あらすじ
【購入者限定 電子書籍版特典あり】
当コンテンツを購入後、以下のURLにアクセスし、利用規約に同意の上、特典をお楽しみください。
https://xget.jp/items/2122
「打上花火、してみたいんですよね」
花火にはまだ早い四月、東京の夜。
内気な大学生・空野かけるはひとりの女性に出会う。名前は冬月小春。周りから浮くほど美人で、よく笑い、自分と真逆で明るい人。話すと、そんな印象を持った。最初は。
ただ、彼女は目が見えなかった。
それでも毎日、大学へ通い、サークルにも興味を持ち、友達も作った。自分とは違い何も諦めていなかった。
――打上花火をする夢も。
目が見えないのに? そんな思い込みはもういらない。気付けば、いつも隣にいた君のため、走り出す――
――これは、GA文庫大賞史上、最も不自由で、最も自由な恋の物語。
※電子版は紙書籍版と一部異なる場合がありますので、あらかじめご了承ください
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この作品と、この作品の後日談になる『極彩の夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』の2冊で完結。
現実の東京の月島あたりのことが親近感をもって描かれている。登場人物は異能を持たないただの人である。不可思議現象など起こらない、ただただ普通の大学生の話。大学は東京海洋大学。
"普通"かな?
目が見えない者が居ることを特に気を使うわけでなく、さりとて触れないこともなく、馬鹿話して酒飲んでもんじゃ焼いて恋ばなする、あぁ普通だ。奇跡の 普通だ。この関係性はこの四人だから為し得たのだろ。
1巻は空野かけるの視点で、2巻は冬月小春の視点で描かれている。だからか1巻は小春が視覚障がい者であることがあまり意識されなかった。それはかけるが小春の全てを愛してしまったからかも、
まぁ他にも目が見えないこと以上の問題が出たことも理由だろうが…小春視点の2巻目に自身のこととした視覚障がい者の負の感情を感じた。
でも、作品内に何度かある
かける「見えるの?」
小春「見えるわけないじゃないですか」
のやり取りに、その後に続く笑いにたまらない幸福を知った。小春ちゃん、それ君の鉄板ネタやなぁ笑いすぎて目から汗出てきたわ
素敵な話ありがとう
胸に来る物がデカい!
盲目のヒロインと主人公の切ない物語でした
癌が原因で視力を失い、癌が再発し余命宣告までされ、主人公と距離を取ろうとするヒロイン
それでも諦めない主人公とのやり取りが切な過ぎて泣きました
最後に主人公に残したボイスレコーダーのメッセージは号泣物です
読み終えた後、胸にドカンと来る一冊でした!
Posted by ブクログ
なんらかのハンデを持つ人と付き合うことはすごくエネルギーを使うこと
自分と違う相手の本当の気持ちをわかることは簡単には出来ないだろうから
でも『冬月小春』は精一杯今の人生を前向きに生き、そして恋をした。
『空野かける』はその思いを受け、そして恋をした。
自分と違う人と関わりを持つってどんなに難しいことだろう。
相手のことを想う気持ちってどんなに大変なことだろう。
また来年になるだろうが、花火を見た後に独り静かにこの本を読んでみたい。
Posted by ブクログ
視覚障害を持つ小春。本作は、彼女とかけるとの、情感豊かに描かれた戦いの記録でしょうか。
全体的に、風景が思い浮かぶような非常に精緻なタッチで描かれており、そのタッチが本作の情感豊かなテイストに非常にマッチしていてよかったです。
大学のコンパの様子から、病院で子供たちと遊ぶ情景、そして二人で過ごす病室に至るまで、読んでいて色々と思い浮かぶのはただただ凄いなぁと。
ただ、盲目設定と癌の設定の繋がりがイマイチ弱く、どちらを描きたかったのか分からなかったなぁという点は残念。
Posted by ブクログ
盲目の少女 冬月小春との恋を描く大学生の青春小説。
前半は大学生らしい軽快な掛け合いもみられる展開だったが、想いが通じた瞬間から展開が大きく変わる。小春目線の、自分の思うまま恋をしたい気持ちと、余命も短い自分と一緒になることがかけるにとってどうなのか、という気持ちのジレンマが伝わってくる。さらに闘病も合わさって後半は苦しい展開が続くが、エピローグではそれらに打ち勝ったことが描かれている。正直、余命がもうほとんどないと言われていたところから回復して結婚して子どもまで授かるという展開は奇跡的すぎる気もしたけど、その後小春に乳がんが見つかったり、かけるにもがんが見つかるという展開があり、すべて上手くいったわけではなかった。エピローグでは他の登場人物についても描かれていて、鳴海も早瀬も社会人となり今後の生き方に悩んでいた。みんな大なり小なり辛い境遇を抱えていて、そんな人たちの前で花火が上がり、それを見上げる。この小説では花火がフューチャーされているけど、花火の美しさというより、花火を見上げて顔を上げる、俯いていた顔を上げるというところに焦点が当てられていた。花火を見て、そのものの美しさを楽しめなくても、見上げるということそのものが大切、ひいては上を向いて生きていくってことの大切さを感じた。