を感じさせてもらえるよいエピソード。著者と同郷の蘭渓道隆は鎌倉時代以降に確立していく武士道の形成に大きく関わっていくのが興味深い。
皇室に対する認識は同感。日本で独裁者が生まれないのは、皇室の存在が大きく影響していると思う。
独裁者や独裁体制の恐ろしさを改めて認識した。その意味で、先の日本の政権交代は今後の日本にとっていいことだったと言えるのかもしれない。今後も、3年に1度は早いので、5年、10年に1度は政権交代していくのが、成熟した民主主義であり、実はとても幸せなことなんだと思う。
論語と学生時代に少しかじった曹洞宗をまた勉強したくなる。継承されていく文化は本当に大切な遺産だと思う。
読書時間:約1時間30分
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中国共産党を糾弾し、国家・人間性のあり方ついて語った本。
著者は、中国共産党を見限り既に日本に帰化している北京大卒の評論家 石平さん。小さな頃から毛沢東率いる共産党による文化大革命の影響を精神的に受けており絶対的な信頼を寄せていたが、利権を守るために平気で人を殺すというその黒い内幕を大学時代に知ったとき、大きなショックとともに精神ダメージを受けたと語っている。
石さんはその体験を通して、その根本的な問題が一党独裁体制にあると言い、長年続いているその体制を激しく非難している。
反日感情が中央当局に意図的に植え付けられたものというのは有名な話だが、石さんはこれが共産党への求心力を高めるための施策と断言している。石さんの学生時代に存在しなかった反日感情が突然降って湧いたように今になって高まっているというのは明らかに不自然な現象だ。
孟子、孔子時代に存在した高尚な精神文化は日本に芽吹いたと語り、後半は日本贔屓な文化論を展開している。
実態がよく分かるし、読み応えがあって考えさせられる一冊。
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なぜサッカーの試合とかであれほど反日なのか、今まで分からなかった謎が判明。日本人は一般的にそのような事情を知らないので、読んだほうがいいと思う。
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2007年に日本に帰化した中国人石平さんの本
なぜ中国を見限って日本国籍をとったのかが書かれている
かっては毛沢東の小戦士であった彼は、文化大革命のあとの民主化世代である
しかし天安門事件以来民主化への芽は摘み取られてしまった
共産党独裁を支えるためのに必要な敵として日本があり、徹底した反日教育が行われている
反日教育、拝金主義へと走っている中国から日本へ留学して
出会ったのは日本で根付き花を咲かせている
かって祖父から学んだ古きよき中国の文化であった
中国にかってあった文化は共産党政権下ですべて失われ、今の中国にはない
日本にこそ生き残っているという驚き
京都を歩き、鎌倉を歩き、中国文化が日本にこそ生きていることに感銘を受ける
石平さんにとっての愛日は愛中国なのである
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中国に生まれ共産党政治を信じて育った著者が、自国に絶望し中国を捨て日本に帰化する過程と中国への批判を綴った自伝的エッセイ。
著者が経験してきた中国の圧政、そして留学で触れた日本の美と歴史、その対比でそれぞれの国の歴史と文化を紐解くという視点でも興味深く読める。あらためて日本の儒教文化の歴史や礼の精神を深く学び直したいと思った。
自国を愛してきた人間が、その国に裏切られその国民であることをやめるというのは、どれほどの苦しみなのか平和な日本人として生まれた私には想像もつかない。
思い入れの大きかった分その反動も大きく、誇張されている部分や より反発する表現もあるかもしれないが、当事者として生きた一人である著者の意見を読めるのは大変興味深いことであると思う。
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毛沢東から始まる「共産主義教育」、天安門事件をきっかけに始まった反日教育など、近代中国の変化がわかりやすく書かれています。近年の中国ニュースを見ていると、本書に書かれているように、中国の共産党は本当に世界征服を企んでいるのではないかと恐ろしく感じました。
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共産党一党支配の中国の裏側と、祖国に裏切られた中国人が日本に帰化するまでの軌跡を記した本。
靖国神社参拝問題など、時折中国は日本に攻撃の矛先を向けてくる。 特に先の尖閣諸島問題は明らかに理不尽な内容にも関わらず一方的に日本が悪者にされるという事態を引き起こした。 メディアにおいては中国の事情通によって、此の様な中国による対日感情の理由が説明されてはいたが、今ひとつピンと来ていなかった。 しかし、本書を読んで現在の中国の悪しき部分を実感することができた。
中国という国とその国民は、過去から現在にわたり、中国共産党の私利私欲によって操られているということ。
1960年前後、毛沢東という独裁者により、今の北朝鮮と見紛える位人民は洗脳されていた。 自らの地位を内部反乱者から守るべく仕掛けた「文化大革命」。 これにより1億人以上の国民が政治的迫害を受け、中国国民を混乱の渦にたたき落とした。
その後、鄧小平が政権を握り、平穏が訪れるかと思いきや、民主化を求める学生達を鎮圧するために起きた「天安門事件」。 この事件以降、中国共産党に不満を抱く人間が出来ないよう、外敵として作り上げられたのが日本である。
徹底した反日教育を施し、中国国民の敵意を日本に向けるようにしたのも、共産党支配を守りたいが為である。
中国での一連の歴史を見てみると、あの尖閣諸島問題の中国の反応も十分理解できる。
社会主義の形をとりながら部分的に民主化した中国だが、その中身は北朝鮮と大きく変わらないということが分かり、幻滅してしまった。 (私にも中国人の友人がおり人柄は非常に良い。 中国人が悪いわけではなく、諸悪の根源は中国共産党なのだが)
著者が自分の祖国を好き好んでくれることについて、嬉しく思う反面こんな日本でも良いのだろうか?という申し訳なさが込み上げてくる。 その理由が単に著者の祖国である中国に幻滅したからだと思っていたが、それだけではない。
認識がなかったが、論語等の古きよき中国の文化は、今は共産党によって抹殺されているらしい。 その古代中国の資産である論語、儒教の心などは、形を変えて日本に浸透している事に、著者は心を打たれたとのこと。
中国から伝えられた古き良き文化が日本にはまだ残っているという点については、認識を改めるとともに日本人が日本文化として大切に受け継いでゆく必要性を強く感じた。
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中国共産党がいかにして中国を支配しているか、
本場の中国で失われつつある中国文化が、いかに日本に根付き、日本らしく昇華されているかなどがわかりやすく読める。
著者が日本に来て感じた「礼」の素晴らしさ、日本語における敬語の難しさなどはもっと様々なエピソードを読みたかった。
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2007年に日本国籍を取得した石平さんの自叙伝とも言える本。
偶然にも日本に産まれ、当然のように日々を暮らしているそれだけでも、なんとも僥倖なことであると改めて考えさせられた。
そもそも自身の国を「捨てる」ことは、単に他国が過ごしやすいから移動移住するというものでなく、自身が立脚するアイデンティティすらも破却し、精神的に異常をきたす虞れすらある、並々ならぬものがなければ出来ないことであろう。
それにしてもいかに政治が人々に影響を与え、教育が人々の考えを狭め、一色に染めてしまうこともあり、それが一気に広まり、果ては世代をも超えてしまうこともあることを知らされた。
それは単に共産党の話しだけでなく、日本においてもあることを常日頃意識しなければならない。
また本書では石平さんが、日本文化にも造詣があることが分かり、逆に教えてもらうこともある。
共産党の恐怖は今もなお日本だけでなく、世界を震撼させている今日において、是非中国人こそ、この本を読んで欲しいものである。
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WEDGE Infinityでの著者の論談が興味深かったので読みました。
WEDGE Infinityの論旨から冷静沈着な方と思ってましたが、この本を読んで、実はとても感受性が豊かで情熱的な方との印象を受けました。
私にとって、中国とは古の論語、儒教の世界、という意識があったのですが、
文化大革命によりそれが徹底的に破壊されたことを初めて認識しました。
そのただ中に生きた著者の言葉は重いです。
また、昨今の激しい反日は、天安門以降突然出てきたとのこと。
20数年前とはいえ衝撃的だった記憶の天安門事件。そのキーワードと1党独裁のプロパガンダ。
このからくりとここ十数年の激しい対日変化を適切に把握しておかなければならないことに警鐘を与えてくれます。
最後に、日本は天皇制があったからこそ、古の伝統や文化が政変や動乱の中でも受け継がれてきた、との見解ははっとさせられました。
日本人として当たり前にとらえてきたことだけど、実は日本独自の大事にすべきことである、と思います。
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祖国を捨てる経過の描写が痛ましく、胸を打ちますが、それ以上に、日本の心といいますか、「やさしさ」に触れていく過程に心が打たれます。勉強になりました。
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私は産経新聞を購読していますが、石平氏のコラムは毎回楽しみに拝読しています。
さて、その石平氏の半生を綴ったのが本書。
四川省成都に生まれ、将来は「毛主席の忠実な戦士」になることを心に誓った少年時代を過ごし、北京大学を卒業してエリートへの道を進んでいた著者は、なぜ中国に絶望し、日本国籍を取得するに至ったのか。その過程が記されています。
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天安門事件についてもっと語られていると良かった。中国の政治体制や経済成長に潜む危険性は意識してゆかねばなるまい。それにしても日本を褒め過ぎじゃないかな。読んでいて悪い気はしないけど。大変面白かった。
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テレビでも拝見しますよね。日本人褒めすぎでは?(逆に中国、中国人けししすぎ)と思っていたのだが、この本を読んで中国を捨てた理由がわかりました。石平さんは日本人より日本人っぽいかもしれません。
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中国で生まれ育ち、共産党による思想教育を受け、文化大革命、天安門事件を経て、祖国に幻滅した著者の体験談。前半では、中国共産党の“洗脳教育”と、一党独裁政治の歪みを痛烈に批判し、後半では、現在、日本に帰化した著者の日本に対する感謝の言葉が滔々と述べられている。どちらかと云えば、前半の「元・中国人による中国への強烈な皮肉と冷笑」に重きが置かれた本と云える。
著者が幼少の頃の共産党主導者は毛沢東であった。学校では、中国社会主義国家こそが最も豊かな国であり、中国国民が最も幸せな国民として叩き込まれた。そして、今ではそれを「洗脳教育」だったと語る。共産党が作り上げた欺瞞と虚偽を、子どもたちは純真無垢に信じていく。それはさながら、ひとつの巨大な「新興宗教」だと語る。最も美しい言葉を並べて、この世界中で最も残酷無道な政府を粉飾していたのだ。
外部からの情報が遮断され、共産党に対するいかなる異議異論をも封殺する。口にすれば処刑されるか、強制労働施設へと送られるか。
著者が幼少の頃の話だ。近所で空き缶拾いを生業としている貧しい老婆が、突如、逮捕された。市中を引き摺りまわされ、銃殺刑にされた。「反逆罪」に問われたのだ。老婆がしたことは、なんと云うこともない、毛沢東の顔写真が掲載された新聞紙で大根をくるみ、クシャクシャにしただけのことである。それでも処刑は正当化された。毛沢東こそが正義であり、すべてであったのだ。
中学生になった著者は、毎週の授業で必ず「毛沢東への決意文」を書かされた。己が「毛沢東の・中国共産党の戦士」として生きることを誓う文を書かされたのだ。
北京大学へ進学したのち、著者の心の中で共産党政治に対する疑問が膨らんでいく。幼少の頃に受けさせられた教育を思い出し、虚しさと悔しさが込み上げてきた。ひとつふたつのウソが集まり固まって、「1つの完璧な大ウソ」ができあがり、そのもとで中国という国家ができているのだと。著者、19歳。毛沢東の肖像画を引き裂き、踏みつけ、涙した。この頃の中国は「大躍進」という名の誤った経済失政により、数千万人の餓死者を出してしまった。
著者はやがて、「共産党が国家権力を独占しているからこそ、毛沢東のような独裁者が生まれる。共産党一党独裁体制が諸悪の根源なのだ」と気付く。民主化活動に加わった。著しい経済発展を遂げた日本へ留学し、民主主義を学び始めた。
そして、著者が中国を捨てる決意をさせる日が来てしまう。1989年6月4日。天安門事件である。共産党政府が軍隊と戦車を出動させて、自らの首都を「占領」し、丸腰の学生や市民に夥しい銃弾を浴びせた。体制維持の為には手段を選ばない、その卑劣さと残酷さ。著者の同士の多くも銃弾に倒れた。
そして現在。ときおり日本でも報道される「反日運動」の多くは、中国共産党が自らへ向かう敵愾心を日本へと向けさせるために続けてきた反日教育・煽動活動によるものだ。これにより、現在を生きる中国人の多くを、共産党への盲従的擁護者へと変えていってしまう。すなわち、これは世紀のペテンである。
歪んだナショナリズムが、時の政権や為政者によって煽り立てられた挙句に、国家と国民を戦争や破滅への道へと導いた前例は、歴史を紐解けば、あまりにも多く見られるではないか。中国と云う国家は、ひとつ間違えれば、このような道へと一気に突き進む兆しを呈しているのである。
元・中国人によって書かれた、中国の内情を克明に記した著作として、一定の評価を与えるべき1冊だ。
Posted by ブクログ
2009年初版の本だが、昨今の尖閣諸島問題やらでクローズアプされているのだろうか本屋さんに平積みだった。
1989年6月4日の天安門事件以降に始まった反日教育の裏側がよくわかった。たしかに中国民衆の反日言動が目につくようになったのはたしかにここ数年かも。1990年以降に教育を受けた人たちが成長したここ数年。
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後半の禅の話以降は読んでいませんが(石先生すみません)、
それ以前の部分は、かなり衝撃を受けつつ一気に読んだ。
すべてを鵜呑みにするのが怖いくらい。
これが仮に真実だとすると、
「中国」という、一大民族は、
世界を敵に回すことは間違いないのでは。
とりあえず話半分で、冷静に読んだつもり。
これからの中国の動向が非常に気になります。
そして、日本人より「日本」を愛している石先生。
日本人を名乗っていながら、知らないことだらけで、
とても恥ずかしくなりました。
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数週間前の「そこまで言って委員会」で初めて知った人。
日本に帰化する中国人は「中国籍より日本籍の方が便利だから」とか平気でいっちゃう人も多いけれど、この人は信じてもいいかな?
敬語のポイントをマスターしたところで思った。
もう少し彼の本を読んでみたいと思う。
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中華人民共和国との対比で仕方ないのかもしれないが、日本を礼賛し過ぎていて気恥しくなった。多少誤解や曲解もあると感じたが、著者が日本に帰化するまでに至った経緯と心境は理解できる。
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よく名前を見かけるし、たまたま同じ本棚から借りる本があったので、手に取った。
共産党主義ほどこかに敵を作らなければ運営が難しいことを丁寧に述べている部分は、教科書に載っていても良いと思うくらいだ。(もちろん載せたら大変なことになると思うが)
某巨大掲示板に、著者は二重スパイだとか云々書かれていた。なぜここまでしておきながら、中国に入国できるのかというのがポイントらしい。
たしかに…。日本人になったから入国できるのだろうか?わからない。
濡れ衣であれば、こんなに日本を愛している作者が不憫である。
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胡耀邦総書記の発案で、三千名の日本青年が中国に招かれたのは1984年のことだった。私も10日間の日程で、北京、西安、上海において中国青年と交流した。当時の中国は経済発展前夜で、日本にあこがれを持ち熱烈歓迎であった。
著者の石平氏は、かつて熱烈な「毛沢東主席の小戦士」だったという。小中学校で毛沢東思想を叩き込まれ、洗脳され、「小戦士」がどんどん生産された。文化大革命の真っ只中を生きてきた。
最近ネット上で中国の無軌道ぶりを徹底して批判している中国人がいるが、どういう人物かと気になっていた。それがこの石平氏であった。
本書では「いかにして『反日』はつくられるのか」、「中国を覆う『愛国主義』の狂乱」が赤裸々に語られている。
やはり日本でも思われているとおり「反日」がつくられたのは江沢民の時代に国をあげて行った反日教育にあった。1989年に天安門事件が発生した。その残り火のエネルギーの矛先を中国政府や中国共産党に向けさせないために、国民のフラストレーションを日本に向けさせたのだ。
もう一つは「愛国主義」だという。最近の反日デモの際にも良く耳にした「愛国無罪」も同じようなことだ。国を思う気持ちから出た行動なら日本企業や日系商店を破壊したり略奪しても許されるというのだ。これも中国政府は容認している。国民的集団ヒステリー状態なのだという。
このような国際常識から遥かに逸脱した中国の現状を石平氏は激しく非難している。恥ずかしいとまで言い、とうとう日本に帰化してしまった。日本には古き良き時代の中国の文化が息づいており安息の地になったという。彼にとっては本当の意味での故郷は日本になってしまったのだ。
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【反日感情は、このように作られたのか!!】 が分かる!!
共産主義の実態もちょっと分かるかもしれないね~
著者の石平氏が・・・
儒教に目覚めたのは、中国人だからなのかしら?
儒教や道教は、差別思考が強い宗教なんだけども(^_^;)
現在の中国では、儒教や仏教がなくなっているとは驚きだったなぁ~
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毛沢東共産党と中華人民共和国に失望し日本人になることを選んだ元・中国人の著者による中国痛烈批判本。
内容は、1949年に誕生した中華人民共和国が現在まで推し進めている体制をとにかくこっ酷いまでにこき下ろしている。
反面、日本に対しては、生まれたときから日本人である我々よりも“愛日本主義者”としての主張を繰り広げていて、そこまで美化された日本というものに読んでいるこちらがやや恥ずかしくなってくるのは何故だろうか(笑)
日本を褒めちぎられるのは嬉しいことだが、そういった美談はどんな内容であれ話半分で聞いておくのが良い。中国についての記述においても多少は冷静な目で判断する必要があるかもしれない。著者が実際に経験してきたことを素直に書いているのだろうが、そこには多分に感情的な部分も含まれていないとは言えないからだ。
個人としては、中国が歩んできた歴史や、中国人が作り出した文化に対しては最大限の敬意を払っているつもりだが、著者同様に1949年以降の中華人民共和国・中国共産党による自己文化破壊の文化大革命や周辺諸国への恫喝外交政策、拡張主義、ひいては愛国主義という大義名分の名において国内の不満を日本に向けようとする責任転嫁政策には断固反対するし否定されなければならない。
そういった意味ではいわゆる中国国民も被害者だということは忘れないでおきたい。
“中国”とは本来このような国ではないはずだが、現在の中国共産党が政権を握ったまま“中華人民共和国”が世界をリードしようとする日が来ればそれは世界平和秩序瓦解の序章が幕を開けるのと同じようなものだろう。
Posted by ブクログ
石平さんの自伝という感じでした。
特筆すべきことはあまり書いてなかったように感じます。
とりあえず論語を勉強し直そうかなという気になりました。
Posted by ブクログ
幼少時は優秀な「毛沢東の小兵士」であった石平氏が、「現代中国」を捨てたのは、歴史から生き方を学んだからである。俗物に拘らず失うものがないとしたからである。中国政府の要人になり得た人物が一介の愛日主義者になることに、石平氏の「大人タイジン」さを感じる。2011/1/5