【感想・ネタバレ】八雲が殺したのレビュー

あらすじ

「ワイン・グラスの赤い液体に映った人間の影、肉体の悪魔--あの美しい酒が、わたしの体のなかで、いま悪魔の肉に変わりはじめている」小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の怪談物語「茶わんのなか」を題材に女性の魔性とエロスの世界を描く表題作(昭和59年第12回泉鏡花文学賞受賞作)ほか「葡萄果の藍暴き昼」「象の夜」「破魔弓と黒帯」「ジュラ紀の波」「艶刀忌」「春撃ちて」「フロリダの鰭」。多彩で絢爛たる異色作八篇を収録した。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

黒い水脈につらなるひとりとして数えられるこの作者、初めて読んだ。

現代を舞台として、そしてゆめまぼろしとは距離を置いた題材でありながら、
この妖しさ。

皆川博子と一緒に名前が提出されるのにもうなずける。

0
2016年07月14日

Posted by ブクログ

タイトルに八雲が入っているわけで、そこも含めて現代の怪談って感じなわけですよ。いやホラーって気もしつつ、微妙な余韻とかを含めてそこは怪談っていうのがふさわしかろう、と。
てなわけで文芸作品って感じの作品が並ぶけど、ちと怖いのが含まれるのって良いよな。ジャパニーズホラーって表現もあるけど(いやなかったっけ)、ここは現代作品も含めて怪談って呼び方で行こうじゃないか。

0
2025年08月25日

Posted by ブクログ

泉鏡花賞を受賞した表題作を含む短編全8編。
小泉八雲が『新著聞集』の「茶店の水碗若年の面を現ず」を翻案して
「茶わんのなか」を執筆した際、
「何故か、ある部分が省かれたこと」を知った女性の内に芽生えた殺意。
謎めいた発端から意表を突くオチへ――という話が揃っている。
キャラクターのセリフも初期の激昂調(笑)とは違って落ち着いているので、
読みやすい。
「ジュラ紀の波」の散弾銃ガールが憐れだなぁ……。

0
2013年01月12日

「小説」ランキング