あらすじ
甲斐性なしの第二王子殿下に鉄槌を!?
訳ありの子爵家当主が送る痛快王宮ファンタジー!
訳あって身分を隠しているイルムヒルトは、侯爵家の令嬢・アレクシアに招かれ、王立学院の卒業記念パーティーに参加する。そこで突然、第二王子・エドゥアルトから身に覚えのない罪に問われてしまうが、鮮やかに真実を暴き、エドゥアルトの所行を明らかにする。けれど、その一件をきっかけに、王宮の『アレ』に目を付けられることになり…!?
Web版から大幅加筆した第1巻!
感情タグBEST3
WEB版を読み終わったところで書籍が出ていることに気づき、完結を待って読み始めました。
「アレ」に関しては最初の方からある程度予想がつくものの、最初からクライマックスのような展開に引き込まれ、次々と出てくる陰謀と過去話にうっかり徹夜したWEB版。
聖女系だと最後の最後で相手を許しちゃって興醒めなことがあるのですが、こちらはそうではなく、個人的には好みでした。
復讐を遂げる物語がお好きであれば一読の価値があるかと。
あとがきによるとこの先の加筆も多そうで、物語が商業版でどこまで強化されるのか、結末に変更があるのか、楽しみでなりません。
主人公が優秀な貴族たる所以はかなり重いですし、強力な味方はいるものの主人公側の立場は決して優勢とは言い難い。
主たる語り部の主人公も読者に多くを語るわけではないので、最初は過去に重大ななにかがあったんだな、程度で謎が多い印象です。
ざっくりと、権力者に立ち向かう系と言えるのではないでしょうか。
WEB版を読んだ身からして、一巻の断罪劇が起こった背景にしろ「アレ」関連の結末にしろ、ライトに楽しむには向いていない作品な気はします。
王侯貴族が関わる罪では定番といえば定番ですが、「アレ」が性的にキモい嗜好なので苦手な方はご注意を。
イルムヒルトも盛大にキモがってます。
“アレ”って何でしょうねぇ~
物語は初っぱなからクライマックス。
パーティで、会ったこともない第二王子が突然始めた断罪劇。別の思惑が裏にあり画策した(と、思っている)第二王子と側近は、単にそそのかされたよりも たちが悪い
一難去ってまた一難、というか波のように問題が襲ってくるのを ダン!ダン!ダン!と片付け進む話が小気味良い。のだが、所々に出てくる言葉がやけに難解な言葉が使われていて「?」となることがしばしば…。ご卒業合いとかって何でしょう?
まだまだ油断もできないヒロインに感情移入して、緊張しつつも楽しく読んでいますので次刊が早く出ると嬉しいです。
匿名
帯は嘘じゃないがホントでもない
幾重にも畳まれた物語が、その中身を見せるごとに展開される喜怒哀楽。
その隙間からチラチラ見える不穏さ。
とうとうヒロインを見つける「アレ」
まだ1巻だけしか読めていませんが
なかなか読み応えがありました。
一人称形式で語られるが、肝心な事は読者には明確に見せない形。
帯の冤罪お笑い断罪劇は
それはそれで面白く逆転ザマァとなりますが
表向き語られる断罪劇の裏にあった陰謀劇。
その収束の中、徐々に明らかにされる洒落にならない裏事情。
殆ど語られないが、ヒロイン自身は明確に知っている「アレ」の断片的な情報。
サイコじみた雰囲気を僅かに見せながら話が展開されます。
痛快というには些か事情が重過ぎます。