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Posted by ブクログ
実話をもとにした小説。沖縄返還時に、米国が支払うことになっていた地権者への土地原状回復費400万ドルを、日本が肩代わりするという密約外交文書を、新聞記者が国家議員に漏えいした事件。第一巻は政治部敏腕記者である主人公の漏えいが発覚し、警察に拘留されるまで。ここから先、最高裁判決が出るまで法廷闘争が続くのか。結構きつい内容です。
そういえば、ドラマにもなっていたのですね。見てはいませんが。
Posted by ブクログ
膨大な資料や取材から濃密な作品を作り上げる山崎さんの作品、本作は、いわゆる『外務省漏洩事件』『西山事件』が題材です。
文庫本は四巻分あり、全般は記者弓成の三十余年に渡る紆余曲折を描きます。
・・・
第一巻では特ダネ記者としてぶいぶい言わせる弓成が、外交官や政治家に食い込み、情報を取ってくる様子をビビッドに描写しています。
空気はひとことで言えば『昭和』。仕事は朝から晩まで。取材先には夜討ち朝駆け、酒とたばこは必需品。そして奥様の定位置は家庭。
そうした雰囲気のなかグレーな取材攻勢で外務省の女性事務員三木から情報を取った弓成ですが、政府の動きに対し義憤を感じたことから別ルートで当該情報をリークしたところ、取材元がばれる事態となり、刑事事件へと発展していく。
沖縄返還問題についての米国と日本の政府の在り方。こうした政治・国益等の問題を浮かび上がらせる一方、弓成と三木との関係、弓成の妻の葛藤、弓成と仕事上の関係者の変化など、ドラマに富み、面白く読める。
令和の現代からすると前時代的な雰囲気ながら、政治・歴史・ジャーナリズム等に関心のかる方にはお勧めできる作品であると思います。
Posted by ブクログ
政治に疎く、以前挫折したもの。再読。
・・・めっちゃ面白いやないか。
時間はかかるけど、読み解けるようになった感じがするのは大人になった証拠かしら。
機密文書を巡り、幾人かの人生が狂い出す1巻。
自信に満ちていて、類い稀なる資質も兼ね備えた弓成亮太は魅力的だが向かうところ敵多し。
新聞って、国民の知る権利のためにあるとばかり思っていた。
国政にメディア操作は欠かせない要素で、記者たちはどちらかというと国民のほうより政治家を向いて仕事をしてるような印象を受けた。安倍さんなんかはその操作がほんと上手なんだろうなあ。
しかしこんな人たちを相手に、抜いた抜かれたとまさに生き馬の目を抜くような仕事をするなんてハートの小さなわたしには考えられない。。
もう機密文書が流出してから胃が痛くて仕方なかった。
でもなんであんな簡単に渡しちゃったんだろうね。軽率すぎ。
「運命の人」のタイトルの意味はーー
弓成逮捕の裏側になにがあるのかーー
一気読み必至やーーん!
Posted by ブクログ
ドラマを先に観ていたから、わたしの中で、主人公で敏腕新聞記者の弓成はもっくんでその妻が松たか子。外務省事務官の三木昭子は真木よう子でその夫が原田泰三。
時代は1971年。沖縄返還交渉を背景とした西山事件がベースになっています。政治、警察、司法などの国家権力と報道の関係、沖縄返還時の不平等な密約など、問題は今日のマスコミのありかたや、辺野古でおこなわれていることに至るわけです。
全4巻の最初の1巻は、弓成逮捕まで。