【感想・ネタバレ】おあとがよろしいようでのレビュー

あらすじ

人は皆、出会ったものでできている。

金も夢も友もない上京したての大学生・暖平。
ひょんなことから落語研究会に入ることになり、
“背負亭(しょいてい)こたつ”として高座に立つ羽目に!?

累計100万部突破の名手がおくる、
新しい自分に出会える人生応援小説。

あらすじ

大学進学を機に群馬から上京したばかりの門田暖平は一人、新品のこたつを亀の甲羅のように背負い佇んでいた。配送料が払えず自力で下宿に持ち帰ろうと思ったが、帰宅ラッシュで電車に乗り込むことができない……。
途方にくれる暖平の前に、一台のワゴンが停まる。乗っていたのは、入学式当日、構内で落語を演っていた落語研究会の部長・忽那碧だった。落研に誘われるが、金もなく、コミュニケーションにも自信がなく、四年間バイト生活をして過ごすつもりだと語る暖平。
「必要なのは扇子一本。あとは座布団さえあればどこでもできる」という碧の言葉に背中を押され、暖平の人生が大きく動き出すーー。

・「面白さ」「上手さ」は一つじゃない
・明日が来るのが楽しみになるくらい準備する
・徹底的に同じ型を踏襲し、初めて個性は爆発する
・追い詰められてはじめて、人は真価を発揮する
・どんな時も楽しむ。自分がやりたいことをやる

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Posted by ブクログ

ネタバレ

途中から「ソバニイルヨ」という本が浮かんだと思ったら同じ著者だった(笑)

「おあとがよろしいようで」の方が刺さる人が多い気がする。どちらも良書。わたしの人生においてホームラン級の本。


好きな言葉、考え、真似したいところ↓

●P106高校時代の健太の質問「どうして落語家になったんですか?」に落語家が答えた言葉。

『落語の登場人物はみんなどこか抜けてる。いや、どこかどころかかなり抜けてる。欠点だらけなんですね。だけど、一つだけいいところが誰にでもある。その一つだけのいいところで江戸の社会にちゃんと居場所をつくって、お互いによしとしているんですね。何の文句もない。この部分を直せとか、もっとこうしろ、なんて相手に要求しない。
お互い人間だから、馬鹿なところとか、自分勝手なところとか、あるよねってのが根底にある。
そういう世界に憧れたんです』

●P121〜125あたり
凛が父を見て学んだこと
「明日が来るのが楽しみになるくらい準備をする」

●P156碧とこたつの会話。同じ噺なのに、演る噺家によってまったく違った雰囲気になる。だれを参考にしていいかわからなくなったというこたつに対して。個性とは。
『(略)俺が古典落語が好きなのはね、こうやってみんな同じ噺をするのに、そこに一人一人の個性が色濃く爆発するからなんだよ。
徹底的に同じことをやってみないと、個性なんて発露しない。
だって、どこまでも同じことをやってるのに、一緒にならない部分のことを「個性」っていうんだろ?』

例)父の真似をして撮った運動会の写真を、父は「暖平らしい」と言った。

●P171〜178
今のお前はこれまで出会ったすべてた。
でも、未来のお前はこれから出会うすべてだ。

『こ・こたつ』に見せてやる世界が激変したら、世界に対する認識も激変する。その世界の中で幸せに生きるためにはどうすればいいかと、『こ・こたつ』が下す判断もまったく違うものになる。



翠と碧、どっちも人としてすごいなぁ…。
こんな優しい人…有言実行出来るような人になりたい。

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2025年01月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

すごく面白かった。これまで読んできたミステリーとは異なり、無気力で社会に対して冷ややかな目をしている主人公が、入学式で落研の、部長の、パフォーマンスに魅了されたところから物語は始まる。まず、文借亭那碧(あやかりていなあおい)、背負亭こたう、有賀亭眼鏡(ありがていめがね)など名前がとてもキャッチーであり、読むだけで微笑んでしまう。その後は、碧との会話や実際の落語での経験を通して暖平(こたつ)がグングンと人間的に成長していき、最終的にはこたつがあの日の部長のような姿になるという結末で終わる。僕はあまり悲観的に物事を捉えるタイプではないので共感するところはあまりなかったが、それでも彼の人間的な成長や、落研メンバーの和やかな雰囲気にはほんわかと安らぐ気持ちになり、次々とページを捲りたくなる1冊だった。

0
2025年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

喜多川泰さんが落研について書いた一冊

大学進学を機に田舎から上京した貧乏大学生の暖平。新品のこたつを亀の甲羅のように背負って佇んでいた。途方にくれる暖平の前に一台のワゴンが止まる。その出会いが暖平の運命を大きく変えることになった。

初めての人ができないものってあんの?それってみんなどうやって始めたんだよ

明日が来るのが楽しみになるぐらい準備する

徹底的に同じことをやってみないと、個性なんて発露しない

じっとしてる奴より、行動していろんな世界見てる奴の方が成長は早い。

今のお前はこれまで出会ったすべてだ。
でも、未来のお前はこれから出会うすべてだ。

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2025年09月14日

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