【感想・ネタバレ】本居宣長 文学と思想の巨人のレビュー

あらすじ

漢意を排斥して大和魂を追究し、「物のあはれを知る」説を唱えたことで知られる、江戸中期の国学者・本居宣長。伊勢松坂に生まれ、京都で医学を修めた後、賀茂真淵と運命的な出会いを果たす。以来、学問研究に身を捧げ、三十有余年の歳月を費やし『古事記伝』を著した。この国学の大成者とは何者だったのか。七十年におよぶ生涯を丹念にたどりつつ、文学と思想の両分野に屹立する宣長学の全体像を描き出す。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

国学の大家である本居宣長の生涯と思想を概説した書。宣長の生涯を追いながら、彼の説いた主張や学説がどのようなものであったのかを解説する。
本書の特徴は、本居宣長の生涯を10年スパンで区切り、それぞれにテーマを設定して記述している点である。例えば第2章「学問の出発」では20代の国学・歌学との出会いを、第3章「人生の転機」では30代のターニングポイント(師である賀茂真淵との出会い、「もののあはれを知る」説の提唱)を取り上げている。その為、宣長の学問の流れがよく把握できるようになっている。また本書は宣長学を「思想」(古道学)と「文学」(国語学・歌学)の両面から捉えており、その多角的な広がりを知ることが出来る。
宣長の「日本」意識が彼の肥大化した自意識でもあるという指摘は説明不足の感があったが、全体として本居宣長の思想体系を一望できると言えるだろう。個人的に興味深かったのは宣長が和歌において「古風後世風詠み分け主義」をとっていたという点である。彼が上代のみならずそれ以降の歌風にも親しんでいたこと、またその姿勢を巡り師である真淵と対立していたということは驚きであった。

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2014年08月19日

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