あらすじ
今をときめく作家たちの、キレの良い短篇を一冊に
日本文藝家協会が選ぶ短篇傑作選。AI、リモート、宇宙探索、家族の不和、孤独死、LGBTQなど現代のテーマに人気作家が挑む。
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Posted by ブクログ
全ての短編が面白かった。ジャンルもバラバラで読み応えがあった。
『ビーチで海に齧られて』
グロテスクでファンシーな世界観が、テンポの良い青年の若い語り口で進んでいく、不思議で怖い。
自然の積極さや大きさに比して、語り手の小さく受け身な姿勢に、自然への人間の無力さを感じてしまった。
『走れ茜色』
ジュブナイル恋愛小説で友情小説で、とても好きだった。
『一角獣の背に乗って』が好きだった。
明らかなセックスワークのメタファーが満載だった。
怒りと反抗、逃避の小説。とても好き。好き嫌いで消費してはならないが。
Posted by ブクログ
旅のお供として。「現代の短篇小説ベストセレクション2023」ということで、12篇も入ってるアンソロジー。一つ見開きで終わるのもあったけど。普段はミステリーのアンソロジーをよく読むけど、これはそういうくくりではないので、初読みの作家さんも多かった。基本的にほとんど面白かったけど、斜線堂有起「妹の夫」は最後涙が出た。宇宙とワープってことでこれもSFに分類されるのか?でもこれは荒城とドニの友情の物語だ。あるいは職業倫理の。感動。あと荒木あかね「同行のSHE」もちょっとステレオタイプではあるけど面白かった。さすが『此の世の果ての殺人』の作者。あと逸木裕「陸橋の向こう側」は流行りのどんでん返しな感じ。おなじみのサカキ・エージェンシーのみどりが主人公。これは単行本化されたらまた読むだろう。佐原ひかり「一角獣の背に乗って」も初読みの作家さんだったけど面白かった。一角獣を捕まえるアルバイトの件はほんと反吐が出る感じだった。くそおやじ達め、って感じ。
Posted by ブクログ
【収録作品】
「悧口なイブ」 佐藤愛子
「雨の中で踊る」 森絵都
「ロマンス☆」 一穂ミチ
「おかえり福猫」 まさきとしか
「楽園の泉の上で」 高野史緒
「走れ茜色」 君嶋彼方
「一角獣の背に乗って」 佐原ひかり
「どうせ殺すなら、歌が終わってからにして」 須藤古都離
「妹の夫」 斜線堂有紀
「同好のSHE」 荒木あかね
「陸橋の向こう側」 逸木裕(森田みどりシリーズ)
「ビーチで海にかじられて」 一條次郎
2022年に文芸誌などに発表された短篇からのセレクト。「雨の中で踊る」「ロマンス☆」コロナ禍であぶり出された不満の行く先が描かれる。
「走れ茜色」は高校生の話で青春を感じる。
「一角獣の…」「同好のSHE」はキャラがいい。
「どうせ殺すなら…」は社会派で、切ない。この世界がSFでもファンタジーでも無いことがつらい。
「妹の夫」はミステリとして面白い。