【感想・ネタバレ】日本人として読んでおきたい保守の名著のレビュー

あらすじ

「ネット保守」という言葉をよく聞くようになった。若い世代で「保守」を自認する人も増えている。また、時の政権のリベラルな政治姿勢に反発しているのかもしれない。とはいえ、保守陣営でも政策によって意見は分かれることがしばしばだ。論者によっては、日米関係重視を主張する人もいれば、反米を声高に唱える人もいる。「平成の開国」に賛成する人もいれば、TPP反対を叫ぶ人もいる。では、そもそも保守とは何か。深く考えたことがあるだろうか。本書は、「保守主義の父」と呼ばれるエドマンド・バーク『フランス革命についての省察』にはじまり、ハナ・アーレント『全体主義の起原』、カール・ポパー『開かれた社会とその敵』、ハイエク『隷属への道』など7人の名著を紹介し、保守の核心に迫る。「保守思想は垂直軸を持つが、リベラル陣営は水平次元でしか生きられない」と主張する著者による「保守主義」の入門書である。

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ネタバレ

ポパーの言葉

・民主制とは、「民衆の支配」を意味します。信じ難いことかも知れませんが、この名前自体が重大な誤謬の源泉なのです。
 ここに、政治的義務より政治的権利を強調するという問題のすり換えがあるのです。
そればかりか、生徒たちは、実際には彼らが支配など全然していないことに気づき、いわゆる「民主制」なるものは虚偽であり、彼らを欺くための手段に過ぎないと思うようになります。
彼らは、独裁制下に生きた経験が無く、独裁制下の生活の非人間性、生命への恒常的脅威の下での無責任状態の生活がどのようなものかを知らないのです。
・確かに自由は最も重要なものですが、私の自由は貴方の自由によって制約されます。私が拳を振り回す自由は、貴方の鼻の存在によって制限されるのです。即ち、貴方も私も、自由だけでなく責任を持ち、権利だけでなく義務をもつのです。
・文明とは、暴力なき生活様式を、人間関係の常態として確立し、また暴力行為なき生活様式を正常・正当なものとして確立しようとする人類の長い間の努力です。
・このような「文明」を実現する方法として知られている唯一のものは、法の支配の確立です。(ここでいう法とは人間の作った法律のことではない。それは宗教よりも権力よりも上位のものである。それは愛情と真実に基づいたものである。それは祖先が残した伝統、慣習、そして過去の事例によって見つけるものである。この「法」に基づいて統治を行う以上、法律はどうあるべきか、統治はどうあるべきかを規定する。必然的にそれは制限された権力による統治となる。したがって、「設計された法」は「法」たりえない。倫理は発明されるものではなく、発見されるものである。)
人口密度の高い国家において、法の支配がなければ、恐怖の支配がそれに代わる他ありません。法の支配の正当性の根拠は、現行法のいかなる部分の変更も、体制に組み込まれた非暴力的手続きに従って行われることにあります。
・開かれた社会(自由な批判、意見を許す社会)においては、子供は、責任ある両親、それが不可能な場合には他の責任ある人物によって育てられる権利があたえられなければなりません。
 子供は何らかの仕方で、その教育システムの中で、肉体的・知的・道徳的に可能な限りの成長を遂げさせられるべきです。
「子供の活動を罰するより激励せよ」とは、常に教師の座右の銘とすべきものです。 

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2022年09月30日

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