【感想・ネタバレ】焔【ほむら】と雪【ゆき】 京都探偵物語のレビュー

あらすじ

探偵・鯉城は「失恋から自らに火をつけた男」には他に楽な自死手段があったことを知る。それを聞いた露木はあまりに不可思議な、だが論理の通った真相を開陳し……男と女、愛と欲――大正の京都に蠢く情念に、露木と鯉城が二人の結びつきで挑む連作集

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ネタバレ

大正ロマンたっぷりのバディもの。活発な元刑事と病弱な安楽椅子探偵なんだけど、二人の関係はそれだけでは言い表せないのがとても面白い。片思いなのもいい。どれもボリュームとしては大きくないものの、起承転結がしっかりしてて読みやすいし、いくつもの解決法を提案してくるのが新鮮だった。今だとできない、この時代ならではの面白さかもしれない。できればまた新作が読みたいなあって思った。

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2025年02月02日

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ネタバレ

刀と傘が好きで同じ作者さんだったので購入しました。

面白く無いわけじゃないけどなんか無理があるんだよなあとか思って読んでたら…その違和感をひっくり返してからが本番だった。

鯉城と露木自分がうがってみちゃうからな〜って思ったら本当にそうでよかった笑

全部の真犯人が実は露木まで妄想してたからハッピーエンドでよかった

ハッピーエンドかな……

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2024年11月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

普段推理小説はあまり読まないので、事件の真相にこじつけ感がある気がするが、創作だとこんなものなのだろうと思い込んだ。

だから、第四話で全ての事件の真相はみ「鯉城のための作り話」と知ったときは、驚きで鳥肌が立った。この話からようやくページをめくる手がスラスラ進むようになった。

タイトルの焔と雪。最初は表紙の構図をみて2人の位置に違和感があった。だけど、最後まで読むと、一見穏やかだけど心に熱い気持ちを隠す露木と、熱血漢に見えるが自身を冷たい人間だと思う鯉城を焔と雪に例えていることが分かる。深くていいタイトルだと思った。

露木にとっての世界は鯉城のみだけど、鯉城にとってはそうでないのが切ない。

続編を読みたいと思ったが、二人の関係が変わらないことを示唆する終わりが、1番綺麗かもしれないとも思ってしまう。

時代ものだからか、現代ではあまり使わない言葉や漢字が多く、読むのに苦労したけど、諦めず最後まで読んでよかったと思える作品だった。

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2025年09月01日

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ネタバレ

medium霊媒探偵などと同じ二重推理もの
大正時代の日本語の豊かさを感じられる

しかし二重推理のカタルシスは上述の小説のほうがあった

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2025年03月13日

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ネタバレ

大正時代の京都を舞台に探偵業を営む鯉城と病弱ゆえに安楽椅子探偵な露木の幼馴染バディミステリー。

各事件解決に残る違和感に気持ち悪さを感じていたら、やはりそれは『解決』ではなく『物語』な罠。
不実なのに渇望が見えて切なかった。

母親とその母を想う従者と自分、という狭い世界に生きていた露木の前に現れた鯉城。
常に死と隣り合わせな彼の世界にはその3人しかおらず、母も死亡。
となれば、露木が鯉城を恋い慕うのは必然なのだ。
鯉城のためだけに生きている露木の歪んだ愛と献身の物語。

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2024年05月28日

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 舞台設定が大正時代である、鯉城と露木の二人の探偵によるミステリー。鯉城が依頼を受けて調査をしていき、露木が解決していくストーリーかと思いきや、「露木は鯉城のために謎解き、もとい物語を創造している。」という事が分かったとき、某漫画の「真実は人の数だけある。」という台詞が思い浮かんだ。この「露木は鯉城のために探偵行を行う。」「最終的に鯉城も露木のように物語を創造する。」というところが、本格ミステリーに一癖加えた独特な作風になっていて面白かった。

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2024年04月27日

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なんかミステリー読みたいなと探してたら、BLか同性愛か、まあブロマンスがあるらしいと聞き付けて読んでみた。

ネタバラシとして4話の露木視点で「恋をしていた。」と独白があるが、個人的にはそこまで沸き立つものは無かったが、まあ面白かった。

「うわん」
妖怪か人かの話。妖怪に見せかけた人による殺人だけど、凶器が蜂のアナフィラキシーというのが面白い。鯉城に示した露木の推理もまあ納得が行くけど、その後に死人が出ているので、そっちは自殺か他殺か気になるものの、まあいいかと思った。

「火中の蓮華」
鯉城に披露した、同じ火で死にたい狂った男の話は無理があるけど、狂ってるから狂った死に方というのも、まあありだなと思った。でもやっぱ下駄屋の男おかしくない?とも思った。

「西陣の暗い夜」
心中の後に、偽装して自殺説。ややこし。実際は強盗の後に自殺。強盗犯捕まんないのダメだと思うが、ここでは鯉城の心情が重要視されているので良かった。妻に蔑ろにされた与一に自分を重ねる鯉城。そのコンプレックスがちょっとよくわからない。弓枝という女性の具体的な人物像が出てこないので。
妻のことを本当に愛していたのか?とか。妻は幸せだったのか?何を後悔してるのかいまいちピンとこない。
妻が死んで悲しいのはわかるが、与一のように自分は妻を愛してる自分に酔っていたのでは?ということらしいが、なんかピンと来なかったな。というか、この時代なら周りが縁談持ってきそうだけど、露木が止めてんのかな。

「いとしい人へ」
焔と雪の由来の一つの焔がカルラである露木で良いとして、雪がわからん。最後のほう、雪降ってたけど。
露木のネタバラシ回。鯉城という読者を引き付けておくための推理が良い。鯉城を罪の意識から救うための推理が、この関係を維持するためのものであり、エンタメになっていく。

「青空の行方」
亡き妻である弓枝に似た女性を救うために、露木と同じように、彼女のための推理をする鯉城。
露木はそれに気付くが、鯉城は気付かない。ボーイは気付くと思うんだけどなあ。自分が指示された薬を幸助が持っていって死んだら、あれ?とならんか。

全体的に大正の雰囲気を感じさせる小物や地図で面白かった。鯉城のほうも露木に対して疑念があれば良かったかなあ。どうなんだろう。
歪な探偵と助手の関係なら、麻耶雄嵩の木更津やメルカトル鮎が大好きなので、それくらいのやりすぎさがあっても良いかなと思った。個人的には。

でもまあ、助手のための謎解きをする探偵も良いな。いつまでも親の庇護下にいてね、という傲慢さと依存さがある。

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2024年03月10日

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シリーズ一作目っぽくないというか何作かこのコンビで出てる感があってなんだか面白かった。馴染む。
鯉城が犯人だと疑われる展開が来そうで来なくて意外だった。実際世間的には誰が犯人と見なされたのか書かれてないけど、なかなか後期クイーン問題…と思っていたら…だったのでうれしかった。探偵助手の可能性は無限大…というか探偵探偵か。

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2023年12月09日

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ネタバレ

いわゆる連作ミステリとはちょっと毛色が違う。
同作者の「刀と傘」を読んだと時にも思ったけど、主要人物がみんな薄っすら闇を抱えていて何かの拍子に加害者になり得てしまいそうな危うさがある。
今作も真相と願い、加害者と被害者の境界線があやふやでずっと不穏な影を感じながら読み進めた。
文体はさらりとしてるのに湿度が高めでとても好みだった。

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2025年07月09日

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元刑事の探偵鯉城が遭った事件を幼馴染の露木が安楽椅子探偵となって謎を解く・・・という流れの連作短編。

なんというか・・・露木があかす真相がどれもそんなに意外性がなくてパッとしないな・・と思っていたら露木が語り部となりさらなる真相が。でもなんだろうな、いまいちピンとこなかったかな。真相を隠す露木の心情みたいなものが。あっと驚く真相!というほどでもなかったし・・・むしろイヤミスよりですらあった・・このあたりは好みの問題ですけども。

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2024年02月13日

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