あらすじ
「ワイン・グラスの赤い液体に映った人間の影、肉体の悪魔--あの美しい酒が、わたしの体のなかで、いま悪魔の肉に変わりはじめている」小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談物語「茶わんのなか」を題材に女性の魔性とエロスの世界を描く表題作(昭和59年第12回泉鏡花文学賞受賞作)ほか「葡萄果の藍暴き昼」「象の夜」「破魔弓と黒帯」「ジュラ紀の波」「艶刀忌」「春撃ちて」「フロリダの鰭」。多彩で絢爛たる異色作八篇を収録した。
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Posted by ブクログ
黒い水脈につらなるひとりとして数えられるこの作者、初めて読んだ。
現代を舞台として、そしてゆめまぼろしとは距離を置いた題材でありながら、
この妖しさ。
皆川博子と一緒に名前が提出されるのにもうなずける。
Posted by ブクログ
タイトルに八雲が入っているわけで、そこも含めて現代の怪談って感じなわけですよ。いやホラーって気もしつつ、微妙な余韻とかを含めてそこは怪談っていうのがふさわしかろう、と。
てなわけで文芸作品って感じの作品が並ぶけど、ちと怖いのが含まれるのって良いよな。ジャパニーズホラーって表現もあるけど(いやなかったっけ)、ここは現代作品も含めて怪談って呼び方で行こうじゃないか。