あらすじ
文化人類学者で友人の畑中幸子が滞在する、数年前に発見されたシシミン族のニューギニアの奥地を訪ねた滞在記。想像を絶する出来事の連続と抱腹絶倒の二人の丁々発止。有吉ファン必読。
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Posted by ブクログ
おもしろい!
素晴らしく読みやすい文章で、その場にいるような臨場感があるし、まだ未知の世界が残されていた最後の時代かもしれない。
文明化されていない人たちと接しながら、手探りで研究をする畑中先生とうっかり尋ねてしまった友人で作家である、有吉佐和子のエッセイ。
熱帯の山越えも壮絶だし、たどり着いた先に何もない(缶詰のコンビーフばかり食べている)とか、川の水で洗濯したり、水を飲んだり、私は帰って来れないな、と思うようなエピソードばかり。
女二人言いたいことを言いつつもカラッとした関係性の表現が良い。
Posted by ブクログ
日経で紹介されているのを見て、読んでみた。
女性2人のニューギニア滞在記。
畑中さんのたくましさに驚嘆させられる。
書かれたのはかなり昔だが、それを感じさせない面白さ。けど、当時のニューギニアに行きたい、、、とはさすがにならないな。
Posted by ブクログ
有吉佐和子さんの背景知識など皆無の状態で読み始めたため、序盤に時代背景の違和感に気づき、初版が1969年と見てとても驚いた。関西弁の2人のテンポの良い会話に、行ったことのないはずのニューギニアの景色が脳裏に浮かんできて読んでいてとても楽しい時間を過ごせた。特にヨリアピを目指して山を越えていく場面は一緒になってクタクタになっていく感覚があって、読むのに時間がかかった。
現代よりも遥かに不便な当時にこんな大冒険ができるんだから、自分もまだまだ何も諦めることはないんだろうなと元気が出た。
時代を超えても愛される素朴で素敵なクスッと元気をもらえる旅行記だった。
Posted by ブクログ
内容を詳しく調べず、タイトルだけで読み始めたので、もっと楽しい旅行記かと思っていたがまさかこんな始まりとは…
ニューギニアでの良いことと、やはり日本は恵まれているというふたつを感じながらずっと読んでいた。
ニューギニアに住む彼らは1日1日を生きるのは大変だろうが、毎日のことに必死になって生きていく。それはそれで良いこともあるだろう。しかし、やはり日本に生きている身からすると、こうした不便な国がまだ世界にはあるのかと考えさせられた。濾過器を見せただけで驚く、音声を再生したら喜ぶ、そういった日本に生きている我々からしたら当たり前のようなことも彼らにとっては新鮮で、まだ新鮮に受け取る人々がいるんだ、という視点は欠けていたなと感じた。
まあ有吉さんがニューギニアに行っていた時からもう数十年経っているため、今の現状は変わっているだろうが、日本の外側の世界に触れることができて面白かった。
またやはり畑中さんは面白い。こんな人がいたらいいととても思う。そして有吉さんとの関係性も憧れる。嫌なことは嫌という、軽蔑したと思った軽蔑したという、しかしそれで関係が崩れることはない。今の現代社会の人間関係において大切なのはこれではないかと思う。反対意見をぶつけても、それで関係が崩れることがない関係、それが一番大切なのではないか。そうした素直に言い合える関係性、私もそういった関係性を築きたい。
またテアテアの話も興味深かった。お礼としてパンツをあげたりしているうちに、それまでオドオドしていたのに、位が高くなったように感じて横柄な態度を取るようになり、仕事もしなくなる。発展していない国の人になにか物をあげたくなるのは、発展国、経済的に上に住んでいる人はやりたくなるのではないだろうか。私はやりたくなる。しかし、それが良い効果をもたらすだけではないということを感じられた。文明の発展はあるだろう。しかしそれによって人と性格が変わってしまうほどの変化も生じる。パンツをあげることで彼は自信をつけたのかもしれない。自尊心も高くなったかもしれない。そう考えればよかったのかもしれないが、どことなく寂しさを感じてしまった。
最後の帰国の場面、また山を登るのだと思っていたため、それにしてはページ数が少ないなと頭を捻っていたが、まさかヘリコプターが来るとは。本文でも書かれていたように思うが、本当に「事実は小説より奇なり」なのだと驚いた。まさかこのような帰国になるとは。急な別れ。ニューギニアに私は行ったことがないが、筆者と同じようにそこで生活していたような感覚がずっとあり、ニューギニアを離れるシーンは、これまでいた場所がなくなってしまう。でもこの辛い日々、食べ物は十分なものが食べられないし、夜は暗いし、いつか殺されるかもしれない、という日々からすぐ抜け出せるかもしれないという希望。その全てが入り混じった、なんともいえないノスタルジーを感じた。
こんなところには住みたくないという気持ちと、でも読み進めていると面白くて笑ってしまう、2つを行き来する面白い読書だった。
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有吉佐和子さんのエッセイ。
友人の文化人類学者、畑中幸子氏に誘われニューギニアの奥地を訪ねた有吉佐和子さん。五十年以上も前の話ですよねぇ。凄い!
足の指の爪がはがれるほど歩くなんて無理だわと思いつつ、大らかな畑中氏と有吉さんの軽妙な筆致で最後まで楽しく読ませていただきました。
ちょっと外れた感想かもしれませんが、当時の現地の生活を読んで、人類ってすごいなぁと、生きるってシンプルなことなのだと改めて思いました。
Posted by ブクログ
有吉佐和子ファンの従姉妹に勧められて初めて有吉佐和子著を読んだ。
パプアニューギニアに何の前知識もなく行くことになった著者のエッセイ、旅行記。
徒歩で山を越え川の中を進み、足の爪が剥がれかけながらも3日かけて(途中、歩けなくなった有吉さんは、捕獲した動物を棒で運ぶように運ばれる)、友人の家に行く。現地ではネイティブは泥色の水を飲み、蚊やダニに悩まされながらの電気もない生活。
ほんとにそんな経験したのか、と疑いたくなるけどとてもリアルで明るい口調で綴られる。
自分も経験できたような気になってきて面白かった。
Posted by ブクログ
未開の地に、好奇心や探究心で行く、無謀ともいえる逞しさ。とても真似できないからこそ、本を通して擬似体験できる幸せを感じた。
また、原住民との交流を通して、私たちが当たり前と思っていることが、近代文明なのだと知る面白さ。
自分の殻から少し外に出て、視野が広がる。そんな感覚を得られる本だった。
Posted by ブクログ
これが60年近く前の話とはとても思えない。エネルギッシュというか向こう見ずというか。これフィクションでしょと途中から思ったほど。でもこういう経験をしていた人がこの時代にいたなんて驚き。女性とか男性とかそういう枠を超えてこの時代の日本人としては極めて異色の経験や感性の持ち主だったのだろう。参りました、という感じ。
Posted by ブクログ
1985年に朝日文庫から刊行された『女二人のニューギニア』の再文庫化になります。
著者の有吉佐和子さん(1931-1984)が、
ご友人で文化人類学者の畑中幸子さん(1930-)(当時、東京大学院文化人類学在籍、現在は中部大学 名誉教授)のフィールドワークを訪れた際の、壮絶だけども笑えてしまう滞在記になっています。
「ニューギニアは、ほんまにええとこやで、有吉さん」という畑中さんのお誘いに「じぁあ、行くわ。案内してくれる?」と大層気楽な気持ちでスタートしてしまったこの旅は、大変なものになります。
悲惨な状況が続くんですが、文章が面白すぎて何度も何度も笑ってしまいます。
のっけから、ニューギニア行きを止めてくれなかった周囲への不満がたらたらと。笑
道中・滞在記では、お二人のやりとりが生き生きとして伝わってきて、本当に面白いです。
(とにかく大変極まりないんですがね汗)
現地に行くため二日間ジャングルを歩き、疲れて三日目に「こわれてしまった」有吉さんを、迎えにきてくれたシシミン族の人たちに運ばれる描写など、最高に笑ってしまいますよ。
考えさせられることもしばしばです。
戦地だった傷跡も描写の中に出てきます。
また、白人はネイティブをバカにし、その白人から文明を取り入れた者が、また新たなヒエラルキーの頂点に立つようなところは、植民地時代から繰り返されているであろう人のエゴが感じられます。
「山野を自由自在に駆け巡っていた彼らが、文明という眼鏡をかけ、文化という靴をはき、贅沢というシャツやパンツを身につけるようになるのが、幸福といえるかどうか、難しいところだ。」と記されています。(ケン・リュウ氏の「紙の動物園」に収められた「結縄」にも感じた想いです。)
色々ありますが、たくましいに尽きます。
仕事などで疲れている時に読むと「まだ頑張れる!」という気持ちになれるかもです!笑