あらすじ
ポアロの家に倒れ込んできた男はうわの空で数字の4を書くばかり??国際犯罪組織〈ビッグ4〉と名探偵の対決はこうして幕を開けた。証人を抹殺し決して正体をあらわさない悪事の天才四人を追って、大陸へ渡ったポアロを恐るべき凶手が待ちうけていた。波瀾万丈の冒険と驚愕の結末!
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Posted by ブクログ
読後の感想。
ヘイスティングズとポアロの友情が際立っている作品という印象を受けました!
ポアロシリーズでも、壮大な相手ではなかろうか?
世界を股にかける敵に、灰色の脳細胞で闘うポアロは凄いと思います。
Posted by ブクログ
読んでいるうちに、「あれ!?ポアロってこんなだっけ!?」ってなるくらい、規模が大きい!展開がはやい!スリリング!な話だった。
解説いわく、クリスティーならではのゆったりとした空気感…というものが他のポアロ作品にはあるらしいけど、この作品はもう次から次へとという感じで、いくつもの短編を手直してて作ったというのも納得がいく…
この作品はトリックを楽しむというよりは、マジックを楽しむ感覚に近いというか、不思議なことが起きて種はこうでした!みたいな流れの繰り返しだった。でもそれがすごく楽しい!!
わたしはポアロというキャラクターが好きなので、彼の頭脳明晰さナルシストさ、友情の厚さ、ユーモアさが今まで読んだ作品よりかなり色濃く出ているように感じで楽しかった。
世界一の巨大犯罪組織VSポアロなんて、そんな、胸が躍らないはずがない…
そしてわたしはポアロに全幅の信頼を寄せているので、ヘイスティングズが危ない目にあったり疑ったりするたびに「はいはい笑」という感じで、それもそれで楽しかった。
解説でこの作品を書いた当時のクリスティーのことを知ると、なぜだか親近感が湧いた。
「アクロイド殺し」を書いて、出版社はどんどん作品を書いて欲しいと言う、自分は本当に小説家としてやっていくのか?、夫には不倫を告白され、ちょっと失踪しちゃったし…この苦悩の仲、ここまでの作品を書き上げたのはすごいなあ…
Posted by ブクログ
攻略本で0.5点(ポアロシリーズの中で最低点)の本書。
実家の本棚にもあるので読んだことはあるはず。
例によって内容は全く覚えていないけど、いやさすがに0.5点てことはないはず、と読み進めると。。。
冒頭のヘイスティングスが南米から帰還する場面こそ、「ヘイスティングス、おかえりー!!」と思ったけれど、そこから始まるこれまでのポワロものから急に路線変更したかのような国際諜報ものと化す展開に戸惑いを覚える。
え、なんで世界を暗躍する犯罪組織に急に目をつけられる!?
そりゃ世界的に名声を馳せる優秀な探偵ではあるだろうけど、何かしらの因縁があるわけでもなし、唐突感が否めない。
その上、一章々々であっという間にポワロvsビッグ4の小さな一幕が完結してしまい、長編というよりむしろ短編集の趣。
と思っていたら、巻末の解説文で当時既出の短編達を再編して長編に仕立て上げたという経緯があった模様を知り、あぁやっぱりと。
しかも、そのタイミングはクリスティ失踪事件の直後ながら、名作『アクロイド殺し』の後に間をおかず作品を世に出したいという出版社の強欲事情が絡み合い、無理くり生み出された代物のよう。
なんと不幸にまみれた作品。
それでも自分的には、その昔クリスティに傾倒していた頃はランダムに読んでいたので気付かなかったけれど、今順番に再読している中でポワロシリーズが辿っている山谷、試行錯誤、意外とシリーズとしての経過も盛り込まれている点(猟犬ジロー警部に対する言及やヘイスティングスの結婚と南米行き等)を感じ、ある意味興味深い一冊となった。
攻略本霜月氏のコメントの数々の辛辣ぶり、極めつけの「エンタテイメント小説の研究者以外は『ビッグ4』を読む必要はない。」にも遺憾ながら同意してしまうが、逆にその作家人生の序盤にしてかなり大きな谷がありつつ、ここから盛り返すクリスティの作品群に、女王の底力を感じるものでもある(ちなみにあとひとつ0.5点がある。。。)。
次は『青列車の秘密』。